端的とはどんな意味?
端的(たんてき)は、複数の意味をもつ言葉です。それぞれ使われるシチュエーションやニュアンスが異なります。端的が頻繁に用いられる表現として「端的に説明する」というものがあります。また「端的只今」という四字熟語もあるため、本章は言葉の意味や「端的に説明する」という表現について、端的只今という四字熟語についてをまとめて解説します。
端的の意味
「端的」という言葉には、以下の4つの意味があります。
1.明確で、はっきりと識別できる様子
2.瞬時に何かが起こる様子
3.要点だけを手っ取り早く把握する様子
4.物事の本質
3つ目の意味が一般的ですが、1つ目や2つ目の意味合いでも頻繁に使用されます。4つ目の意味は、特定の文脈でしか使われません。
[形動]
1.はっきりとしているさま。明白。
2.まのあたりに起こるさま。たちどころであるさま。
3.てっとりばやく要点だけをとらえるさま。
[名]正しいこと。真実。
(小学館〈デジタル大辞泉〉より)
「端的に説明する」とは?
「端的」という言葉は、複数の意味を含む言葉です。しかし一般的には、要点を素早く把握する様子を表す意味で使われます。例えば「端的に説明する」とは、手短に要点を説明することを指す表現です。不要な説明を省き、相手が理解しやすいようにおこなうのが「端的な説明」です。ビジネスシーンでは、長々と説明するよりも、物事を端的に説明できる人材が好ましいでしょう。
「端的只今」とは?
「端的只今(たんてきしこん)」の意味は、要点を的確に示すことです。山本常朝による『葉隠』に「端的只今の一念より外はこれなく候」と出典がありました。この表現は、まさに今、この瞬間に全力を尽くすことを示したものです。今この瞬間に集中することが、何よりも大切であるという意味を含んでいます。
「端的」の使い方
「端的」は、先述の通り、「即座である様子、すぐに」「明確で明白な様子」「迅速に要点だけを押さえる様子」という意味を持ちます。以下の例文を参考に、適切に使用できるようにしましょう。
・パンフレットは、商品の魅力が端的に表現されているものが良いとされている
・私の学校の名物教授は、説明が端的でわかりやすいため、生徒から人気だ
・端的に言うと、わが社の製品が優れているのは、社員の質の高さに尽きると考えている
「端的」の類語5つ
言葉の意味をより深く理解するためには、類語や同義語を確認することが肝要です。「端的」という言葉には多くの類語があります。本章では「明快」「簡潔」「明白」「明晰」「単刀直入」といった、5つの類語をご紹介。それぞれの類語には、端的とほぼ同意な部分もあるものの、ニュアンスが異なる点もあります。各単語の違いに注目しながら、チェックしていきましょう。
明快
「明快(めいかい)」という言葉は、説明の筋道がシンプルで、理解しやすいことやその様子を指す言葉です。明快な回答を得られたといった表現や四字熟語の「単純明快」も、端的の類語として、広く用いられている言葉です。
[名・形動]筋道があきらかでわかりやすいこと。また、そのさま。「明快な答弁」「単純明快」
(小学館〈デジタル大辞泉〉より)
簡潔
「簡潔」は「かんけつ」と読みます。説明の内容が簡単であり、要点を得ている・手短な様子を示す言葉です。例えば、簡潔に要点を述べるといった形で使われます。
[形動][文][ナリ]簡単で要領を得ているさま。手みじかではっきりしているさま。「簡潔な表現」「簡潔に要旨を述べる」
(小学館〈デジタル大辞泉〉より)