Q.離婚協議中。生活費を差し止められた場合、法的に支払いを求めることはできますか？
中３と小３の男の子を育てるワーママです。先日、夫から離婚を持ちかけられましたが、離婚時や離婚後の条件等の話が進んでいません。しかし生活費については、今後、夫が管理すると言い出しました。私の稼ぎでは、家のローン、生活費、学費がまかなえないため、今までは夫の給料で生活費の約８割を負担してもらっている状態です。もしも今後、夫に生活費を勝手に差し止められた場合、法的に支払いを求める手段を取ることができるのか、心配です。（兵庫・41歳・2児のママ）
A.「夫婦の生活費用のことを婚姻費用、または婚費（こんぴ）と言いますが、これは基本的には夫婦のうち、収入が多い方が少ない方に払うことになっています。婚費の額を、ご夫婦の間で話し合い、合意のうえで決めるのであれば、その金額がいくらになろうと問題にはなりません。それはご夫婦間の問題ですから。
ですが、もし一方が支払わない、あるいは、著しく低額でないと支払えないなどと言い出した場合は、まず、婚費の相場を調べなければなりません。
これに使用するのが、婚姻費用算定表というものです（詳しくはこちらの記事もご参照ください）。この算定表で、ご自分の家庭の婚費相場を確認してみてください。
ただし、今回はここからが重要です！
現在使用されている算定表は、平成15年に裁判所が発表したもので16年も経過しており、その相場は低く、現在の社会情勢にはそぐわないという批判がありました。それを踏まえ、今年11月13日に最高裁判所が『本年12月23日に新算定表を発表する』と公表したのです。
その内容は、現時点では明らかになっていませんが、現在の算定基準よりも増額の可能性が多分にありそうです。なので、現在婚費や養育費を決めようと考えていらっしゃる方は、その発表を待ってから検討されてはいかがでしょうか。
すでに婚費の額を定められた方がこれからどうなるのかなど、詳細については、現時点で不明です。何か動きがあれば、私もこの連載で、適宣ご報告するようにいたしますね」（中川裕一郎先生）
●本連載では離婚に関する慰謝料や養育費など、法律的な悩みや疑問にプロの弁護士が直接回答します！ご相談ごとがあるかたは、domani2@shogakukan.co.jp またはこちらのフォームよりお寄せください。 メールの場合は件名に「離婚相談」と書いてなるべく具体的な内容をお送りください。すべてのご相談にお答えできるとは限りません。あらかじめご了承ください。
過去の相談はこちら▶︎離婚駆け込み寺
お悩みに回答してくれたのは・・・
中川裕一郎先生
弁護士。東京中川法律事務所経営。https://tokyo-nakagawa.com
商社勤務時代にバックパッカーとして世界に飛び出し、地球を一周回ってみつけた社会的正義を実現するという生涯の目標のため弁護士に。紛争を未然に防止し、目の前の依頼者を笑顔にすべく日々奮闘中。親身になってアドバイスをくれる人情派弁護士として、依頼者たちからの信頼も厚い。
インタビュー・文
さかいもゆる
出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」（講談社刊）。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。Web Domaniの人気連載「バツイチわらしべ長者」で様々なバツイチたちの人生を紹介している。withオンラインの恋愛コラム「教えて！バツイチ先生」では、アラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。
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