〝子どもが懐かない〟と感じたら、まずは親の行動を振り返ってみて
抱っこもお風呂も、席の隣も「ママじゃないと嫌」と言いパパに懐かない(その逆もしかり)…そんな経験ありませんか? 24時間ママだけ!の生活は、どんなにかわいい我が子のためとはいえ、ちょっと苦しくなりますよね。
この現象はイヤイヤ期だからなのか、それとも子どもが本当にパパを嫌いと思っているからなのか。臨床心理士・吉田美智子さんに「子どもが懐かないわけ」をお聞きしました。
「ママじゃないと嫌」は一時のブーム!?
「赤ちゃんのときにはこのような現象はなく、両親どちらを見ても笑って好きを伝えてくれます。しかし、2歳になるころからこの現象は始まります(もちろん起こらない子もいます)。イヤイヤ期とも重なりますが、別と考えていいと思います。この時期の子どもは、安心感がより高い人を好む・こだわる傾向にあります。
すると、育児分担がスムーズにいかなくて負担が偏ったり、『イヤ』って言われる側はなんだか存在を否定されたようで傷ついたりしてしまうこともあると思います。でも、本当に一時的なんですよね。ですから、子どもの【マイブーム】と割り切って、夫婦でうまく連携できるといいですね」
しかし、こんなときは注意が必要!
「上記の【マイブーム】として割り切って考えられるのは、両親ともに適切な子育てをしている場合です。子育ての偏りが症状を引き起こす場合も…。例えば、父親が不在にしがちのため父親に懐かない、母親が怒ってばかりだから父親と一緒を好むなど。ちょっと思い当たるかもと感じたら、早めに夫婦で相談し修正案を検討してください。
もうひとつ。急に嫌がるようになるときは、何か起こったときです。親にとっては仕方がなかったけど、子どもにとっては嫌だった・怖かったこと。こちらも、早めに修正できるといいですね。子どもだからそのうち忘れる、なんて甘く見て開き直ったままだと、思春期まで引きずることもありますから。これは決して子どもの機嫌を取れというものではなく、子どもに怖い思いをさせたり傷つけたりしたときには、きちんと向き合う姿勢を示さないと、関係が断絶してしまうということです」
子どもが発する「パパ嫌」「ママ嫌」は親にとってはショックな出来事ですが、成長の証でもあります。ここで夫婦仲を険悪なものにせず、ふたりで乗り越えていかれるといいですね。
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
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