間違った知識を得る前に、家庭で話たい「パーソナルケア」の話
「小学校中学年あたりから、特に女子にはパーソナルケアが必要」とスクールカウンセラーでもあり、臨床心理士・吉田美智子さんは話します。子どもに話しておきたいパーソナルケアとはどのようなものか、お話を伺いました。
パーソナルケア=個人的お世話となりますが、小学生女子の場合「生理」が当てはまるのではないでしょうか。親世代だと学校で、男女別の教室で生理の話を聞いたなんて人が多いかと思います。しかし最近では、親が子に伝えられるよう性教育の本もたくさん出版されています。では、どう話を進めたらいいかご紹介します。
<1>生理が始まる前から予備知識を
まだ実際に生理が始まっていない段階では、突然話をされてもポカーンとなってしまうかもしれません。生理→生殖器→SEX→妊娠と全てを話してしまうのは子どもにとっても負担が大きいもの。まずはStep1として〝毎月経血が出るようになり、赤ちゃんを産める大人の体になる〟ことを説明してみてください。
次に、Step2〝生理が始まると胸が大きくなったり、体毛が濃くなるなど身体に変化が出る〟、Step3〝生殖器とSEXについて〟と段階を踏んでいきましょう。子どもが理解するのが難しそうであれば一旦話は切り上げ「また話そうね」とし、反対に子どもからどんどん質問がきてしまい親が焦るようでしたら「分かりやすく伝えるために、時間をくれるかな」など、一度距離をとってください。
また生理用品の使い方は先に教えてあげられるとベストかなと思います。初潮が家であった場合は親が対処できますが、学校であった場合手助けすることができませんもんね。
<2> 実際、生理が始まったら
まずは「おめでとう、よかったね」と大人への一歩をお祝いしてください。しかし昔ながらの〝お赤飯を炊いて家族でお祝い〟はイマドキ小学生には向かないかもしれません。親世代でも嫌な思いをした人もいるのではないでしょうか。本人と話し合い、お祝いの仕方を考えられると良いですね。
そして、初潮を迎えたら生理用品の使い方を再度チェックしてください。使い方が間違っていないか、使い心地が悪くないか、漏れの心配にはどう対処したらいいかなど、些細なことでも相談にのってあげましょう。
また、体調にも気を配ってください。お腹が痛い、頭痛がする、だるさなど初めての不調に心も不安になっているはずです。そのくらい大丈夫!と突き放すと、辛い時に相談できなくなってしまい、最悪、親子関係にも亀裂が入ってしまうので注意が必要です。
プライベートゾーンについて
そして最後に、【プライベートゾーン】について話をしてください。プライベートゾーンとは水着で隠れる部分+口になります。この部分はとても大切で、誰かに見せたり、触らせたりしてはいけないことを教えましょう。この先、スマホを持ち、知らない誰かにわいせつな行為をされないためにも、自分の身は自分で守ることをしっかり伝えてください。
また、何かされそうになったら『嫌・やめて』と大声を出す練習もできるといいですね。思春期になるとこういった話もしにくくなってくると思うので、初潮が最後のチャンスと思い後回しにせず話を進めてください。
昔と今とでは性のこと、ジェンダーのことなど随分と様変わりしたように感じます。しかし変わらないのは、【自分で自分自身を大切に思うこと】。いろいろな話をしていると子どもに「そんなの古い」と言われる場面があるかもしれません。しかし、これだけはブレずに伝えられると、子どもも理解してくれるのではないでしょうか。
画像/(C)Shutterstock.com
取材・文/福島孝代
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