中国語と日本語、大きな違いは「ユーモアのセンス」と…?
中国語は、ユーモアに溢れた言語だということを前回私の経験談を交えながらご紹介しました。
実際、真剣な話をしているのに聞いている側としてはクスッと笑ってしまうことも少なくなくて、「あー、日本語でもこんな風にユーモアのある話しかたをできたらな」と思うのですが、日本語と中国語にはそもそも言語の性質に大きな違いがあるがゆえに、なかなかそうはいかないのが現実。
というのも、中国語という言語はとっても「直接的な言葉」。中華圏の人はみんな「YES or NO」「白か黒」の世界に生きているといっても過言ではないほど、はっきりもの申します。
たとえば、私が「え、そんな言葉の返しかたしていいの!」と冷や汗をかいたのが、とある台湾人の先輩CAが同僚CAに「垃圾話 (今の話、ゴミよ!)」と笑いながらいったときのこと。
中国語で「垃圾話 (Lè sè huà/ゴミトーク)」は「くだらないこと、野暮なこと」の意味
親しき中にも礼儀あり、日本ではこれをベースに生活をしています。
なのでいくらジョークでも、自分の話した内容が「ゴミよ」といわれたら、それはグサリときてしまう人のほうが多いはず。
ところが、この先輩に限らず「垃圾話 (Lè sè huà/ゴミトーク)」というのは実は多くのシチュエーションで使われる言葉で、日本語で「くだらない」や「野暮」といいたくなるような場面で日常的に聞くことができるもの。
そんな事実を後々知った私は、この “自分のいいたいことを直接的に表現してもよい” という一種の許可みたいなものにどんどん惹き込まれていくことになります。
私が台湾で9年過ごしたことで感じたのは、台湾の人は話のキャッチボールがうまい人が多いということ。どんなに直接的ことをいわれても気分を害して話が止まってしまうどころか、うまく交わしたり、さらにウィットに富んだ返しで会話を持続させることができる人のほうが圧倒的に多い!
これはこのご時世、どんな状況にでも瞬時に対応できる力みたいなものに通ずるような気がしています。
【続】
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official