布おむつの基本
これから出産を控えている人や、赤ちゃんのおむつかぶれが気になる人など「布おむつ」に興味を持つ人は多いもの。布おむつを使用するためには、肌に直接ふれる「布おむつ本体」と、布おむつを覆う「おむつカバー」の2点が必要です。
まずは、布おむつの種類と具体的な使い方について解説します。
布おむつの種類
「布おむつ本体」は、大きく分けて「輪おむつ」と「成形おむつ」の2種類があります。「輪おむつ」は、輪の状態になった生地を折りたたんで使います。たたみ方次第で、サイズ調整がしやすい点がメリットです。一方「成形おむつ」は、そのまま使用できるタイプです。折りたたむ必要がないため、布おむつが初めての場合に使いやすいでしょう。
生地の種類は主に三つあり、厚手で吸収力の高い「綿」、軽くてフワッと柔らかい「ガーゼ」、手ぬぐいのような肌触りの「サラシ」があります。
布おむつの上から着用するのが「おむつカバー」です。布おむつがズレてしまったり、おしっこが漏れてしまったりするのを防ぐ役割があり、かわいらしいデザインのアイテムが多いのが特徴です。
オプションとして「おむつライナー」もあると便利です。布おむつの内側に敷くことで、おしっこやうんちをダイレクトにキャッチしてくれます。使い捨てタイプと洗って繰り返し使える布タイプがあります。
布おむつの使い方
布おむつは、肌に近い順に「おむつライナー」「布おむつ」「おむつカバー」となります。実際に、赤ちゃんに着用させる場合の基本の手順は以下のとおりです。
1.おむつカバーを広げて置く
2.おむつカバーの上に、布おむつを置く
3.赤ちゃんのお尻をのせる
4.股におむつライナーを乗せ、布おむつで包む
5.おむつカバーを留める
「輪おむつ」を使う場合、さまざまな折り方があります。簡単にできるのは、おむつを縦横に半分に折るだけの「四つ折り」です。このほか、吸水性を高める「三角折り」もよく使われています。三角形に折った布おむつの上に、四角形に折った別の布おむつを重ねる方法です。
布おむつの必要枚数は、赤ちゃんの月齢でも変わりますが、布おむつは30~40枚、おむつカバーは5枚程度をそろえて、必要に応じて買い足す形がよいでしょう。
布おむつのメリット・デメリットを確認
次に、布おむつのメリット・デメリットについて、紙おむつとの比較も交えながら解説します。
おむつは、布か紙のどちらかしか選べないということはありません。多くの先輩ママたちは、シーン別に上手に使い分けています。無理なく続けられる方法を見つけてみましょう。
布おむつのメリット
布おむつのメリットには、以下の点が挙げられます。
●こまめに替えるため、スキンシップが増える
●赤ちゃんの体調をチェックしやすい
●肌に優しく、肌触りがよい
●繰り返し使えて経済的
●ゴミの量を減らせる
●おむつを買いに行く手間が省ける
布おむつは、紙おむつに比べておしっこを吸収するのに時間がかかるため、おしっこをした赤ちゃんは不快感を覚えます。また、繰り返し吸収するのは難しいため、都度おむつを替える必要があります。そのため、紙おむつよりもおむつ替えの回数が増えることから、赤ちゃんとのスキンシップが増えたり、こまめに体調をチェックしたりすることができます。
さらに、おむつカバーはデザインが豊富なため、ママ好みのおしゃれなものを探せる点も魅力です。
布おむつのデメリット
デメリットとしては、次のことを留意してみましょう。
●おむつ交換の頻度が高い
●洗濯の回数や手間(洗う・干す・畳む・収納)が増える
●洗濯のためのコスト(電気代・水道代)も増える
●外出時、荷物がかさばる
布おむつは、育児の手ごたえを実感できる反面、やはり洗濯の負担が大きいことも事実です。ママの体調が悪かったり気持ちに余裕がなかったりするとき、あるいは外出時などは負担になることもあるため、別の手段を取るのも一つの方法です。
紙おむつとの併用はもちろん、布おむつの洗濯・乾燥作業を代行してくれる「レンタルサービス」もあります。状況に応じて臨機応変に使い分けることで、負担を軽減するとよいでしょう。
紙おむつと比較しよう
紙おむつは使い捨てなので、布おむつと比べて洗濯の手間がグッと軽減されます。吸収力・保水力が高いため、おむつ替えの回数も少なく済みます。コンパクトで持ち歩きに便利な点も魅力です。その反面で、購入費用がかかる、収納がかさばる、ゴミの悪臭や量、肌が弱い赤ちゃんにはかぶれの原因となるなどのデメリットがあります。
特に、費用に関しては、布おむつよりもはるかに高額です。3歳までおむつを使った場合で計算すると、布おむつは2万円以内なのに対し、紙おむつは20万円以上にもなるといわれています。10倍以上もの差は、かなりの経済的な負担といえるでしょう。
汚れた布おむつの洗い方
布おむつの洗濯方法にも正解はなく、まさに人それぞれです。以降では基本の手順を説明していきますが、自分なりにアレンジを加え、より衛生的で効率のよい方法を探してみましょう。
予洗いを行う
最初に予洗いをするため、以下の道具をそろえます。
●「洗う用」バケツと「漬け置き用」バケツ(ふた付きが便利)
●ゴム手袋
●小さな洗濯板(100円ショップで入手可能)
●洗濯洗剤
●重曹またはセスキ炭酸ソーダ
おしっこの場合は、水で軽く洗い流した後、重曹かセスキ炭酸ソーダをお湯に溶かした「漬け置き用バケツ」に2時間~半日ほど浸します。
うんちは、硬さによって方法が違うので注意しましょう。硬いうんちの場合は、まずトイレにうんちを流します。ゆるゆるうんちなら、トイレットペーパーで拭き取っておきます。その後は「洗う用」バケツにお湯を入れ、おむつを揺らしてうんちを振り落とすします。
バケツの水をトイレに流し、おむつの汚れた部分に洗剤を付けてもみ洗いという手順です。洗濯するまで、重曹などを溶かした「漬け置き用バケツ」に浸しておきます。防水加工済みのおむつカバーは、加工が取れる恐れがあるため、漬け置きはNGです。
漬け置き後に洗濯機へ
漬け置き後は、まとめて洗濯機で洗います。布おむつは、洗濯ネットに入れて洗うと生地の傷みが抑えられます。特におむつカバーは、テープやホックを留めてから洗濯ネットに入れることで、ゴミの付着による粘着力低下が予防できます。
洗濯後は、1枚ずつきちんと広げて干します。おむつカバーは、テープやホックを留めた状態で裏返して干しましょう。
布おむつのおすすめ商品
最後は布おむつ・おむつカバーのおすすすめをそれぞれ紹介します。
布おむつは、丈夫さ・肌触りのよさ・コスパのよさの他、洗濯のしやすさも大切なポイントです。おむつカバーは漏れにくいこと、肌触りやフィット感といった履き心地、さらにはおしゃれなデザインも楽しみましょう。
メイドインアース 「折り伏せ縫いのベビー布おむつ【5枚セット】」
「折り伏せ縫い」とは、縫い代を内側に包み込んで処理をする縫い方です。縫い目が丈夫なので、洗濯回数が多い布おむつにも向いています。
ソフトな肌触りで吸水性も抜群のドビー織生地は、オーガニックコットン100%です。ナチュラルな風合いが、デリケートな赤ちゃんの肌を優しく包んでくれます。
商品名:メイドインアース 折り伏せ縫いのベビー布おむつ【5枚セット】
村信「新生児用 成形おむつ&おむつネットお試しセット」
成形おむつ3枚と、おむつネット2枚のセットです。「成形おむつ」の給水量は約80ccで、2枚組み合わせることで、新生児から6カ月ごろまでのおしっこの回数が多い時期に活躍します。
「おむつネット」は、おむつライナーと同様に布おむつの上に重ねて使います。表面が網目状になっており、水分を通すことで表面をサラサラに保ち、おむつかぶれやムレを軽減するアイテムです。
村信のおむつは、速乾性の高いポリエステルが使われているため乾きが速く、洗って何度でも使えるので経済的なのもポイントです。
商品名:村信 新生児用 成形おむつ&おむつネットお試しセット
chuckle BABY「ウールネルおむつカバー内ベルトタイプ」
シンプルなワンポイントデザインがかわいらしい、おむつカバーです。「内ベルト」タイプで、布おむつをしっかり固定します。赤ちゃんがずりばいなど活発に動き回るようになっても、ずれが少なく安心です。
ウール100%の生地は冬のイメージが強いものの、実際は天然素材のため夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる特性を持ちます。抜群の通気性とフェルトのような滑らかな風合いで、赤ちゃんもご機嫌に過ごせるでしょう。
厚手の生地を2枚重ねにしていたり、サイドのギャザーは立体構造だったりと、漏れを防ぐ工夫もしっかりされています。
商品名:chuckle BABY ウールネルおむつカバー内ベルトタイプ
Mornyray「ベビークロスおむつカバー」
カラフルでファンシーなデザインがかわいい、おむつカバー4枚セットです。フォト撮影にもバッチリ映えるでしょう。ウエストと股下部分のスナップボタンは調整が可能なので、赤ちゃんの成長に合わせて、SからXLサイズまで長い期間活用できます。
3層の防水構造が漏れをガードするとともに、サラッした表面をキープしやすいつくりです。おむつかぶれなどを軽減できるでしょう。携帯に便利な防水加工の収納袋も付いており、お出かけ時にも最適です。
商品名:Mornyray おむつカバー
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com