勉強=「いい学校に入るため」でしょうか?
元々勉強が嫌いな子は特に、勉強は普通もしくは好きな子でさえふっと「勉強ってなんだろう」と思うものです。子どもから勉強の意味を聞かれたとき、皆さんは答えられますか? どう答えるのが正解なのか、スクールカウンセラーでもある臨床心理士・吉田美智子さんにお話を伺いました。
無理に親が正しい答えを伝えなくてもいいんです
「先に結論から言ってしまうと、正解を伝えなくてもOKです。この質問、小学生に始まり、中学生以降もどこかの段階で子どもから投げかけられることの多い質問です。このような問いは、【正解がない】【人によって意見が違う】【答えが納得できるとは限らない】など、答えるのが難しいですね。もし聞かれた際には、以下のような受け答えをしてみてください」
「一言では答えられない難しい質問だね」
「そんな質問をするようになったんだね(成長を喜ぶように)」
「私はこう思うよ、あなたはどう思う?」
「何かそう聞きたくなることがあったのかな?」
「親が正解を言い切ってしまうのではく、会話を紡いでみてください。そのときは子どもも無反応だったり、わからない表情をするかもしれません。しかしこのやり取りで、自分が納得する意味を見出したり、いろんな方向から考えを巡らす練習にもなります。
また、この時期は同時に【なんのために生きてるの?】という疑問を持ちがちです。子どももズバッとは聞きにくいけどモヤモヤするときに、【意味】を問いかけてくるわけです。親はそんな哲学的な悩みに、どう考えたらいいのかという方法を見せてあげられるといいのかもしれません」
「あなたの将来のため」「いい学校に入るため」ズバッと言っていい?
「これもありだと思います。本人がそれで納得できればOKです。でも、納得できなくなるときが来るかもしれません。そのときは、上記のように改めて一緒に考える必要があるでしょう。このような会話は1回では納得がいかず、何度も聞かれる場合もあります。その都度、一緒に将来や夢の話、今が未来へ繋がっていく話など、いろいろな角度から対話できるといいですね」
取材・文/福島孝代
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