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働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE インタビュー

2024.07.27

俳優・竹財輝之助さん「子供と遊ぶときは本気で勝ちにいく」一児の父としての顔

ドラマ『夫の家庭を壊すまで』に出演中の俳優・竹財輝之助さんにインタビュー。ドラマの注目ポイントから、40代を迎えて変化したお仕事観、「一児の父」の素顔まで、たくさんのお話をうかがいました!

“サレ妻”の復讐劇に目が離せない! 最低の不倫夫を演じるのは、竹財輝之助さん

テレ東系・ドラマプレミア23『夫の家庭を壊すまで』(毎週月曜よる11時6分~)に出演中の竹財輝之助さん。妻子がいながら、15年も別の家庭で二重生活を送っている夫・如月勇大を演じます。序盤から衝撃の連続、泥沼すぎる展開に、目が離せないと話題の作品。演じるキャラクターについて「まったく共感できない」と話す竹財さんの役作りとは? 気になるドラマの今後の展開は? プライベートでも一児の父である竹財さん、「パパの顔」も覗かせてくれました!

竹財輝之助さん

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勇大に共感できるところは一切ない

──ドラマ『夫の家庭を壊すまで』の見どころはどんなところですか?

やっぱり、“サレ妻”である主人公のみのり(松本まりかさん)の動向ですね。この先どう動いて、どんな復讐をしていくのか。僕もまだ結末を知らされていないので、最終的に勇大の「家庭」を壊すことはできるのか、スカッとしたラストになるかは、まだまだ未知数です!

──演じる勇大は、みのりを15年間も裏切り、妻子がいながら不倫を続ける男です。勇大のような男性は、どう思いますか?

いやぁ、毎回「なんてクズなんだ!」と思いながら演じています(笑)。本当に嫌なやつなんですよ。みのりがかわいそうです。

──勇大に共感できるポイントはなさそうですね…(笑)

共感はまったくないですね。ただただ最低な男です。現場でも(撮影した映像をチェックする)モニターを見ながら、「なんだこいつ」とか、思わずつぶやいてしまいます。「人が喋っているときにクチャクチャ口を動かすんじゃないよ!」とか。

二重生活だなんて、何でそんなことをするんでしょうね? 勇大は、とにかく欲求が底知れない人物。性欲もあるでしょうし、「自分はこうしたい」「こうありたい」という欲求に貪欲です。

物語が進むと、だんだんとその背景も明らかになっていくのですが、おそらく、本人は自分のおかしさにも気づいていない。多少の葛藤はあるんでしょうけど…「お前の葛藤なんてどうでもいいわ!」って思ってしまうくらい、本当に嫌なやつなんです…。

笑顔の竹財輝之助さん

緻密に感情を積み重ねて芝居に向き合う松本まりかさんは、本当に素敵な役者

──まったく共感できない人物を演じるにあたって、役作りはどう意識しましたか?

「僕が嫌いな男」をイメージしました。普段の僕と、逆のことをするようにしています。これをやったら嫌われるだろうなとか、マナー違反だよね、ということをあえてやる。たとえば、相手の話を全く聞かない…とか。

加えて、みのりの前では多少「演じている」ような姿勢を意識しました。不倫相手である理子(野波麻帆さん)と一緒にいるときのほうが、勇大という人物の素が出るところだと思ったので。たとえば、みのりの前ではきれいに食事をするけれど、理子の家では汚く食べてみたり…というように。

──勇大の妻であり、主人公のみのりを演じるのは松本まりかさん。松本さんの印象はいかがですか?

松本さんはとても緻密に、丁寧に感情を積み重ねてお芝居をされる方。ワンテイクごとに監督と演技プランを相談しながら撮影を進めていて。役者として、見習わなきゃいけないなと感心しています。本当に素敵な役者さんです。

僕はどちらかというと、「監督の反応次第」というタイプ。まずは現場でやってみて、監督からOKがもらえればそれで正解だと思っているし、監督が「こうして欲しい」といえばそれにあわせて演技を変えていくスタイルなんです。

──監督が求めるものに、柔軟に応えていくタイプなのですね。

現場で求められたことに応えられるように準備をして撮影に臨んでいます。引き出しは沢山用意していると思っています(笑)。でも、松本さんのように、言葉で考えて議論して、正解に近づけていく…というのは、あんまりしてこなかったこと。そもそも僕は自分の芝居を絶対的に信じてないので…むしろ嫌いと言ってもいいほど。だから第三者の目=監督から見たお芝居を基準にしていきたいんです。

──「自分のお芝居を嫌いと言ってもいいほど」とは、なんだか意外です。

なんででしょうねえ。声も嫌いだし…自分の演技を振り返って見ると、「なんだこの顔は、なんだこのセリフまわしは!」とイライラしてしまうことも多くて。

──現状に満足しない、向上心の高さの表れなのではないでしょうか。

うまいこと言いますね!(笑)全然です。僕、言うほど向上心はないと思います。

──周囲から見たら、絶対そんなことないと思います(笑)。では、お仕事をするうえで大事にしていることはなんですか?

「現場に存在すること」ですかね。ちゃんとその役として、カメラの前に立っていられるか。そのためには、事前準備がすべてです。役柄の人生だったり、人柄だったり、喋り方や声のトーン、全部を見出せていないと、カメラの前には立てません。

──撮影が始まるまでに、キャラクターの人となりはどうやって掴んでいくのですか?

昔はガチガチに固めていたんですが、今はそこまででもないですね。自分が台本を読んで感じたことを胸にしまいつつ、現場で相手の役者さんと話してみて、どんな声が出るか、どんな顔になるのか、探っていく感じです。

あまり事前に固めすぎると、自分が思い描いた台詞以上のものが出せなくなってしまうんです。過去にそれで会話が成立しなくなってしまったことが何度かあり、「これはよくないな」と、現場での会話をより大切にするようになりました。

相手の声のトーンや表情で、こちらの反応も変わるものですよね。会話を重視することで、「この役は、こんな反応もできるんだ」と、新たな発見につながることも多いです。

とにかくがむしゃらだった20代。40代を迎えて身についたのは、「俯瞰の視点」

──竹財さんは現在40代。20代、30代の頃を振り返ると、仕事の向き合い方に変化はありますか?

良くも悪くも力は抜けてきたかな…と思います。20代の頃はとにかくがむしゃらでした。人を押しのけてでもレンズの前にいってやろう!みたいな。

──「爪痕残してなんぼ」という感じですか。

そうそう。でもそういうのは、やっぱりよくないです。作品全体のことを考えられていないと、結局のところカットされてしまいますし…。今思い返すと「邪魔だったな」と自分でも思うので(笑)。今では「一歩引く美学」というか、ちょっと視野が広がったっていうのは、あるかもしれないです。

自分が演じる人物主体でなく、作品主体で捉えられるようになったのかな。物語のなかのひとつの「コマ」として、どんな立ち位置にいると気持ちがいいのか、考えるようになりました。

でも、ガツガツやっていた20代のころも、俯瞰の視点が増えた40代の今も、仕事の楽しさはずっと、全然変わっていないです!

──今まさに、がむしゃらにお仕事をがんばっている20代、30代に勇気をくれそうな言葉です。何年経っても、立場が変わっても、お仕事を「楽しい」と思えるのは、とても素敵なことですね。

ふふふ、40代もとっても楽しいですよ。

ポケットに手を入れて立つ竹財輝之助さん

プライベートでは、子供と本気になって勝負する負けず嫌いなパパ

──「一児のパパ」という点だけは、ドラマで演じる勇大と竹財さんの共通点ですよね。プライベートでは、どんなパパですか?

子供にはどう思われているんだろう? 今は小学生になって、なんとなく僕の仕事のこともわかってきているようです。ドラマはまだちょっと、見せられないものが多いんですけど(笑)、僕が出演したバラエティは何回も観て、楽しんでくれているみたいです。『ワンコイン温泉はしご対決旅 バス鉄道乗り継ぎ 冬の名湯巡りin福島』(テレ東)という番組に出演しているのですが、「温泉に入れていいなあ」と言われました。テレビの中の僕を観て、なんだか不思議に思っている様子です。

──お子さんとはよく遊びに出かけますか?

特別なところにはなかなか行けないのですが、休みの日には一緒に公園に行ったり、図書館に行ったり。今、鉄棒と雲梯にはまっているようで、コツを教えてあげています。一輪車にも夢中。体を動かすのが好きみたいですね。本も好きなので、図書館では何冊も本を借りて帰ります。

──父親としてお子さんと向き合うとき、意識されていることはありますか。

あまり上から目線にならないことですかね。…というか、僕も子供とレベルが一緒なんです。遊ぶときは本気で勝ちにいきますし、わざと負けてあげるようなことは絶対にしません。僕、負けず嫌いで。子供が泣こうが喚こうが手加減はしません! 悔しかったらもう1回練習してかかってこい!と。大人気ないことは、わかっています(笑)。

挨拶や行儀、マナー。そういった最低限のことは口を出しますが、あとは子供の自由にしています。子供が考えていること、やりたいことはできる限り尊重してあげたい。逆に僕たちが子供から、学ぶことの方が多いくらいですから。

子供って好きなことへの向き合い方が素晴らしいですよね。興味があることには全力で向かっていく。体操に水泳、ピアノと、僕より忙しいんじゃないかな?ってくらい、毎日何かに、精一杯取り組んでいます。その姿を見ていると、こちらも背筋が伸びるんです。

──ご自身も「子供と同レベル」とおっしゃいますが、我々からすると竹財さんは「かっこいい大人のお兄さん」というイメージ! かっこいい大人でいるために、心がけているはありますか。

そんな、なんにもないです! 僕、自分のことをかっこいいと思ったことないですよ。

──ただただ自然体でいるだけで、そんなにかっこいいということですか…?

いやいやいや(笑)。僕も若い頃は、40代ってもっとちゃんと「かっこいい大人」なんだろうと想像していたんです。でも実際は、根っこのところは何も変わっておらず、中身は“クソガキ”のまんま。ある程度許容範囲は広がってきましたが、基本的な部分は昔から変わらない気がしますね。

かっこつけるのは恥ずかしくて、あまり得意ではなくて。自撮りなんかも苦手なんです(笑)。「今、なにをやっているんだろう」と思っちゃいます。

もちろん仕事に必要であればやりますけど、僕が芝居をするうえでは、「かっこつけ」は少し邪魔になってしまうのかな。役柄にもよりますが、何でもキメキメにしてしまうと、なんだか人間らしさを失ってしまいますからね。

──最近買ったもので、お気に入りのアイテムはありますか?

僕、昨日カニと格闘していたんですよ。カニの身を取り出すのってすごく大変ですけど、「カニスプーン」を買ってみたら最高に便利で! もう、カニの身がめちゃめちゃ取れます。昨日買ったばかりですけど、今いちばん気に入っています(竹財さん、今日イチの笑顔!)。

今の時季に獲れるクリガニという、毛ガニの一種だけどリーズナブルに買える種類があって。ネットで見つけて「食べてみたい!」と購入しました。カニスプーンでせっせと、全部で11杯もさばきました(笑)。

──竹財さんといえば、料理がお得意ですもんね! さばいたカニはどう料理したんですか?

昨日は1杯ずつ、「茹で」と「蒸し」で味比べしました。まだカニの身が9杯分、冷蔵庫にスタンバイしています。どう料理しようか悩みますね〜。

──では最近作って、これは美味しかった!という料理は?

清蒸(チンジョン)ってご存知ですか? 魚を蒸していただく中国の料理です。オウモンハタという希少な魚が手に入ったので、作ってみました。自分で捌いて、竹製の蒸し器にまるまるいれて、紹興酒と醤油、鮎の魚醤なんかを加えて蒸しました。仕上げにピーナッツオイルを温めて、ネギと生姜をあわせたものをかけて。おいしかったですね。子供も喜んでくれました。

満面の笑顔の竹財輝之助さん

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炎上レベルの嫌われキャラになったら最高です!

──では最後に、ドラマ『夫の家庭を壊すまで』今後の展開について、何かヒントをお願いします!

これからますます、僕が演じる勇大のクズっぷりが露呈していくはずです。

そしてみのりがクズな夫にどう対処していくのか…も大きな見どころですね。みのりはみのりで本当にエキセントリックで、松本さんの振り切った演技も素晴らしいので、そこも楽しんでいただけるかと。松本さんの集中力は、たまに恐ろしくなるほどです。

勇大はやることなすこと最低なので、観ているみなさんにはとにかく嫌われそうな予感ですが…ぜひSNSで「勇大のここがムカつく」「ここが嫌い」と文句を言って、どんどん叩いてもらえるとうれしいですね。炎上レベルで嫌ってもらえたら、最高です!

ドラマプレミア 23『夫の家庭を壊すまで』

テレ東系・毎週月曜よる11時6分~放送中
「夫がもう1つの家庭を持っていた!?」純愛を貫いて結婚した如月みのり(松本まりか)と如月勇大(竹財輝之助)。子供にも恵まれ誰が見ても幸せな家族のはずだった。最近の勇大の振る舞いに違和感を覚え、みのりは勇大の後をつける。みのりの目に飛び込んできたのは、不倫相手の三宅理子(野波麻帆)とその息子・三宅渉(野村康太)と共に仲睦まじく歩く勇大の姿。離婚だけでは終われない。痛快無比なサレ妻のリベンジが今始まる!

撮影/石山貴史 スタイリスト/大石裕介 ヘア&メイク/髙原万希(ENISHI) 取材・文/徳永留依子

俳優

竹財輝之助

1980年4月7日生まれ、熊本県出身。2004年、『仮面ライダー剣』白井虎太郎役で俳優デビュー。近年の出演作に、映画『毒娘』、カンテレ『そんな家族なら捨てちゃえば?』、日本テレビ『街並み照らすヤツら』、TBS『トリリオンゲーム』、NHK 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、テレビ東京ドラマParavi『部長と社畜の恋はもどかしい』など。映画、テレビドラマ、舞台、CMを中心に精力的に活動中。
公式X(旧Twitter) https://twitter.com/terutakezai

※本記事は2024年7月19日に公開されたOggi.jpと同内容になります。

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