好きな言葉は〝時流独創〟。今、目の前で起きている問題をただ批判するのではなく、新しい流れを創る一助になればと願っています。
今月の女: しもむら緑さん
墨田区議会議員・35歳
子供たちと接する機会をいろいろな形で増やしたいです。
しもむらさんが議員を一生の仕事として意識したのは、20代後半。その背景には、学生時代のボランティア経験が影響している。「児童養護施設の子供たちが大学など進学を望む場合、学費や生活費を自分で稼がなければなりません。厳しい現実を目の当たりにし、彼らを支援したいと考えたのが始まりです」
塾講師時代は約500名の児童・生徒と関わり、経済的な理由で望んだとおりの教育が受けられない子供の実態に直面する。結婚を機に転職した際には、教育支援で起業するときに役立つだろうと、法律事務所を希望した。「業務の中で法律や条例が教育環境改善に大きく影響することに気づき、〝そうだ。政治家になれば、国の予算等で教育環境の整備ができる〟と、思い立ってからは一直線でした」
しかし現実は厳しく、議員2年目に政策をより具現化できる場を求めたいと、党を移ることに踏みきる。同時にそれぞれ叶えたい夢の達成のために頑張ろうと夫との離婚も決断。「葛藤の時期でした。自分の人生に責任をもてるのは自分以外にいない。それを忘れずにしっかり前に進もうと決めたんです。彼とも、お互い別々の道に進むけれど、幸せになろうと約束して。今はあのとき決断して、よかったなと思っています。仕事でも実現できることが多くなりました」
そこまでして打ち込みたい、仕事とは。「信念としているのは〝100年先を見るなら、人を育てることが大切だ〟という言葉です。得た知識や経験はだれにも奪われることのない自身の財産となり、その人が生きていく力になります。教育環境の整備は人生をかけて必ず成し遂げたい、私自身の夢なのです」
しもむら・みどり/1982年生まれ。大阪府出身。武庫川女子大学時代に児童養護施設のボランティアを経験。中学と高校の教員免許、図書館司書資格を取得。卒業後は学習塾に入社、子供の教育環境改善の必要性を痛感する。その後東京都墨田区に転居してTMI総合法律事務所に転職。政治の道を志し、29歳で墨田区議会議員に立候補、初当選。現在2期目を務める。1日の終わりに運動し、全身浴で汗をかくのが楽しみ。
Domani12月号 女[独身]、妻[既婚子供なし]、母[子供あり]Catch!働くいい女の「水曜16時00分」より
本誌撮影時スタッフ:撮影/真板由起(NOSTY) ヘア&メーク/今関梨華(P-cott) 構成/谷畑まゆみ