桃のカプレーゼと一緒に甘口ワインを
世界最高峰ともいわれるボルドーの甘口ワイン、ソーテルヌ。ソーテルヌは、1本のぶどうの樹からときにグラス1杯ぶんしか取れないといわれる、とっても贅沢なお酒。「液体の宝石」と呼ばれるのも、うなずけてしまいます。そんな甘口ワインは、長いあいだデザートワインとして楽しまれてきました。それも最近は変化してきて、食事とともに飲むお酒として広まりつつあるんですよ。
たとえば、みんな一度はハマった経験のある桃のカプレーゼと一緒に。同じソーテルヌでもフィネスのあるものを選ぶと、桃やバジルなどのハーブの香りが、ワインの持つ蜂蜜の香りと口のなかで混じって、至福の時間を過ごせます! 味わいのボリューム感もモッツアレラと合いますよ。
▲ 美しい黄金色の甘口白ワイン、シャトー・ギロー。
(c) Shutterstock.com
甘口ながらピュアな果実味と気品ある味わいが魅力
甘口ながらエレガントな味わいで、ぶどうのピュアな果実味も感じられるシャトー・ギロー。アカシアの蜂蜜の香りと、アンズを思わせる甘さと酸味が調和。ソーテルヌの格づけ第1級のなかで、はじめてビオの認証を得たシャトーとしても有名です。ぶどう品種は、ボルドーの白ワインによく使われるセミヨンとソーヴィニヨン・ブラン。
でも、なぜ甘口に仕上がるのでしょう? それは、ボルドーのガロンヌ川などに近く、朝になると畑に霧が立ち込めるから。霧の水分がボトリティス・シネリアという菌の繁殖を助けて、その菌がぶどう果汁の成分が凝縮させて、甘口の貴腐ワインとなるというわけ。
▲ 貴腐菌のついたぶどうは果汁の水分が抜けて、凝縮感や甘みが増す
▲ 現在は4人のオーナーによる共同経営。一番左がグザヴィエ・プランティーさん
▲ ぶどう畑のなかにたたずむ瀟洒なシャトー・ギローの建物
▲ ボルドーにはシャトー・ギローが経営するレストランもあり、ワインと料理のペアリングを楽しめる
ワインづくりの改革に邁進し続けるシャトーシャトー・ギローがぶどうの有機栽培を始めたのは1996年。それを推し進めたのが支配人のグザヴィエ・プランティーさんです。ぶどうも上質なものを選び抜き、醸造時の亜硫酸塩(SO2)の使用も最小限に抑えたりと、自然に近いつくりを実践。最高峰のソーテルヌを生み出し続けています。
輸入元/モトックス 0120・344・101
シャトー・ギロー ¥9,300 (2016年 ヴィンテージ・税別・参考価格)
文/鳥海美奈子 写真/Mathieu Anglada
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ライター
鳥海 美奈子
共著にガン終末期の夫婦の形を描いた『去り逝くひとへの最期の手紙』(集英社)。2004年からフランス・ブルゴーニュ地方やパリに滞在、ワイン記事を執筆。著書にフランス料理とワインのマリアージュを題材にした『フランス郷土料理の発想と組み立て』(誠文堂新光社)がある。雑誌『サライ』(小学館)のWEBで「日本ワイン生産者の肖像」連載中。ワインホームパーティも大好き。