2年間の不倫を経て結婚…しかし幸せな結婚生活は幻想だった
「よく、不倫からの略奪婚は幸せにならないって聞きますよね。自分は違うって思いたくて結婚しましたが、やっぱりダメでした」
こう話してくれたのは、40歳の真里亞さん(仮名)。以前の職場で取引先だった夫と2年間の不倫の末に、結婚をしました。
「夫は、私のこととは無関係な理由で離婚しました。お子さんの教育や義実家との付き合い方などで前妻と意見が合わず、お子さんが中学校を卒業するタイミングで当時の奥様のほうから離婚を切り出した流れです。彼の離婚後、1年待ってから私と再婚しました。でも夫は再婚直後から家にはほとんどいなくて遊び歩いてばかりだし、最近ではSNSやライブ配信アプリを通じて若い女性と出会って、食事をご馳走したりプレゼントを贈ったりしているみたいです」
夫婦間の話し合いで「子作りはしない」と決めて結婚した真里亞さんは、夫が外で多少の遊びを謳歌することには目を瞑るつもりでいたとのこと。しかし、“多少の火遊び”どころか浮気の常習犯だったことがわずか結婚1年目にしてわかり、今では結婚したことを後悔しているそうです。
常に女性からチヤホヤされていないとダメな夫
「なんで見抜けなかったのかと言われれば、それまでなんですけど…。当時の私は、不倫という特殊な環境にいたせいか、夫と結婚したい一心で、細かいところにまで目が向いていなかったんだと思います。
結婚して分かりましたが、夫は常に女性からチヤホヤされていないとダメな性格で、そのためにはお金もバンバン使うタイプだったんです」
新婚期間だったこともあり、夫に生活態度を改めるよう何度も意見したという真里亞さん。しかし、あるときの話し合いで、夫から衝撃的な言葉が飛び出します。
夫にとって「既婚」はモテるためのブランド
「結婚したばかりなのに、なぜ妻以外の女性を求め続けるのかと私が夫に尋ねたとき、夫から『既婚者であることは、モテるためのブランドだから』と返ってきたんです。これには私も絶句するしかありませんでしたね」
夫いわく「バツイチもまあまあモテるけれど、既婚ブランドにはかなわない」のだそうで「家庭がある男性のほうが、若い女性からモテるんだ」と得意げに説明をされたという真里亞さん。夫が離婚して間もなく、すんなりと真里亞さんと結婚したのは、真里亞さんと幸せな家庭を築くためではなく、自分がモテるためのブランドを手に入れるのが目的だったと悟りました。
「結局、そんなおかしな価値観をもっている男性を選んでしまった以上、考え方を改めてほしいと言っても無意味で…。今は事実上、女性遊びをする夫を黙認する毎日になってしまっています。夫は自営業ですので、お金も時間も自由になりやすく、妻である私が夫の生活を把握するのも難しいのが現状です。
結婚が遅かった私は、やっと親を安心させられたと思ったのに、とんでもない誤算でした。すぐに離婚すると親や親戚を心配させそうなので、もうしばらくは我慢するつもりですが…。このまま夫と一緒にいても幸せになれる可能性は低いとわかっているので、どこかでひとりで生きていく決断をしないといけないなと考えています」
不倫からの略奪婚を願っているときには、相手を見る目も曇ります。そもそも不倫をする男性が、誠実な性格である可能性も低いでしょう。目が曇っていなければ見抜けたかもしれない男性の本性も、不倫という特殊な環境下においては気付きにくいものです。こういった事情も「略奪婚は幸せになれない」と言われる理由のひとつなのかもしれません。
取材・文/並木まき