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2024.06.09

「且つ」とは二つの行為や事柄が並行して行われることを表す言葉!使い方をご紹介

「且つ(かつ)」とは、「二つの行為・事柄が並行して行われること」や「一方では」の意味で用いられる言葉です。実際にどのように使うのか、例文を通して具体的にご紹介します。あわせて、言い換えに使える言葉や、使い方についてもまとめました。日常生活でも使う機会が多い言葉のため、ぜひチェックしてみてください。

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「且つ(かつ)」とは?意味を例文でご紹介

「且つ(かつ)」は、現代文と古文では異なる意味で使われる言葉です。古文で使われるときは「ちょっと」や「わずかに」「すぐに」などの意味がありますが、現代では「二つの行為や事柄が並行して行われること」や「一方では」を意味します。

本と男性

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【且つ】かつ(副詞)
1.(「……かつ……」または「かつ……かつ……」の形で)二つの行為や事柄が並行して行われることを表す。一方では。「―飲み、―歌う」
2.ちょっと。わずかに。
「陸奥(みちのく)の安積(あさか)の沼の花がつみ―見る人に恋ひやわたらむ」〈古今・恋四〉
3.そのそばから。すぐに。
「駒の跡(あと)は―降る雪に埋もれて遅るる人や道まどふらむ」〈千載・冬〉

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

二つの行為や事柄が並行して行われること

現代文で「且つ」が使われる場合、大抵は「二つの行為や事柄が並行して行われること」を指します。いくつか例文をご紹介します。

・夏休みの間中、弟はよく遊び、且つよく勉強をした。

・このノートパソコンは軽いだけでなく、処理能力が速く、且つリーズナブルだ。

 

一方では

「一方では」の意味で「且つ」を使うときは、文頭に並べるように「且つ」を配置します。たとえば、次のように使います。

・今日は村の祭りの日だ。皆が楽しく、且つ飲み、且つ歌った。

・彼が大臣の地位から外れたというニュースは、さまざまな感情を引き起こしているようだ。且つ悲しみ、且つ安堵している。

 

「且つ」の言い換えに使える言葉

二つの行為や事柄が並行して行われることを意味する「且つ」には、言い換え表現が多数あります。よく使う表現としては、次のものが挙げられます。

それぞれの使い方やニュアンスについて、例文を通して見ていきましょう。

辞書

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「且つ」の言い換えに使える言葉
  1. あわせて
  2. および
  3. 同時に

あわせて

「あわせて」は、「その上さらに」や「同時に」の意味で使う言葉です。行為や行動を並行して行う「且つ」の言い換えに使われることもあります。

・彼は頭がよく勉強が得意だが、それとあわせて非常に現実的な側面がある。

・新年のお慶びを申し上げ、あわせて皆さまのご健康をお祈りいたします。

 

また、「あわせて」には、「総計して」や「全部で」の意味もあります。

・参加者はあわせて700人だ。

・この箱には10個のボールが入っている。かごには7個のボールがある。あわせて17個だ。

 

および

「および」は、複数の事物・事柄を並列して挙げたり、別の事物・事柄を付け加えていったりするときに用いられる言葉です。「また」や、「そして」「ならびに」と言い換えられます。

・教師および生徒は、今すぐ避難所に移動してください。

・現代国語、英語、および統計学は必修科目です。

 

同時に

「同時に」は、「同じときに」や「いちどきに」を表す言葉です。

・下り電車と上り電車が同時に発車した。

・二人が同時に話し出したため、何を話しているのか理解できなかった。

 

「同時に」は、接続詞的に「その後すぐに」や「それとともに」の意味で使われることもあります。

・話し声が聞こえ、同時に人が入ってきた。

・彼女の竹を割ったような性格は、長所でもあるが、同時に短所でもある。

 

また、「と同時に」の形で、「すると同じときに」や「するとすぐに」「だけでなく、加えて」「とともに」の意味で使われることもあります。

・日が昇ると同時に出発した。

・彼は他人に厳しいと同時に自分にも厳しい人だ。

 

「且つ」と反対のニュアンスがある言葉

「且つ」と反対のニュアンスで使われる言葉としては、次のものが挙げられます。

それぞれの使い方について、例文を通して見ていきましょう。

会話する男女

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「且つ」とは反対のニュアンスがある言葉
  1. あるいは
  2. または
  3. もしくは

あるいは

「あるいは」とは、同類の物事の中のどれか一つであることを表す言葉です。二つの物事が同時に行われる「且つ」とは、反対のニュアンスがあります。

・煮立ってきたら、料理酒あるいはみりんを加えてください。

・さっき試着した中では、赤いワンピース、あるいはカーキのオールインワンが似合うと思う。

 

「あるいは」は、「ひょっとしたら」の意味で使われることもあります。

・あるいは私が勘違いしていたのかもしれない。

・明日はあるいは雪が降るかもしれない。

 

「あるいは」は、同類の事柄を列挙していろいろな場合のあることを表すこともあります。この場合は「一方では」と言い換えられるため、「且つ」と同じニュアンスで使えます。

・あるいは歌を歌い、あるいは手拍子をとった。

・皆が思い思いの格好で華やいだ気分を表現している。あるいは髪に花を挿し、あるいは首にスカーフを巻いている。

 

または

「または」とは、似通った二つ以上の事柄のうち、どれか一つを選ぶときに用いる言葉です。

・ボールペンまたはサインペンで記入してください。

・夜から冷え込みが強くなるため、明日は雪またはみぞれが降ると思われます。

 

次にご紹介する「もしくは」とほぼ同じ意味で使われますが、どちらかといえば「または」のほうがカジュアルなニュアンス、「もしくは」はやや改まったニュアンスがあります。

もしくは

「もしくは」とは、どちらか一方を選択するのに用いる言葉です。この用法で用いるときは、「あるいは」と言い換えられます。

・行くのか、もしくはやめるのか、早く決めてほしい。

・クライアントが賄賂を要求したとき、もしくは強要したときは、しかるべきところに相談してください。

 

「もしくは」は文章語的で改まった言い方のため、法令文の中でも頻繁に用いられます。また、「または」も法令文に使われることがありますが、主に大きな段階を選択するときに使われ、「もしくは」は小さな段階に使われることが多いようです。

適切な場面で「且つ」を使おう

「且つ」という言葉は、現代文では「二つの行為や事柄が並行して行われること」や「一方では」を意味します。日常生活でも使う言葉ですが、どちらかといえば文章で使うことが多く、話し言葉としてはあまり使わないかもしれません。

日常会話の中では、「あわせて」や「同時に」といった言葉のほうが使われる機会が多いです。意味の違いやニュアンスを把握し、適切な場面で適切な言葉を選ぶようにしてください。

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