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LIFESTYLE シングルマザー・再婚

2018.09.23

幸せな再婚に必要なこと〜茉莉花さんの場合Vol.4【バツイチわらしべ長者】

人生とは喪失と再生の繰り返しのドラマ。「バツイチ」という離婚経験者たちは、ある意味、喪失を乗り越えてなお強く生き、幸せになることをあきらめない人生のサバイバーでもある。バツという離婚経験が、幸せな結末=マルになる日を夢見て。そんなバツイチたちへのインタビュー。

過去の離婚&恋愛から学んだこと

久々に再会した学生時代の同級生、Kさんと付き合い始めた茉莉花さん。離婚してからの恋愛で学んだことを教訓に、

  1. キッチン&ベッドの相性
  2. 尊敬できる相手である
  3. お互い愛し愛されていること

は確認済み。

さらに、付き合い始めた日から茉莉花さんの部屋で一緒に住み始めたものの、お互いにひとりのスペースが欲しくなったときのために避難場所としてKさんの部屋の解約はせず、そのままにしておくことに。


茉莉花(以下、ま)「同棲をスタートして3ヶ月くらいで、彼に結婚の話をしたんです。『私は結婚するつもりがない人とは付き合えない』って」

さかい(以下、さ)「おお。Kさんは何て?」

ま「彼は『まだしたいかどうかわからない。今じゃない』と。今まで、長く付き合ったカップルがつまらないケンカで別れるのを何度も見てきていたから、長すぎる春になるのだけは嫌だな、と。だから『期限を1年と決めよう』ということにしたんです」

けれど付き合って1年経ち、1年2ヶ月経っても何も起こらない。

初婚の彼に結婚を踏み切らせるために

ま「1年3ヶ月経った頃、香港に旅行したんです。毎日食い倒れで楽しくて、『これはもしかしたらサプライズでプロポーズがあるかも?』って思ったんだけど、帰国前日の夜になっても何も起こらない。明日朝5時に起きて帰るというタイミングで普通に寝ようとしていて。電気を消した暗闇の中で、彼に聞いたんです、『結婚の話、どうなってるの?』って」

業を煮やした茉莉花さんの問いかけにも、「う〜〜ん」と煮え切らない返事のKさん。

ま「『だったらこのままずるずる一緒に暮らすより、一度同棲解消する?』って聞いたら、『それもアリかなあ』って。ひどいと思いません(笑)?」

「経験上、そうなったらそのままお別れとなるものだけど、いいの?」と念押しする茉莉花さんに、「じゃあ一緒になろう」とKさん。

ま「『じゃあ結婚するってことでいいの?』と尋ねると、『ハイ』って。結果的に、めちゃくちゃ私から押し切った形になりましたね」

初婚であるKさんは、結婚に対して慎重で、「もっといろんな状況が完璧になってから」と思っていたよう。それに対し茉莉花さんは「一緒に100%の環境を作り上げていけばいいじゃん」と楽観的に構えていたそう。―さすが、この辺りがバツイチの余裕です。

ま「未熟な者同士が一緒になった方が、そこから一緒に成長して行くから、進路変更しやすいんです」

同居生活をうまく行かせるにはスタートが肝心!

もうひとつ、茉莉花さんが離婚から学んでKさんとの生活で心がけていることがあったそう。

それは、

鉄は熱いうちに打て

ということ。皆さん、思い出してください。これ、連載第一回目で取材した天下のモテ子、遥さんも言ってたことなんです。

ま「お互い気持ちが熱々のうちなら、一緒に生活していて気になったことを指摘されても受け入れられる。だから自分が暮らす上での許せないルールはこの時期に伝えておくのが肝心!」

例えば茉莉花さんの場合、水周りの水滴がシンクの蛇口とかについているのがダメ。でもそういうのもKさんに最初のうちに上手に伝えたことで、『水滴は嫌いなんだね』って気づいて綺麗に拭くように気をつけてくれるようになったとか。

ま「これが最初の時期を過ぎちゃうと、相手に何か注意されるとカチンと来るでしょう? だから熱々のうちに、ふたりの生活のチューニングを合わせた方がいいですよ」

離婚経験があったからこそ幸せな今の生活がある

―さて、結婚が決まるとあとはスムーズ。結婚式はお互いの親族や仕事関係者、そしてもちろん同級生たちも呼んで盛大に挙げ、ふたりの新婚生活がスタートしました。そして今、茉莉花さんとKさんは結婚7年目に突入。子供は居ないけれど2匹の猫が居て(現在では一匹増えて3匹となりました)、茉莉花さんは転職した新しい業界でフリーランスPRとして成功。その道の第一人者として、自分の書籍まで出版したばかり。義理のお父さんもお母さんもいい人たちで、一人っ子のKさんとは結婚後、つかず離れずの距離を保っているそう。

夫に浮気されて将来も見えなくなっていた専業主婦時代には、きっと思ってもみなかったような生活です。でも私から見た茉莉花さんは、とっても幸せそう。何より、私が知ってる周りのどの夫婦よりも仲が良さそうで、それがいいなあと思います。茉莉花さんが旦那さんを大好きっていうのが、話して居て伝わってくるんですよね。

ま「私は一回失敗してみないとわからないタイプだったみたい。最初の結婚は若かったし、何もわからないまま突っ走ってしまって失敗したけれど、いろんな経験をして人の痛みを知ることができるようになったのは良かったなと思います」

そんな茉莉花さんの好きな歌が、『サウンド・オブ・ミュージック』の劇中歌、『サムシング・グッド』という曲。

ま「『彼みたいな人が隣りにいるなんて、きっと過去にとてもいいことをしたのね』、という内容の歌詞なんですけど。昔は全然何とも思わなかったのに、大人になった今聴くと、すごく胸に沁みるんです」

茉莉花さんが「ようやくみつけた」パートナー、Kさん。きっとここに辿り着くまでの道は平坦じゃなかったし、回り道もいっぱいして、心細い気持ちになったことが何度もあるはず。

だけどその経験がなければ、Kさんをベストパートナーだと気づくこともなかったかもしれない。そう思うととても感慨深い、今回の取材だったのでした。

インタビュー・文

さかいもゆる

出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。

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