何度言ってもおふざけが止まらないのは、親の接し方に問題が!?
走ってはいけないところで走ったり、大声で笑ったり、悪ふざけが止まらない子ども。頭ごなしに注意をしても、言うことを聞かず、自分の子どもでなければ放置したいとさえ思ってしまうかもしれません。何度も注意するのに、なぜ子どものおふざけは止まらないのでしょうか。スクールカウンセラーでもあり、臨床心理士・吉田美智子さんに「子どものおふざけ」についてお聞きしました。
親の伝え方が間違っているかも
「おふざけが止まらないと、何度も『やめなさい』と注意したり、最後には怒鳴って静止させるなんてこともあるかと思います。実はこれらの方法は効果がありません。感情的になり、ただただ疲れだけが残ってしまうのです。
そこでおすすめしたいのが【コモンセンスペアレンティング】です。これはアメリカで生まれた、親が受けるプログラムです。元々は暴力や虐待をなくすためのものとして開発されましたが、子どもとの正しいコミュニケーション法として今注目を浴びています。では実際にどう進めていくのかを紹介します」
コモンセンスペアレンティングの進め方
子どもに効果的に注意をするには
1.やめさせる+ふざけたい気持ちに共感する
2.クールダウン(親子共々)
3.して欲しい行動を伝える
4.練習させる
と順序を踏んで行います。具体的にどうすればいいか、未就学児と小学生を例をあげて見ていきます。
未就学児の例:幼稚園帰りに複数の親子が電車で帰ろうとしたところ、興奮した子どもたちがふざけながらホームを走り回り始めたとき。
1.「ちょっと待って!止まって!」
「走りたくなるよね、それはわかる。でも、ホームを走ったら危ないから走ってはいけないんだよ」
2.「いったん落ち着きたいから、一緒に10数える間止まっていよう。1、2、3・・・」
3.「ホームで走ったら危ないから歩こうね。」
4.「歩いてベンチまで行って座って待てるかな?」
悪ふざけだけでなく、やめてほしい行動のときにも使ってみてください。
小学生の例:学校から帰ってきたら宿題をしてからゲームをしていいルールだが、宿題をせずにゲームを始めたとき。
1.「ちょっと待って。ゲーム、いったんやめてくれるかな」
「学校で頑張って疲れているから、ちょっとだけゲームで遊びたくなるよね。その気持ちはわかる。でも、宿題が先の約束だったよね」
2.「ゲーム機を置いて、ちょっとこっちにきて座ってごらん。ちょっと一緒に深呼吸しようか? スーハー」
3.「先に宿題やっちゃおう。今日の宿題はなに? わからないところがあったらママに聞いていいよ?」
4.「じゃあ、宿題持っておいで」
現実にはこの通りにはいかないこともあるでしょう。ですが「問題行動を止める」+「したい気持ちに共感する」+「して欲しい行動を伝える・させる」は、子どもの問題行動を「怒鳴って止めるけど効き目がない」悪循環を断ち切るとても良い方法なので、ぜひやってみてくださいね。
画像/(C)Shutterstock.com
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
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