頑張ってるのに…と思わず言いたくなる!?ワーパパの本音座談会
お話を聞いたのはこちらの4名!
「最近、妻と子供の喧嘩が激しくて。
巻き込まれると面倒なので、寝静まったころに帰っています」ーー松本さん
松本さん(以下、松) うちの娘は9歳になるので、とにかく口が達者。妻としょっちゅう喧嘩しているんです。せっかく早く帰っても、ふたりの喧嘩に巻き込まれて二次災害に遭うので、最近はあまり早く帰らないようにしています。
金田さん(以下、金) 喧嘩を仲裁しようとして割って入っても、言い合いの中継地点にされますよね。ふたりから反撃されるのがオチなので、難しい顔しながら黙って聞いているのがいちばんですよ。
岡さん(以下、岡) 僕も基本、9時前には帰りませんね。うちはまだ子供が小さいので喧嘩はありませんが、子供が寝る前の騒然とした時間に帰ると、「お風呂に入れろ、着替えさせろ、絵本を読め…」と、降りかかってくるタスクの量がハンパない。「手伝わないヤツは家にいる価値がない」っていうくらいの圧力を感じます。
金 奥さんにしてみれば「仕事が終わったなら当然手伝え」という気持ちなんでしょうが、ちょっとひと息つかせてほしいですよね。
「自分の家なのに年々、居場所がなくなってきて…。
妻の目を気にせず、くつろげるスペースが欲しいです」ーー飯田さん
飯田さん(以下、飯) ところで、みなさん自分の部屋はキープしていますか?
岡 今のところ死守していますが、今後は怪しい…。
飯 うちは子供が大きくなったので、自分の部屋を子供部屋にしたんです。そのせいで、家の中に居場所がなくなってしまって。基本、リビングのソファーが定位置なのですが、そこに妻が座っていると、「さて、どこにいようか」と考えてしまう。
松 定位置を取られると困りますよね。妻に「そこ、どいて」なんて絶対に言えないし。
飯 だから、家にいる時間が長い休日は、キッチンで料理をつくるようにしているんです。
岡 奥さんを喜ばすため?
松 いや、自分のスペースを確保するために。キッチンにいる間は居場所を探さなくていいので、気楽なんですよ。妻もラクできるから何か言われることはないし、子供もあまり近づいてこない。ゆっくりひとり時間を楽しむために、わざわざ手のかかる煮込み料理なんかをつくったりしています。
金 先日、子供がキャンプに行ったとき、妻とふたりで外食をしたんです。いつも子供が一緒なので、ふたりだと話すことがなくて。普通に食べていただけなのに「何黙って食べてるの?」って怒られたんですよ。
松 対面のテーブル席ですか?
金 そう…ですね。
岡 それはダメ。ふたりっきりの外食は絶対横並びじゃないと!
松 そうそう。うちではカウンター席で店員さんを介して話すのが鉄則です。
「妻とふたり食事は接待!
沈黙が続いて気まずくならないよう、事前に根回ししています」ーー飯田さん
飯 僕は、ふたりで食事するときはなじみの店にしか行きません。前日に電話して、店員さんとかバーテンダーに「明日、妻を連れていくから、話を盛り上げてくれ」って頼んでおくの。自分がしゃべらなくても妻が楽しめるように、仕込んでおかないと。
金 そこまでしているとは(笑)。
飯 食事の後はカラオケに行きます。しゃべらなくても、歌っていれば勝手に盛り上がってくれるから助かる。
松 確かに。妻にいっぱい歌ってもらえば、日ごろの育児ストレスの発散にもなりそうですね。
金 奥さんに気を使っているように見えて、実は、自分がラクな方法を考えているわけだ!
飯 まあ…そうなりますね。
岡 みなさん、家事の分担はどうしていますか?
松 うちは、平日の食器洗いと休日の洗濯、掃除くらいかな。
金 けっこう頑張っていますね。
松 掃除は掃除機をかければいいから簡単なんだけれど、片付けが苦手なんですよね。
飯 しまう場所がわからない!
岡 間違えると怒られるし!
松 そうそう。「どこにしまえばいい?」って聞くと、「いつものところ」って言われるんだけれど、「いつものところ」がわからない。
金 妻が言う「いつものところ」も、たまに変更されていたりしません? 「見ればわかる」と言われても、全然、法則性がわからなくて(笑)。
岡 うちは、平日は風呂掃除とゴミ出しが僕の担当で、土日のどちらかは子供を連れて出かけることにしています。
飯 奥さんを育児から、1日解放してあげるんだ。
岡 だから、自分ではけっこう家事育児に協力しているつもりなのに、それを妻に言うと「一般的にはやってないほうだから」と酷評されて。
松 奥さん、手厳しいね!
「遊園地でアトラクションに乗るとき、子供が全員『ママの隣がいい』と。
じゃんけんで負けた子が僕の隣にしぶしぶ座っていました」ーー金田さん
金 うちは、休みの日はできるだけ家族で外出するようにしています。でも、遊園地でアトラクションに乗ろうとすると、ママの隣の席を巡ってきょうだい喧嘩がはじまるから、ちょっと面倒で…。
岡 わかります。2時間並んだのは自分なのに、パパの隣は完全にハズレ席扱い。
金 じゃんけんで負けた子が僕の隣に来るんですが、せっかく順番が来ても、「ママの隣がよかった」って不機嫌になったりして。
松 うちは子供がひとりだから、アトラクションには妻と娘が一緒で、僕はいつもひとりですよ。ふたりは盛り上がっているけれど、僕は全然、盛り上がれない。
岡 それも悲しいですね。パパの役割って地味だし、ママには到底かないっこない。
飯 確かに小さいうちはそうですね。でも、男の子の場合、小学生になるとだんだんママにベタベタされるのがいやになってくるみたいですよ。うちの息子も小さいころはママっ子でしたが、最近「パパくらいがちょうどいい」って言い出したから。
金 ひとりでいたいときに放っておいてくれるからかな?
飯 「平日ほとんど家にいなくて、休日たまに遊んでくれる」くらいが、いい距離感だそうです。
岡 なるほど。8歳にしてかなり大人びた見解。子供は親が思っているよりも早く親離れしちゃうんですよね。そう思うと、なんだかますます悲しくなってきちゃいました(笑)。
Domani2018年3月号『男もつらいよ。ワーパパの哀しみブルース』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/フカヤマノリユキ イラスト/ツグヲ・ホン多 構成/木戸恵子