感受性は人生を豊かにする一方、疲れやすい側面も!?
例えば絵が上手だったり、景色に感動できたりすると、それは「感受性が豊かね」とポジティブに表現されます。一方、周りの様子に敏感だったり、同年齢よりも場の空気が読めてしまう、それは「感受性が高いから」と少し後ろ向きな表現になるかもしれません。そんな「感受性」とは、子どもたちにどのような働きをしているのでしょうか。
そもそも感受性とは?
わたしたちが皆持っている力で、外界からの情報をキャッチする力と、それに対して反応したり影響したりすることを指します。みんなが持っているけれども、その強弱は人によって違います。最近は「HSP/HSC=人一倍感受性が強い子ども(人)」が話題になることも多く、感受性って何?と思われる方も多いと思います。
感受性の有無はどこで見極める?
自分の子どもは感受性が豊かなのか気になるところですよね。見極めるポイントが3つあるのでご紹介します。
<1>五感や体感が敏感
光や音などに敏感であったり、身体に触れるものに敏感である。
<2>人の気持ち・場の雰囲気に敏感
必要以上に人の気持ちが読めてしまったり、場の空気を感じてしまう。
<3>何もしてなくても感動スイッチが入る
映画やテレビ・本などを読んで感動するのではなく、何もしていなくても感動スイッチが入ってしまう。
例えば、未就学児はお砂遊びや粘土遊びをしますよね。楽しくそれらをする子もいれば、手につく砂や粘土の触り心地が嫌で、遊ばない子どもいます。触感が敏感な子どもは感受性が強い傾向にあります。他にも、小学生で人気の係があり、挙手する人がたくさんいると、スッと自分は身を引き譲ってしまう子もいます。これも場の空気や人の気持ちを読んでのこと。
ひとつのエピソードで感受性が高いとは言いにくいと思いますが、これらのことがいくつか重なった場合は、感受性が豊か・高いと考えて良いと思います。
人より感性が優れているように思われがちですが、一方で困っている人もいるのです。例えば、上記であげた<2>のような場合。想像力が豊かで人の気持ちや、場の雰囲気を読み取る一方で、考え過ぎて疲れやすいという側面も。
<3>は日常の中に感動のツボを見つけやすく、人生が豊かに見えますが、一方で気持ちの上げ下げが激しくこちらも疲れやすい。良い方ばかりに感動できればいいのですが、負の出来事にも引っ張られやすい特徴があります。
感受性が豊かな子どもに親ができることとは?
感受性が豊かなことは、決してネガティブなことではありません。親としては、負の刺激を上手に避ける方法・疲れのケア法などを教えてあげることが大事だと思います。もちろん小さいうちは親が代わりにやってあげますが、いつかは自分の感受性の高さを理解しなくてはなりません。感受性と上手く付き合うことで、実りの多い豊かな生き方ができるようになるでしょう。
画像/(C)Shutterstock.com
取材・文/福島孝代
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