【目次】
人生は「偶然のゲーム」
私は麻雀プロの中でも「とくにメンタルが強い」と言われています。サイバーエージェント社長で、Mリーグ「渋谷ABEMAS」監督の藤田晋さんは、私のことを「鋼のメンタル」と評しました。強いか弱いかと問われれば、強いほうでしょう。自分でもそう思います。
しかし、本当に私のメンタルが強いのでしょうか? 何か少し悪いことが起こっただけで、「もうダメだ」と落ち込んで、投げやりになってしまう。そういう人が多い印象です。
それは麻雀プロの中でも、例外ではありません。麻雀は「いい偶然」と「悪い偶然」が起こり続けるゲームです。なのに、なぜか悪いことが起こると「あの一手で心が揺れてしまった」とか、そういう表現をする人がとても多いのです。
先日、ある企業で営業マンをやっている友人と昼にばったり会ったので、ランチを共にしました。ランチの間、彼は自分のスマホ画面を見ながら、「あー今日はツイてないなぁ、早めに切り上げて会社に戻ろう」とぼやきました。聞いてみると、取引先から少々ガッカリするメールが届いたとのこと。なぜ会社に戻るのか尋ねると、「こういう日は次に回っても、うまくいかないことが多いんだよね」と話していました。
反対に、いいことが続いた場合に、「今日はツイてるから、なんでもうまくいくぞ!」などと言う人もよく見かけます。こういう考えを、私は不思議だと思います。人生も、そして麻雀も「いいこと」と「悪いこと」が偶然起こり続けるゲームです。ゲームの構造をわかっていれば、何が起ころうとも、その後の判断や行動を変える必要はないのです。