無我夢中で走り続けてきた子育てが落ち着いて思うこと
娘たちが自分の人生を自分の意思で考えたり選択するようになり、私の育児は完全に見守る育児にシフトしました。
ちょうど40歳という年齢になり、自分の時間も増え、自分自身の人生と改めて向き合うときが来たと感じています。
苦しいことも失敗も、もちろんたくさんあったけど、子育てを通して本当に素晴らしい経験をすることができ、とても感謝しているし、子どもの成長とともに自分も成長できたんじゃないかなって。やっとやっとここまで辿り着いて思うことができました。
私の育児は、一生懸命ではありますが、気を抜くところは堂々と気を抜く、そしていつもどんなときもベースには愛情がたっぷりあること。それに尽きます。
子供たちに伝えたいことは日々伝えているので、彼女たちはもう分かっているとは思いますが、改めて文字にすることはなかなかないので、この機会に原稿を書くことにしました。
いま子育て真っ最中の読者の皆さんと共感できたり、子育てのヒントにしてもらえたら嬉しいです。
【娘たちに伝えたいこと1】いつも心に「謙虚」と「笑顔」
私は人見知りで声も低いし、人に「感じが悪い」って言われることがよくあった。機嫌が悪いわけでもないし、ただ黙っているだけなんだけどな…と。
当時は、撮影で毎回違うスタッフさんたちとチームを組むからこれではダメだなって思って。モデルとして天性の才能があるわけでもない、スタイルがずば抜けていいわけでもない私は、せめて、「2回目も会いたいな」、「一緒に仕事をしたいな」って思ってもらえるように、少しずつ努力をしないとって考えた。
どうしたらいいか?
まずは口角をあげてきちんと挨拶。そして、いい心持ちで相手に接する。どんな時も感謝の気持ちを忘れずに。
そうすると、不思議と相手からもその心持ちが帰ってきた。それは母親になっても、会社を立ち上げてからも同じ。分からないことがあっても、たとえ失敗しても、ありがたいことに色々な人が教えてくれるし助けてくれる。人と人のつながりがあってこそ、今の自分があると実感してる。
コミュニュケーション能力は努力次第で身につくもの。「女は愛嬌」なんて言いたくはないけど、いつも「謙虚さ」と「笑顔」を持っていたいと、私は思ってる。
構成/高田あさこ
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モデル
中林美和
1979年生まれ。16歳で小学館『CanCam』の専属モデルに抜擢され、表紙モデルとして活躍。23歳で結婚、出産を経て小学館『SAKURA』のメインモデルとして復帰。ママモデルの先駆的存在となり、9年間表紙モデルを勤める。他、セブン&アイ出版『saita』の表紙モデル、光文社『VERY』、宝島社『&ROSY.』など多数の女性ファッション誌、ビューティー紙のモデルとして活躍する。著者に『中林美和のハートフルデイズ』、初のエッセイ『おんぶにだっこにフライパン!』など5冊を出版している。2017年にアロマテラピーアドバイザーの資格を取得。