感謝の気持ちを常に持つ
慣れ親しんだ間柄だからこそ、「ありがとう」の言葉を言わなくなってしまうもの。当たり前のようにしてもらっていることや、当然に思えることに対しても、感謝の気持ちを持つことが大切です。その時にはしっかりと「ありがとう」と言葉にして伝えるようにしましょう。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
続いて、「親しき仲にも礼儀あり」の類語には何があるのかを紹介していきましょう。
親しき中に垣をせよ
「親しき中に垣(かき)をせよ」は、「親しき仲にも礼儀あり」と全く同じ意味のことわざです。「垣」とは、「間を隔てるもの」という意味。親しい間柄であっても、適度な距離を保つことが大切であるということをあらわしているのでしょう。
近しき仲にも垣を結え
「近(ちか)しき仲にも垣を結(ゆ)え」とは、「親しい間柄だからこそ、礼儀を忘れずに接するべき」という意味のことわざです。こちらも「親しき仲にも礼儀あり」と同じ意味といえるでしょう。ちなみに、「近しき仲にも礼儀あり」という言い回しにしても、同じ意味になります。
良い仲も笠を脱げ
「良い仲も笠(かさ)を脱げ」の「笠」とは帽子のこと。親しい仲であっても挨拶する時などには、帽子を脱ぐべきであるということを表現しています。つまり、「親しい仲でも、礼儀を欠くべきではない」という意味です。
「親しき仲にも礼儀あり」の対義語は?
「親しき仲にも礼儀あり」と反対の意味を持つ言葉をいくつかピックアップしました。ことわざのほか、四字熟語も紹介します。
礼も過ぐれば無礼になる
「礼も過(す)ぐれば無礼(ぶれい)になる」は、「礼儀にとらわれすぎると、かえって無礼になってしまう」という意味のことわざです。礼儀をわきまえることは大切ですが、度が過ぎると、相手のご機嫌を取るだけになってしまうことも。結果的に、相手を不快にさせてしまうようすをあらわしています。
慇懃無礼
「慇懃無礼」は「いんぎんぶれい」と読みます。意味は、「表面上では礼儀正しいが、内面では相手を見下しており、無礼であること」です。そもそも「慇懃」とは、「真心がこもっていて、礼儀正しいこと」。「無礼」という反対の意味を持つ言葉を組み合わせてできた四字熟語といえるでしょう。
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「親しき仲にも礼儀あり」の英語表現は?
「親しき仲にも礼儀あり」を英語で言いたい場合には、どのような表現をしたら良いのでしょうか。一つひとつ見ていきましょう。
A hedge between keeps friendship green.
「hedge」は「垣根」、「between」は「間に」という意味です。「A hedge between keeps friendship green.」を直訳すると、「間に垣根があると、生き生きとした友情を保てる」というような意味になるでしょう。つまり、「親しい間柄であっても適度な距離感を保つことが大事である」ということを表現しています。
Good fences make good neighbors.
「fence」は「塀」で、「neighbor」は「隣人」です。この英語を直訳すると、「良い塀が、良い隣人をつくる」という意味になります。こちらも「親しき仲にも礼儀あり」の英語表現として使えるでしょう。
最後に
「親しい間柄でも、礼儀を大切にするべきである」という意味の「親しき仲にも礼儀あり」。日本だけではなく、中国やアメリカでも教訓とされており、この考えは世界共通のようです。家族や友達、恋人などに対して、いま一度「親しき仲にも礼儀あり」という言葉を実践できているか、振り返ってみてはいかがでしょうか。