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「親しき仲にも礼儀あり」の意味とは?
■意味
「親しき仲にも礼儀あり」の意味は、「親しい間柄でも、礼儀を大切にするべきである」という意味のことわざです。仲が良くなり、距離が近くなると、遠慮がなくなり相手を不快にさせる言動をしてしまうことがあります。すると、せっかく良い関係性を築いていたとしても、不仲になってしまうことも。
このように、「親しき仲にも礼儀あり」は、親しくなったとしても、相手への配慮は忘れるべきではないという教訓を含む言葉です。自分への戒めとして、座右の銘にしている方も多いですね。
なお、「親しき仲にも礼儀あり」は、たいていの場合、家族や友達、恋人などに対して使われますが、関係の深くなった職場の先輩や上司、取引先の人などに対しても使うこともあります。ちなみに、「親しき仲にも礼儀あり」は、「仲」を「中」に置き換えて、「親しき中にも礼儀あり」という表現にしても間違いではありません。
■由来
「親しき仲にも礼儀あり」の語源は、はっきりとしたものはないようです。しかし、中国の古典『論語』に、礼儀を払う大切さについて言及した箇所があり、それを由来とする説があります。
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次に、「親しき仲にも礼儀あり」を使った例文を見ていきましょう。
「取引先の方と仲が良くなったが、親しき仲にも礼儀ありという言葉を忘れないようにしたい」
「親しき仲にも礼儀あり」は、自分自身への戒めの言葉としても使うことができます。仕事をしていると、社内外問わず、かかわる方と親密になることは少なくありません。しかし、そんな時こそ、「礼儀を大事にして、良い関係性を保っていきたい」という気持ちをあらわした一文です。
「夫婦であっても、自分の家族の愚痴を言われると不愉快になる。親しき仲にも礼儀ありだよ」
「親しき仲にも礼儀あり」は、他人に対して、注意を促したい時にも使える表現です。この例文は、親しい間柄であっても、相手が嫌がるようなことはしないで欲しいということを伝えています。自分の家族の愚痴を言われて、不快になっているようすがうかがえますね。
「20年以上友人関係を続けてこられたのは、親しき仲にも礼儀ありというように、適度な距離感を保ってきたからだ」
仲の良い相手であっても、踏み込んではいけない領域は少なからずあるでしょう。適度な距離感を保ちながら礼儀を大切にすることが、良好な人間関係を築くポイントだと言っています。
家族や友達、親しき仲だからこその礼儀とは
家族や友達など、距離の近い人だからこそ、緊張感がなくなっていきます。すると、横暴な態度をとってしまったり、自己中心的な言動をしてしまったりするもの。親しい間柄であったとしても、相手のことを思いやった言動が大切でしょう。ここでは、親しき仲だからこそ心がけるべき礼儀について紹介します。
相手に甘えすぎない
親しいからといって、「家族なんだから許してもらえるだろう」「仲が良いから大丈夫だろう」と思って、なりふり構わない行動や発言をしてしまうと、関係性を崩しかねません。家族や友達など、近しい人だからこそ、甘えてしまう気持ちはどうしても出てきますが、適度な距離感を大事にするようにしましょう。
人によって価値観が違うと認識する
生まれた時から一緒に生活している家族であっても、同じ人格ではありません。自分とは異なる考えや価値観を持っていることは当然だと思いましょう。特に、恋人同士であれば価値観の違いで、喧嘩になることもあるはず。そうした際にも、相手の考えを尊重することが、良い関係性を保つ秘訣といえるでしょう。