【目次】
・2歳っていったいどんな時期?
・絵本の読み聞かせをする効果
・2歳児への絵本の選び方
・2歳児におすすめ!ロングセラー絵本
・子どものチャレンジを後押しする絵本
・何度も読み聞かせたいおすすめの絵本
2歳っていったいどんな時期?
ハイハイやよちよち歩きだった赤ちゃんも、成長して2歳ごろになると、子どもらしい体つきになったり、自分からいろいろなことにチャレンジしたり、心身ともに発達してきます。
2歳ごろになると、言葉の面ではどのような成長が見られるのでしょうか?具体的な特徴を紹介します。
言葉の世界が一気に広がる時期
個人差はありますが、2歳ごろになると簡単な会話が成り立つようになります。
自分の名前が言えるようになる、「バス、きた」などの2語文や「ワンワン、ごはん、たべる」などの3語文を喋るなど、言葉の面で大きな成長が見られる時期です。
「ごはんたべる?」「たべる!」など、聞かれたことに答えるだけでなく、「大きい」「かわいい」「赤い」など、自分が感じたことを積極的に話し始める子どもも。
いろいろなことに興味を持ち、たくさんのことを吸収する2歳ごろは、周りの大人がたくさん話しかけたり、本の読み聞かせをしたりすることで、言語能力の発達をサポートできます。
子どもの持つ言葉の世界を広げ、語彙力を高めることが期待できるのです。
絵本の読み聞かせをする効果
子どもの言語能力を高める上で大切なこととして「絵本の読み聞かせ」があります。読み聞かせの間は、家事ができず時間が取られてしまうため、ママの中には読み聞かせを大変だと感じる人もいるでしょう。
しかし、絵本の読み聞かせは子どもにとってメリットがたくさんあります。どんなメリットがあるのか見ていきましょう。
親子のコミュニケーションに
子どもと一緒に絵本を読む時間を作ると、親子のコミュニケーションが深められます。
一冊の同じ本を見ながらの読み聞かせは、距離があると行いづらいため、抱っこしたり隣りに座ったり、または寝かしつけのタイミングで一緒に横になりながら行うのが一般的です。
物理的に親子の距離を縮められるため、子どもは大きな安心感が得られます。
また、たとえ同じ本の読み聞かせでも、子どもの成長と共に反応が変わったり、いままでは気にもしなかった絵に夢中になったりなど、大人が予想もしない言動を見せることがあります。
1日の中で5~10分など短い時間でもよいので、スキンシップを取りながら同じものを見て笑ったり考えたりする時間は、親子にとって貴重なコミュニケーションタイムになるのです。
想像力や感情が豊かに
絵本の読み聞かせは、子どもの情操教育にも役立ちます。絵本の世界には、子どもが知らないことや、まだ体験したことがない出来事がたくさん詰まっているのです。
これからの日常生活で起こることはもちろん、経験することのないファンタジーの世界を知ることもできます。脳が発達する時期に多くの刺激を受けられるので、想像力が豊かになるでしょう。
また、絵本の中にある美しいもの・危険なもの・恐ろしいものなどに思いを馳せることで、自分の中にさまざまな感情があることが分かります。
感情表現が豊かになるとともに、コミュニケーション力や共感力も養うことにつながります。
語彙力のアップに
日常会話の中で自然と語彙は増えていきます。しかし、同じ言葉の繰り返しでは語彙力の向上は期待できません。知らない表現に触れ合う機会が増すほど、多くの言葉を学べるのです。
絵本を読んでいると、日常生活では聞いたことのない言葉がたくさん出てきます。
例えば、ごはんを食べて「おいしい」だけだった言葉が、絵本を読むことで「とろける」「もちもち」「ほっぺがおちそう」など、おいしいを表現するための多彩なバリエーションがあることが理解できるようになります。
将来、言葉をうまく使えるようになってほしいと願うのなら、絵本を読み聞かせるメリットは大きいでしょう。
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2歳児への絵本の選び方
大人が読んで面白い内容だと思っても、子どもにはいまいちピンと来ないことがあります。2歳児の興味を引く絵本はどんなものなのか、選ぶポイントを見ていきましょう。
好きなものが出てくる
子どもによって、乗り物が好きな子もいれば、動物が好きな子もいます。大人でも、読書をするときに好みのジャンルや好きな作家などを選びます。
絵本にあまり興味を示さない場合は、子どもが好きなものや、興味を持っているものが出てくる絵本を選ぶとよいでしょう。
どんなにためになる内容であっても、無理強いしてしまえば、読み聞かせ自体が嫌いになってしまいかねません。子どもの関心に合わせて、内容を選んであげましょう。
ストーリー性があるもの
2歳児は、ものとものの関係性を理解できるようになってくる年頃です。日常で話す内容も「ママ、抱っこ」というように、2語以上で構成された言葉が出てきます。
とはいっても、複雑な物語はまだよく分からないので、同じ展開が繰り返されるものや、ページをめくるたびに新たな発見があるようなものを選ぶとよいでしょう。
また、主人公に共感したり驚いたり、追体験できるタイプの絵本なら、感性や想像力を刺激して脳の発達をサポートすることにつながります。
生活習慣に関するもの
絵本の中には、生活習慣を学べるように作られているものもあります。例えば、歯磨きや排せつなど、生活行為が題材になった絵本は少なくありません。
「なぜ、歯を磨くの?」といった、子どもが抱きがちな疑問を解決できたり、行為の重要性を学べたりするので、しつけにも役立ちます。
生活習慣のトレーニングをサポートする役割で、絵本を取り入れると、口で説明するよりも分かりやすく、すんなりと受け入れてもらえるでしょう。
表現がシンプルでリズムがいいもの
2歳児は、まだ難しい表現が分からないので、目や耳で覚えやすいシンプルな絵本を選んであげることもポイントです。
内容が簡単なものは、1人で読もうとする場合があり、自発的に絵本を手に取るきっかけにもなります。
また、子どもが面白いと思える絵本を選ぶには、使われている言葉の意味だけでなく、音も重要です。印象深く表現されているものや口にしたくなるようなリズムがいいもの、生き生きとしているものを選びましょう。
例えば、「ビュウビュウ」「ワンワン」など、音や声を文字で表したオノマトペがたくさん出てくると、一緒になってまねをして楽しむことができます。
2歳児におすすめ!ロングセラー絵本
小さいころに読んだお気に入りの絵本を、自分の子どもにも読み聞かせてあげましょう。親から子へ受け継がれ、いつまでも色あせない魅力を持つ、ロングセラーの絵本をご紹介します。
親子の会話も弾む「きんぎょがにげた」五味 太郎
1982年の発行以来、変わらぬ人気をほこる絵本です。逃げ出した金魚がさまざまな場所に隠れているので、子どもは金魚を見つけて指さし、もの探しゲームをしている感覚で読み進められるところが魅力です。
1人で楽しむことはもちろん、ページをめくるたびに「金魚はどこ?」と子どもと一緒に探しながら、親子のコミュニケーションも楽しめるでしょう。
商品名:きんぎょがにげた(福音館書店)
かわいいおばけが登場「ねないこだれだ」せな けいこ
人気シリーズ「いやだいやだの絵本」の中の一冊として知られ、1969年に誕生してから、50年以上も愛され続けている絵本です。
夜になっても寝ない子どもを、おばけの世界に連れていってしまうというストーリーは、作者自身の子育ての経験から生まれたとのこと。
おばけを怖がって早く寝るようになる子もいれば「寝ないでいたら、どうなるの?」と想像を膨らませ、おばけの世界に興味を持つ子もいます。なかなか寝てくれない子どものしつけにもおすすめです。
商品名:ねないこだれだ(福音館書店)
テンポのいいストーリー「おおきなかぶ」A.トルストイ(著)、佐藤 忠良(イラスト)、内田 莉莎子 (翻訳)
「うんとこしょ、どっこいしょ」の掛け声とともに、かぶを引き抜く場面が繰り返されるロシアの昔話をモチーフに作られた絵本です。
1966年の発行以来、世代を超えて愛されています。子どものころに読んだというママやパパも多いのではないでしょうか。
かぶを引っ張るおじいさん、おじいさんを引っ張るおばあさんと、ページをめくるたびに人数が増えて、にぎやかになっていきます。
1人では難しいことも、大勢ならできることの大切さを学べる内容です。
商品名:おおきなかぶ(福音館書店)
子どものチャレンジを後押しする絵本
子どもの「やってみたい」と思う気持ちを高めてくれる絵本もあります。読み聞かせることで、子どものチャレンジを後押しする、おすすめの絵本をご紹介します。
お手伝いしたい気持ちがかわいい「おでかけのまえに」筒井 頼子(作)、林 明子(絵)
失敗を繰り返しながら、おでかけの準備をする女の子の様子が描かれた絵本です。家庭の日常が題材なので、主人公に自分をあてはめやすく、楽しみながら読めるでしょう。
読み終わったあとは「おでかけの準備がしてみたい」と、まねし始める子どももいるかもしれません。
物語の中に登場するママやパパは、子どもが失敗しても怒らず、温かい目で見守っています。子どもだけでなく、大人も子育てを学んだり、子どもだったころを思い出したりして、優しい気持ちになれそうです。
商品名:おでかけのまえに(福音館書店)
しかけ絵本で歯磨きを学ぶ 「しゃかしゃか はみがき」わらべきみか
かわいい動物たちの歯磨きを描いた、しかけ絵本です。歯ブラシが動く仕組みになっているので、子どもの興味を引けるでしょう。
ページごとに違う動物が登場し、それぞれ違ったしかけが用意されています。「きゅっきゅっきゅっ」「しゅっしゅっしゅっ」など、歯を磨く音や感触を変えているところもポイントです。
2歳児はまだ自分で歯を磨けず、ママやパパのサポートが必要になりますが、嫌がられることも多いものです。歯磨きを嫌がる子どもに読み聞かせれば、歯磨きの大切さを理解してくれるかもしれません。
商品名:しゃかしゃか はみがき(小学館)
暖かなお日様を浴びてまねしたくなる「ぽかぽかぐ~ん」 角野栄子(作)、よしむらめぐ(絵)
主人公のアコちゃんが、ぽかぽかした陽気の日に「ぐーん」と伸びをする様子を描いた絵本です。読み進めるうちに、一緒に体を動かしたくなるでしょう。
伸びをすると、よいストレッチになります。読んでいるときや読み終わったあとに、「ぐーんってしてごらん」と声をかけると、子どもがまねをしてくれるかもしれません。
絵のタッチや登場人物もかわいらしく、大人も一緒にほのぼのできる内容です。
商品名:ぽかぽかぐ~ん(小学館)
何度も読み聞かせたいおすすめの絵本
何度見ても飽きがこない絵本は、魅力あるイラストやしかけがポイントです。読むたびに子どもの気持ちを満たしてくれるでしょう。
1回読んで終わりではなく、何度も読み聞かせたい名作絵本をご紹介します。
優しいイラストも魅力「おつきさまこんばんは」林 明子
おつきさまが笑いかけたり、困った顔をしたり、ページをめくるたびに、いろいろな表情を見せてくれる絵本です。
おつきさまは、いつでもすんなりと登場できるとは限らず、雲に覆われてしまったり、建物の陰になってなかなか出てこられなかったり、いないいないばあのような楽しみ方もできます。
ゆったりとした雰囲気の中にも、表情のメリハリがあり、何度も読みたくなる不思議な魅力を感じさせてくれる絵本です。
商品名:おつきさまこんばんは(福音館書店)
世界中で愛される「はらぺこあおむし」エリック・カール(作)、もりひさし(訳)
あおむしが、毎日食事をすることで大きくなっていく物語です。虫の成長の過程を、子どもの成長に照らし合わせながら読み進められます。
ページには穴が開いているので、読みながら穴をのぞいたり、指を入れてみたりして遊べます。
また、絵本の中であおむしが食べるものは、リンゴやナシといった果物だけでなく、アイスクリームやケーキなど、身近なお菓子も出てくるので、子どもの興味を引けます。
リンゴを1つ、ナシを2つ、と数字を学べるだけでなく、曜日も変わっていくので、物語を通じて時間の流れも学んでもらえるでしょう。
商品名:はらぺこあおむし(偕成社)
子どもの大好きな食べ物が登場「しろくまちゃんのほっとけーき」わかやま けん
1970年に誕生したロングセラー「こぐまちゃんえほん」シリーズの1冊です。「ぷつぷつ」「ふくふく」などの擬音とともに、ホットケーキができていく過程を描いています。
ホットケーキが好きな子どもはもちろん、まだホットケーキを食べたことがない子どもでも、作る工程に好奇心を刺激され、どんな料理なのか食べてみたくなるでしょう。
成長して一緒に料理ができるようになったころに読むと、また違った楽しみ方ができます。ホットケーキを食べるたびに、読み返したくなる絵本です。
商品名:しろくまちゃんのほっとけーき(こぐま社)
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