現役スクールカウンセラーが疑問を解説!
どこの学校にもスクールカウンセラー(以下、SC)がいて、子どもたちの悩みを受け付ける体制ができています。一度でもお世話になったことのある人ならその内容が分かりますが、まだ利用したことのない人にはちょっと敷居が高いかもしれません。そこで現役SCとして活動している、臨床心理士・吉田美智子さんに質問・疑問に答えていただきました。
Q .どんな人がSC?
「公立の学校の場合は、都道府県や市町村から臨床心理士・公認心理師、または精神科医が派遣されます。中には退職した先生などが担うこともあります。学校内にはいるけれど学校職員ではなく、中立・外部の立場です」
Q .どんなことが相談できる?
「基本、子どものことであれば何でもOKです。例えば、子どもからの相談で多いのは、学校生活で心配なこと・勉強・生活面・対人面です。ちなみに、SCは子どもだけではなく、保護者の活用もできます。なので親御さんからは、家庭で心配していること。例えば、生活リズムの乱れ(ゲームやスマホがやめられない、夜更かしなど)、親子関係(子育ての悩み)、学校に行きたくないという時、不登校、発達障害かもしれないと心配な時、など様々な悩みが持ちかけられます。SCは〝発達障害かどうか〟 などの診断はできませんが、地域の相談機関、医療機関などを紹介することもできます」
Q .相談するにはどうしたらいい?
「基本、予約制ですが、学校によっては空いていれば当日でも大丈夫なところもあると思います。予約方法は、お便りでご案内が出ていると思いますが、不明な時は学校に問い合わせて(担任や保健室の先生、副校長先生などに聞きましょう)。基本的には来室相談になります。しかしコロナ禍でもありますし、お電話で相談できる場合もあると思うので聞いてみてください」
Q .相談内容は学校の先生に知られてしまう?
「誰が相談に来たかということは、来室記録により名前が残る仕組みになっています。なので、誰がSCに来たかは分かってしまいますね。SCには相談の秘密を守る倫理規定がありますが、先生への報告が必要な内容と判断された場合はお伝えします。それは、【先生と情報共有することが子どもの成長に望ましいサポートができる】と考えられているからです。
例えば、いじめの相談だったら直ちに担任の先生方と共有して必要なアクションを取る必要があります。一方で、担任の先生に問題がある場合などは、本人には話さずまずは管理職の先生に相談するなど柔軟な対応をします。ほかにも気持ちが不安定になる時は、『所定のクールダウン対応をお願いします』とか、家庭内で問題を抱えているときなどは『できるだけ温かい声かけお願いします』のように先生方みんなにお願いしたほうがいいこともあります」
「SCは多くの子どもや親御さんたちを見てきています。名前が記録されると身構えてしまうかもしれませんが、無料で相談できる、一番身近な心理の専門家として是非、気軽に相談してください」
取材・文/福島孝代
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