忘れ物をしてしまう、片付けできない、電気のつけっぱなし…どうしてできない!?
何度も注意して、叱って、こんこんと説明しているにもかかわらず、忘れ物をする・片付けられない・電気がつけっぱなし…。親としては同じことを何回も言いたくないし、なぜいつまでもできないの!?と怒りの中にも不安を覚えてしまうかもしれません。スクールカウンセラーとしても活動している、臨床心理士・吉田美智子さんに「叱っても直らない理由」についてお話を伺いました。
もしかして他の子と比べていませんか?
「何度叱っても直らないなら、その子にとってまだ手助けが必要だということです。〝周りの子はできているのに〟とか、〝もう○年生なのだからできて当然では?〟と思うと、ついガミガミ言いたくなる気持ちはよくわかりますが、他の子どもと比べるのはやめましょう。目の前の子どもが何に困っているのかを、ぜひ観察してみてください。カウンセリングでも特に多く寄せられる、お悩みをご紹介します」
1:片付けができない
「物が散らかっていても、本人は特別困っていないことが多いです。また、〝片付けして〟と言われても、何をどうしたらいいのかわからない子もいます。まず整理整頓された状態を写真などに残し、〝こうあるべき〟姿を示してあげましょう。そうすることで、どこに何をしまうか迷うこともなくなりますよね」
2:電気がつけっぱなし
「電気の他にも、ドアの開けっ放しや、物の出しっぱなしなどあるかと思います。これらのことが身につかない、いつも忘れることに対して叱っても事態は改善しないどころか、親子関係が悪化してしまうことも。
このような生活のルールを注意する場合、『電気つけっぱなしだったから消しておいたよ』『トイレのドア閉めておいたよ』など、淡々と伝え続けることです。繰り返し伝えることで、ふとした瞬間からできるようになります。こればっかりは忍耐で乗り切ってください」
3:学校の準備ができない
「前の晩、学校の準備をしたと言っていたはずなのに、朝になると『◯◯がなーい!』と慌ただしい。もしくは、持ち物があること自体をまるっと忘れてしまうなんてことも。繰り返されるうちは、サポートが必要です。準備自体は本人にやらせても構いませんが、一緒に次の日のことを会話しながら進めてみてください。会話をする中で、『そういえば!』と持ち物に気付いたり、確認が自分自身の中で取れていくはずです」
4:夜更かしやゲームがやめられない
「子どもがなぜ夜更かしをするのか、なぜゲームが時間になってもやめられないのかを考えます。これらの時間が〝自分の自由になる唯一の時間・唯一自分らしくいられる楽しい時間だからやめられない〟という現状になってはいませんか? 学校や塾、習い事が忙しかったり、ゆとりの時間はありますか? もし思い当たるようであれば、親が時間の調整をし、その上で子どもと寝る時間・ゲームの時間を検討できるといいと思います」
いくつか挙がった例以外にもお悩みたくさんあると思います。まずは、叱っても直らない事柄に再度向き合い、他の子と比べていないか・年齢で区切っていないかを、ふるいにかけてみるのもいいかもしれません。
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
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