住宅には10月以降のエコポイント制度を活用
消費税8%のうちに住宅を建てたりリフォームをするなら、2019年3月31日までに契約を済ませているか、9月末に工事完了(または引き渡し)をしていることが条件。車を買うなら、9月に納車が完了していることが条件。簡単なリフォームなら今からでも間に合うかもしれませんが、工事人員不足もあって、今からだと現実的には難しい。でも、もし200万円かけたとしたら、消費税が8%と10%とでは、4万円の差が出てくるのでなかなか大きい。泣く泣く、払うしかないのでしょうか。
「2019年10月からは、次世代住宅ポイント制度が始まります。省エネ効果のある材料や製品を使ってリフォームや建築をした場合、対象の製品に応じて<エコポイント>がつき、それを生活用品と交換することができるものです。ひとつの例ですが、トイレを節水型のものに交換すると1万6000ポイントがもらえ、商品と交換できます」と丸山晴美さん(消費生活アドバイザー)。(※一戸あたりの上限ポイント数があります)
ポイントで交換できる商品は、家電から食料品、介護用品、ベビーキッズ用品など、幅広いのが特徴。そして、ポイントがもらえる対象はエコ住宅(節水型トイレなど)、バリアフリーの改修などのほか、家事負担軽減の設備(ビルトイン食器洗機、宅配ボックスなど)も。建築資材や設備を省エネなものに変えることは、光熱費も安く済むということ。光熱費の消費税も10%になるのですから、この部分でも実質の出費は抑えたいものです。
このポイント制度は2020年3月まで。
「12~3月は引っ越しシーズンで、リフォーム業社のほうも混むので、今のうちから準備をしておくことをおすすめします。
また、車の購入を考えているなら、消費税は10%になる一方で、これまであった自動車取得税が廃止になり、新たに「環境性能割」を支払うことになります。環境性能の高い車(エコカーなど)ほど、この環境性能割が低くなるので、結果、払う税金はエコカーであれば下がり、0(ゼロ)になる場合も。こちらも結局は焦って駆け込み買いをする必要はなさそうです」(丸山さん)
●次世代住宅ポイントについて(国土交通省)
https://www.jisedai-points.jp/
●自動車取得税について(総務省)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/131410.html
今こそムダな出費を省くとき
大きな買い物は、政府の制度を上手に活用することで、節約になる。そして、これは今後の買い物の基準になりそうです。これらの制度は、消費増税によって財布のヒモが固くなり、経済成長の停滞を防ぐ政府の対策ですが、ワーキングママにとってのさらに大事な理由を、丸山さんはこう説明してくれました。
「安倍首相は2019年7月3日の党首討論会で、『今後10年くらいは消費税を上げる必要はない』と言っています。ということは、10年後はまた上がる可能性は多いにあって、20%までは上げるのではないかとも予測されています。そうすると、どうなるか?
Domani世代には、しばらく仕事を頑張ったあと、35歳以降に子どもを産む女性も多いことでしょう。すると、<子どもの教育資金><住宅資金><自分の老後資金>の3つを同時に貯めることになるんです。かつてのモデルケースだと、子どもが社会に出て手が離れてから、自分が定年になるまでの期間が長くあったので、貯めどきも長くあったのですが、晩婚化でその期間が短くなっています。そこに消費税20%となったら、実質使えるお金はどんどん減ってしまうし、ますます貯まりにくい。だからこそ、ムダな出費をどんどん省いていく工夫は欠かせません」
賢く使い、上手に貯める。両輪で実践していくことは、生きるうえで必須といえそうです。
【住宅・車編まとめ】
・建築・リフォームなら、10月からの次世代住宅ポイント制度を活用。ただし、予約は早く。
・車を購入するなら、エコカーが税金面でお得。
・節約したぶんは、今後の資金として貯めておく。
写真/Shutterstock.com
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南 ゆかり
フリーエディター・ライター。半年にわたって取材・執筆した書籍『真夏も雪の日もかき氷おかわり!』が発売中! ほかに書籍『今の私は』(後藤真希・著)、Oggi誌面インタビュー連載「この人に今、これが聞きたい!」「お金に困らない女になる!」などもぜひ読んでください