「膣トレ=膣そのものを鍛える」は間違い。くしゃみのとき、立ち上がったときの「ドキッ」を防ぐために今から始めよう!
そもそも膣トレとは、膣をキュッと締めることで骨盤底筋群を鍛える動きのこと。骨盤底筋群とは、骨盤の底にあるハンモックのような筋肉群で、子宮・膣・膀胱・尿道・直腸を支えています。
「妊娠や出産、加齢などでこの筋肉が衰えると尿道を締める力が弱まるので、くしゃみや椅子から立ち上がるなどの際にお腹にちょっと力が入ると“尿漏れ”しやすくなります。尿漏れはある程度の年齢以上の女性は誰しも抱える悩みですし、骨盤底筋群の筋力低下がさらに進むと“骨盤臓器脱”といって子宮や膀胱、直腸が膣から脱出してしまう病気も招きます。その予防としても膣トレは有効です」(福山先生)
【膣トレがおすすめの人】
- 多出産(経膣分娩)や難産だった
- 肥満である
- 運動をあまりしない
- デスクワークが長い
- 重いものを持ったり、りきむ仕事が多い
【膣トレの方法とは?】
手軽ですぐにできる方法として「ゲーゲル体操」があります。1940年代にアメリカの産婦人科医が考案したもので、骨盤底筋群を強化する体操です。いくつかある体操のうち、ベーシックなものを紹介します。
基本的なゲーゲル体操
- 仰向けに寝転び、両足を肩幅くらいで開き、両ひざを立てる。
- 膣を胃の方へゆっくり引き寄せるイメージで締め、5秒間締める。
- 5秒間かけてゆっくりゆるませる。
この動きを5回1セットとして、1日5セットを毎日コツコツと行うのが目安です。
体操の時間がとれない人や効果的に鍛えたい人は、膣トレグッズを使ってみてはいかがでしょう? 膣内に入れたまま普段通りの生活をしているだけで筋トレができるアイテムで、特別な運動が不要なのが魅力です。
膣トレグッズ初心者にはこちら
【INTIMINA Laselle Set】¥6,930/ビープル バイ コスメキッチン
スウェーデンの助産師などの専門家たちがつくったトレーニングボール。3つあるボールのうち、ひとつを選んで膣内に入れます。ボールを入れたまま日常生活で体を動かすと、ボール内のおもりがコロコロ動いて筋肉が刺激されます。
体調や気分に合わせてボールの重さを調整できる
【RIANNE S プレイボール ヌードバッグ】¥5,500/ピープル バイ コスメキッチン
オランダの女性デザイナーがつくったトレーニングボール。重さが異なる4つのボールから、2つを選んでガードルにセットし、膣内に入れます。2つの重さのボールを組み合わせるので、より自分にあったトレーニングができます。ロックのかかるオリジナルポーチつきでプライバシーを守れるのもうれしい。
スマホ連動で自分の膣圧に合わせたトレーニングができる
【elvie】¥29,700/ラブピースクラブ
イギリス発のブランドで、イギリスの病院や医療従事者からも推奨されているトレーニンググッズ。一番のポイントは専用アプリでスマホと本体が連動していること。自分の膣圧を測定してから、それに合わせたトレーニングメニューを自動でプログラムしてくれます。充電式ですがプラグの差し込み口がなく、シリコンで覆われたつるんとしたデザイン。防水性が高いのでバスルームでも使えます。
教えていただいたのは…
福山千代子 先生
「アヴェニューウィメンズクリニック」院長。金沢医科大学卒業。日本産科婦人科学会専門医。生理のトラブルや月経前症候群(PMS)、更年期症状など、女性特有の悩みに真摯に向き合い診察を行う。※アヴェニューウィメンズクリニックは10月末で閉院いたします。
●この特集に使用した商品の価格はすべて、総額(税込)価格です。
撮影/高橋一輝(近藤スタジオ) 構成/片山幸代