「印度尼西亜」の意味や読み方とは?
「印度尼西亜」は、東南アジアに位置するある国を、漢字表記にしたものです。まずは「印度尼西亜」の読み方から見ていきましょう。
■読み方と意味
「印度尼西亜」は何と読むのでしょうか。「印」「度」「尼」「西」「亜」、それぞれの漢字の発音を繋ぎ合わせると、「インドネシア」という言葉が浮かんでくるのではないでしょうか。「印度尼西亜」は「インドネシア」と読みます。
まるでクイズのようですが、このように、通常はカタカナで表記される国名を、漢字で表すことがあります。漢字で表記された国名は、「印度尼西亜」のように、なんとなく推測できるものが多いのですが、中には、「哀提伯」や「諾威」など、どうにもこうにも読めない国名も。「哀提伯」はアフリカ大陸にあるエチオピア、「諾威」は北欧のノルウェーを指します。
インドネシアを表す「印度尼西亜」という漢字に、意味はあるのでしょうか。実はこの「印度尼西亜」という漢字自体に、インドネシアを表す特徴や意味は含まれていません。「印度尼西亜」は、発音重視で漢字を当てはめた、当て字の表記なのです。
なぜ国名に漢字表記があるの?
国名には、カタカナや英語が使われることが一般的ですが、なぜ国名の漢字表記があるのでしょうか。その理由は大陸から文化が伝わった歴史に関係します。
昔、他の国や地域の文化は、大陸経由で日本に入ってきました。外来語も、中国で漢文にされたものが日本へと伝わったものです。中国で外来語は、その音を頼りに当て字が使われていました。
こうした理由から、日本でも、西欧の国名・地名などの外来語を、漢字表記するようになったという経緯があります。また、国名だけではなく、都市名にも漢字表記があります。フランスの「巴里(パリ)」、イギリスの「倫敦(ロンドン)」などは、目にしたことがあるのではないでしょうか。
また、「米国(アメリカ)」を「米」、「英国(イギリス)」を「英」、「独逸(ドイツ)」を「独」など、国を漢字一文字で表わすこともあります。その場合、「印度尼西亜」はどのように表されるのでしょうか。
単純に考えると、「印」という字が浮かんできますが、実はインドネシアを漢字一文字で表す際に、「印」という漢字は使うことができません。なぜなら、インドの漢字表記が「印度」のため、「印」を使うと重複してしまうからです。そこで、インドネシアを表す際は、「印度尼西亜」の「印」ではなく「尼」の字が使われるのです。これは、仏教の尼とは何の関係もありません。この「尼」の字にはインドネシアを表す特徴はなく、ただ単に「印度尼西亜」の当て字の中の一文字を使ったものです。
「印度尼西亜」とはどんな国?
インドネシアがどんな国かも、学んでおきましょう。
東南アジアにあるインドネシア共和国(Republic of Indonesia)は、日本の約5倍の面積を持ち、赤道をまたいだ約14,000以上の島々からなる島嶼国家です。アジア大陸東南端のマレー半島と、インドネシアのスマトラ島を隔てるマラッカ海峡は、古くから海上交通・交易の要所として重要視されていました。1600年代からは300年以上に渡り、オランダの植民地としての支配が続いていましたが、現在では大統領制、共和制の独立国家です。
よく耳にするジャワ島、スマトラ島などは、インドネシアの代表的な島で、首都はジャワ島にあるジャカルタ。民族の大半がマレー系で、宗教はイスラム教が85%以上を占めています。
観光面では、世界的なリゾート地であるバリ島が、日本でもよく知られています。また、ジャワ島には、アンコール・ワットと並ぶ仏教遺跡で、世界文化遺産のひとつ「ボロブドゥール寺院遺跡群」があり、その規模と構造の特異性は、多くの旅人を魅了しています。
通貨はルピア(Rupiah)で、主要な観光地の銀行や両替所、ホテルなどでは、日本円から直接ルピアへ両替できます。
他の国の漢字表記をまとめて紹介
以下では、「印度尼西亜」以外の国名の漢字一文字表記を紹介します。簡単に想像ができるものから、難解なものまでをリストアップしました。
ニュージーランド
ニュージーランドは漢字で、「新西蘭」と表記されます。これは、中国語由来の表記です。また、ニュージーランドを漢字一文字で表すと「新」となります。
ニュージーランドの漢字表記に関しては、一文字で表すと「乳」になりかけた経緯があります。過去に、在日ニュージーランド大使が、自国に親しみを持ってもらう意図で、漢字一文字を一般公募したことがありました。その時に選ばれたのが「乳」です。読み方も合致していて、「ニュー」が「乳(にゅう)」ということでしたが、様々な事情から公式のものとはならなかったようです。