「マーケティング職の魅力は、人の心を動かすコミュニケーション戦略を立てること。仕事に集中できる、今の環境に満足しています」
今月の妻:松高 愛さん
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
ビジョンケア カンパニー CO&S本部 マーケティング シニアマネジャー・39歳
マーケティング職の魅力は、人の心を動かすコミュニケーション戦略を立てること
「チャンスはだれの人生の中にも平等に与えられているもの。でも、それに気づいて好機をつかめるかどうかは、自分しだいだと思うんです」と低く落ち着いた声で語る松高さん。
外資系消費財メーカーでマーケティングとして働く彼女は、これまで17年間の社会人生活の中で実に6回もの転職を経験。まさにビジネスの格言〝チャンスの神は前髪しかない〟を地でいくような半生を送ってきた。現在は外資系消費財メーカーで、使い捨てコンタクトレンズ「アキュビュー(R)」のサブブランドの広告や販促のベースとなる、コミュニケーション戦略の立案実行などに携っている。
「子供のころから〝大人になったらバリバリ働く〟と決めていました。高校3年生のとき、語学習得目的でアメリカ留学したんですが、授業で人の気持ちを変えることによって物が売れるマーケティング戦略について学び、面白いなと感じたのが原点になりました」
就職1社目では、乳児の紙おむつのマーケティングを6年間担当。〝別のカテゴリーも経験したい〟という成長欲から転職に踏み切った。以降、広告代理店、大手アパレル企業での海外事業開発、消費財メーカーと、自分で見極めたり、実績が評価されてヘッドハントも経験しながら、現在の会社にたどり着いた。
「今の会社は、これまで経験したことのない医療系の業種。自分の知見を活かしながら、新しいことも学べる点が大きな魅力です。新製品開発や部署横断プロジェクトにもタッチして日々やりがいを感じています。私にとって常に自分らしくいられることは、何よりも大切なこと。好きな仕事ができるよりよい環境を見極められるように、気持ちに余裕のあるコンディションを保つよう心がけています」
かつて同僚だっただけに、夫は松高さんのスタンスに理解がある。結婚生活10年のうち一緒に暮らせたのはタイ赴任時代の5年のみ。今はそれぞれ仕事に打ち込もうと、遠距離結婚生活を選択。お互い、ひとりの時間と一緒にいる時間の両方を尊重できるこのスタイルが気に入っているのだそう。
「私にとって仕事とは、人生の大半を占める大切なもの。すごく仕事が好きなんだと思います。やりたいことがいつでもできるように、体力づくりも欠かせませんね。一週間の中でいちばん好きなのは、金曜日。その週の業務のとりまとめをしながら翌週に向けた準備に励み、週末はしっかりリフレッシュしたいので、夜はたいてい、女友達と食事に行くことが多いです。こうみえて意外と世話好きなので、お店選びや予約はいつも私の担当。スマホの中においしいお店のデータを、密かにストックしています(笑)」
まつたか・あい/1978年、香川県生まれ。高3でウィスコンシン州に留学。アメリカの大学を卒業後、帰国して消費財メーカーにマーケティング職として新卒入社。28歳で外資系消費財メーカーに転職。29歳で結婚。翌年夫が駐在するタイに赴任。34歳で広告代理店に転職。36歳でアパレルメーカーにヘッドハントされて単身帰国。消費財メーカーを経て38歳で現在の会社へ。夫も帰国して、東京と香川で遠距離結婚中。
Domani2018年3月号『女[独身]、妻[既婚子供なし]、母[子供あり]Catch! 働くいい女の「金曜14時』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/真板由起(NOSTY) ヘア&メーク/今関梨華(P-cott) 構成/谷畑まゆみ