こんにちは、editor_kaoです。
先日、久しぶりに京都出張に行ってきました。たくさんの職人さんやお店を取材してきたのですが、さすがは京都。素敵なデザインの名刺をいただいて、紙の種類やフォントの多様さに、思わず感心してしまいました。
というのは、私がつい最近、新しい名刺をつくる機会(厳密には必要に迫られただけ)があり、デザインに、とても迷ったからなのです。
自分を表現する名刺って、どんなデザインだろう?
準備期間がきちんとあればよかったけど、そこは私のルーズさが影響して、必要な日まで、数日しか猶予がなく。そこでネットオーダーに頼ることにしたのですが、最低でも100枚は刷るとなると、なかなかに失敗は許されない。サイズは? 紙の種類は? 色は? フォントは? こだわればキリがありません(時間がないのに)。
なかでも、いちばん悩んだのは「名前の大きさ」でした。大きすぎると主張が強いし、かといって小さすぎては意味がない……。果たしてどのくらいがベストバランスなのか、判断がつかなくて。名刺は基本的に「はじめまして」の人に渡すものですから、多少なりとも、人となりが判断されそう。果たして自分は何者なのか、改めて振り返ざるを得ないことになってしまったんです(くどいですが、時間がないのに)。サイトにあるテンプレートは、どれも今ひとつな印象で選べず、かといって誰かに相談できる余裕もないという状況で、大げさですが、何の武器も持たずに、世間にセンスを披露している感じがしたんですよね。
名刺とおしゃれの関係性について、京都で考えてみた
あれ、これって、だれかに会うときの服選びに似ているような。今回の京都出張でも、何を着るべきか、名刺までいかなくとも、それなりに考えました。相手はファッション関係ではないし、私のバックグラウンドなんて、ほどんど知らない方ばかり。そして12月の京都は寒い……。ジャケットを着る必要はないけれど、相手に不快感を与えず、かといって堅苦しすぎず、そして暖かいコーディネート。結局、アウターにきちんと感はマストと、黒のチェスターコートをワードローブの軸にすることにしました。それに合わせて、インには黒とチャコールのニット、そしてグレーとミントグリーンのパンツをチョイス。この4つの組み合わせを替えて、過ごしたんです。どこかに自分らしさも加えたいと、ミントグリーンのパンツを入れたのがポイント。モノトーンは楽だけど、飽きてしまうし、相手のことも考えつつ、自分も納得できる着こなしがいいなと思ったんです。
相手も大事だし自分も大事。おしゃれも名刺も同じでした
ちなみに名刺ですが、こちらも「もらう相手の気持ちを考えないと!」というあたりまえのことに気づき、「シンプルで読みやすいものがいちばん」という結論に至りました。通常サイズの白いマット紙に、黒の明朝体で名前と電話番号、メールアドレスが、そこそこの大きさで入ったデザインに。今の私は、さまざまな業種で働く、幅広い年齢層、そして地域の方と会うことが多い。となると、どんな人が手にしても理解してもらえることが大事だったんです。だから「おしゃれだけど読みづらい」は、最もあり得ないわけです。
とはいっても、少しは“らしさ”も欲しくなり、カッコつけて携帯番号の欄を「Mobile.」とかにしちゃったけど、それは許して。あと、せっかくならリッチにしたいと紙を厚手にして、名刺入れに入りにくくなったのも、反省点……。こうやって人間は、失敗を繰り返して、成長していくんですね(なんの話⁉)。
余談ですが、京都で「もう名刺はいらないと思って、つくってないんです」という方が、別々の場所でふたりいらしたのも驚きでした。「自分の哲学で物事を進めるのが京都人」なんですって! 知らんけど(←とも言ってた)。
【今日のひと手間】
月にもなると、ついニットを選びがちですが、飽きてくるのも事実。そこでタートルニットの上に、春夏に活躍したボーダーカットソーをレイヤードして、新鮮味を出してみました。新しいお買い物をしなくても、着こなしが違って見えるので、おすすめです!
エディター
editor_kao
大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。
イラスト/柿崎こうこ