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LIFESTYLE 雑学

2018.12.17

同世代だからこそ語れるアラフォー世代の心の葛藤【原田曜平の「後輩世代のトリセツ」】

サイバーエージェント次世代生活研究所・所長の原田曜平さんと、TBSアナウンサーの高畑百合子さんが、「揺れる、アラフォー心」について語ります。

アナウンサー高畑百合子さんと語る 前編「揺れる、アラフォー心」

今回はドマーニ世代のアナウンサ ー、TBS・高畑百合子さんをお招きして対談。本音が満載です

原田  ドマーニがお好きで、毎号読んでいらっしゃるとか。
高畑  はい 今年40歳になり、「女・妻・母」のインタビューなど、同世代の方々に励まされています。「女」である私は、たぶんどこか自信のなさがあるんですよね。独身で仕事だけしていることに。
原田  それは家庭をもたないといけない…という世間の圧で?
高畑  そう、圧!人前に出る仕事だからかもしれませんが、いつも「この人、結婚してるの? してないの?」 という部分から見られるので。
原田  片や、妻や母の人も子供どうするとか、キャリアの断絶とか悩みはあると聞きますし、どうやらすごく揺れ動く世代なんですね。
高畑  女友達の変化にびっくりすることも。おばちゃん化して悪気なく「ねぇ 結婚しないの 子供早いほうがいいよ〜 」って(笑)。でも、特に独身だけで楽しく集まっても、傍から見れば〝負け犬〞なのかな? イヤイヤ、みんな夢を叶えて頑張っているんだ …と思い巡らせたり。


原田  確かに自由に選択できる分、 正解がないですよね。ひとつ上の世代なら、トレンディドラマでも結局結婚するのが幸せだと描かれた。それが苦しい人はいたかもしれないけど、目指す答えがあって考えなくてよかった側面はあります。一方で、最近の若者たちは早婚志向になりつつあって、学生でもインスタでママになった女優さんをフォローしています。浮名を流すのは尊敬されず、早く結婚して友達みたいな夫婦でいるのが素敵に見えるみたい。
高畑  私が20代のころは、結婚したらテレビの仕事はないと思ったほうがいいと言われたくらい。恋人がいても、結婚はムリだなとブレーキがかかりました。今の後輩にはそんな前提はないようで、もっと身軽です。私は昔から「結婚は転職」だと考え ていて、仕事を手放してもいいほどの納得感がないと …と思ってしまうから遅いのかな。今は大切な人と穏やかな関係を築けていますが、彼にとって重くはなりたくないという葛藤もありますね。


原田  たとえば5年後、こうなっていたいという理想はありますか?
高畑  それが見えなくなる時期でもあるんです。決めるエネルギーがないというか。それでいて、熱中できる何かを求めているところもあって。
原田  ライフステージが変わっても輝いていたいということでしょうか。
高畑  私の場合は「穏やかでいたい」 でしょうか。〝子供産んだほうがいいよ〞とか、〝輝け輝け〞…という世の圧に対して穏やかじゃないこの状態を抜けたい(笑)
原田  国としては、人口減少で女性に働いてもらわないといけないから、 急に「輝け」って言い出した。でも、 ドマーニ世代は言われなくても頑張って働いてきた自負はありますよね。
高畑  ただ、がむしゃら期は卒業かなと。最近は揺れていることで「女だな」とも感じます。獲物を取りに行くより、巣を大事にしたくなっていて。
原田  日常にも変化はありますか? 身近だと京都にハマる人が多い。あんなに恵比寿って言ってたのに! 
高畑  (笑)。そういえば、今年初めて器に目覚めました。作家さんのカップでお茶をゆっくり飲んで〝生活 の質を上げている私〞にプライドがホクッとするんです。自分の中で欠けていた部分を埋めていくような。
原田  自分の内側に目を向けていく時期なんですね。世代的には、ちょうど就職氷河期の2003年入社ですよね。女性の中でも勝ち組・負け組が生まれて、生き方が複雑化した時代の先頭バッターだと思います。
高畑  まさに。ポケベルからスマホまでの変遷とか、コギャル文化とか変化の先頭にいて、今も風をガンガン受けながら歩いています。昭和と平成の両方に挟まれているので、おばちゃんにもお姉さんにもなりうるという微妙な空気を感じつつ…。
原田  いろんな意味で狭間にいると。次回はそんな高畑さんに今どきの後輩についてうかがいます。

マーケティングアナリスト

原田曜平

1977年生まれ。慶応大学商学部卒業後、(株)博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーに就任し、世界中で若者研究及び若者向けのマーケティングや商品開発を行う。2018年12月より(株)サイバーエージェントにて、サイバーエージェント次世代生活研究所・所長に就任。若者研究とメディア研究を中心に、次世代に関わる様々な研究を実施。また、実際の若者たちと広告・プロモーション開発までを担う予定。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。「さとり世代」、「マイルドヤンキー」、「伊達マスク」などの流行語の名づけ親。主な著書に「さとり世代」「ヤンキー経済」<「これからの中国の話をしよう」「力を引き出す」「平成トレンド史」「若者わからん」「それ、なんで流行ってるの?」などがある。現在、TBS「ひるおび」レギュラー。

TBSアナウンサー

高畑百合子

1980年、東京都生まれ。2003年にTBS入社。アナウンサーとして、『朝ズバッ!』『Jスポーツ』、オリンピック中継などスポーツを中心に幅広い番組で活躍。明るい笑顔と気さくな語り口で人気。報道に担当が変わったことを機にDomaniを愛読。2018年9月まで、原田さんがコメンテーターを務める『ひるおび!』内ニュースも担当。『報道1930(いちきゅうさんまる)』BS-TBSで好評放送中!

Domani2018年11月号『新・Domaniジャーナル 「後輩世代のトリセツ」』より
本誌撮影時スタッフ: 撮影/五十嵐美弥 構成/佐藤久美子

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