「もういいや」「やっぱや〜めた」など勉強にしても、遊びにしても何かにつけ簡単に諦めモードに入ってしまう我が子。親としてはもうちょっと頑張って欲しいなと思うのが本心です。すぐ諦めてしまうのにはどのような原因があり、それに対し親はどのようにフォローしていけばいいのか、スクールカウンセラーとしても活動している、臨床心理士・吉田美智子さんにお話を聞きました。
諦めてしまう子どもの特徴
「まず始めに、諦めてしまうかどうかは、元々の子どもの性格も関係してきます。〝あまりこだわらず、あっさり、さっぱり派〟 は諦めて見えがちです。反対に〝やり抜かないと気持ちが悪い負けず嫌い派〟は粘り強く見えます。 どちらも素敵な個性とした上で、特徴や対策をお伝えしていきますね」
<1>自信がない
「子どもの性質として、失敗を怖がる子がいます。周りと比べてしまったり、大人(親・先生)や友だちの反応を気にしてしまう。本当にうまくできていないという場合もあるし、うまくできてるのになぜ自信が持てないんだろう?と感じさせられる場合もあります。
対処法としては、『大丈夫、できてるよ』『すごいね!』などの肯定的な声かけで安心できる子もいると思います。しかし、そう言われてもなかなか自信が持てない子もいます。その場合は、安心感が人一倍必要なタイプの子どもなので、不安な要素は取り除いてあげる、いつも穏やかに肯定で接してあげることが大切です。うまくいっても、いかなくても、大丈夫なんだっていうことが本人の中でしっかり腑に落ちると、〝自信がないから諦める〟から卒業していけると思います」
<2>飽きっぽい
「好奇心旺盛で、次々目移りしてしまうために、ひとつのことがやり抜けない子もいます。親から見ると、〝今していることができないから、すぐ諦めて違うことを始めてる〟と見えがちですが、 本人は諦めているつもりはないのです。
この好奇心は長所なので、コントロールしようとしないほうがいいと思います。まずはよそ見せず、没入する遊びが持てるようにしてあげてください。夢中になってひとつの遊びをすることが、集中力ややり抜く力を育てます」
【小さな成功体験】には注意が必要
「やり抜く力や、自信を持たせるためによく【小さな成功体験を積む】という考え方があります。しかし、これには注意が必要です。親が子どもに無理強いをしてまで得る成功体験は、子どもにとってただの我慢大会になってしまいます。今まで頑張ってきたことが、『今なら頑張ればできる!』というタイミングの見極めが重要です。〝続ける・やり抜く〟ということに親がこだわっていると、このタイミングに気付けず、成功体験を逃してしまいます」
親のちょっとの導きで、諦めから脱出できそうですね。また、日々の勉強や遊びも気になるところですが、習い事や塾なども同様に見てあげられると、やり抜く力に磨きがかかるかもしれません。
取材・文/福島孝代
イラスト/(C)Shutterstock.com
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臨床心理士
吉田美智子
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