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【目次】
「親しき仲にも礼儀あり」の意味と由来
■意味
「親しき仲(中)にも礼儀あり」とは、ことわざのひとつ。辞書で意味を確認すると、次のとおり記載されています。
親しき中にも礼儀あり(したしきなかにもれいぎあり)
あまり親しみが過ぎて遠慮がなくなると不和のもとになるから、親しい間柄でも礼儀を重んじるべきであるということ。親しき中に垣をせよ。
自分への戒めとして、座右の銘にしている方も多いですね。
■由来
「親しき仲にも礼儀あり」の語源は、はっきりとしたものはないようです。しかし、中国の古典『論語』に、礼儀を払う大切さについて言及した箇所があり、それを由来とする説があります。
【日常生活編】「親しき仲にも礼儀あり」と感じたエピソードは?
日常で「親しき仲にも礼儀あり」と感じた経験があるか、日本全国100人のワーキングマザーにアンケートを実施してみました。
家族間でも必要
家族とはいえ、何でも許されるわけではないようです。一緒にいる時間が長いからこそ「親しき仲にも礼儀あり」だと感じる場面が多いのかもしれません。家族だからといって甘えすぎずに、相手を思いやって過ごす必要があるでしょう。
「家族だからといって何でも許されると思って、好き勝手すると、心が離れていく」(30代・大阪府)
「家族でも、ありがとうやごめんなさいを言われないとき」(30代・東京都)
「朝起きても無言。いくら家族でも、基本的なあいさつやお礼などはきちんといわなければならないと思った」(40代・神奈川県)
「家族や親しい人に甘えすぎるとうっとおしい」(40代・岐阜県)
言葉遣い
相手の言葉遣いが悪いと不快に感じる人のは、当然のことです。距離が近いからといって、荒い言葉遣いをしないよう気を付けるべきでしょう。反対に、言葉遣いが悪いことを指摘された例もみられました。
「言葉遣いを指摘された」(40代・岡山県)
「仲が良い間柄であっても、グループラインなどでのやり取りでは言葉遣いに気をつけないとみっともないです」(40代・宮崎県)
「言葉遣いが荒くなりがち」(40代・兵庫県)
人の家
仲が良い間柄だとしても、他人の家におじゃまする際は気を付けなければいけないこともたくさんあります。自分の家と同じように過ごしてしまうと、相手は嫌な思いをしてしまうかもしれません。
「友達の家に遊びに行ったときは、何か手土産を持って行く」(40代・神奈川県)
「友人を自宅に招待した時に、勝手にクローゼットの中や冷蔵庫などを開けたときはびっくりした」(40代・東京都)
「勝手に冷蔵庫をあける」(30代・埼玉県)
お礼
見返りを求めているわけではありませんが、やっぱり「ありがとう」の一言があるのとないのとでは、こちらの気持ちも変わってくるもの。小さなことにも「ありがとう」と伝えられるよう、意識しておきたいですね。
「お礼もいわれなくなったとき」(30代・東京都)
「ちゃんとしたお礼やお礼の言葉」(40代・埼玉県)
その他にはこんな意見も
「同じ美容院に通っていると、だんだんと対応が慣れ慣れしくなったり、自分の方が先なのに新規お客を優先したりと扱いが雑になる」(40代・愛知県)
「仲良くなると段々失礼ないじり方する人がいる」(40代・愛知県)
「友達といくら仲が良くても、言って良いことや行動面で気を付ける」(30代・岐阜県)
「スマホを見られたときにそれはダメでしょ…と思った」(30代・北海道)
【仕事編】「親しき仲にも礼儀あり」と感じたエピソードは?
続いては、仕事中に「親しき仲にも礼儀あり」を感じた体験談を紹介します。職場では緊張感を持ちやすいものの、仲の良い同僚にはつい心を許しがち。そうした場面こそ、十分に気をつけておきたいものです。
お礼
仕事に関しても、やはり「お礼」はとても重要です。仕事で助けてあげたのに「ありがとうございます」の一言もないと、次から助ける気が起きなくなってしまいますよね。
「お礼を言わない」(40代・愛知県)
「ご馳走したのに、ひとこともない」(30代・東京都)
「仕事で誰かを助けることもあるが、当たり前のように次から次へとお願いされ、自分が困ったときには知らん顔をされたとき」(30代・兵庫県)
挨拶
仕事に関係なく挨拶はしっかりとしておきたいです。
「挨拶がないこと」(30代・宮崎県)
「挨拶しない人にはイライラする」(30代・埼玉県)
言葉遣い
仕事中にも関わらず、タメ口で話す、言葉遣いが悪いといったケースもみられます。仕事とプライベートはしっかりと分けて対応したいところです。
「会議中などにはため口を使わないこと」(30代・山口県)
「言葉がラフになりがち」(40代・兵庫県)
「塾の生徒の口の利き方が悪いこと」(40代・岡山県)
その他にはこんな意見も
「さすがに言ってはいけないこともある」(30代・北海道)
「家族経営の会社で、どんなミスも『おばあちゃんだから…』、と言って済ませる役員がいた。失敗して迷惑をかけたのなら、謝るべきだと思った」(40代・神奈川県)
「私の服の飾りリボンを、上司がこれ可愛いねと言いながら触って縄跳びのように回したとき」(40代・東京都)
「社長から、仕事と関係ない釣り具の洗浄を依頼された」(40代・福岡県)
「親しき仲にも礼儀あり」使い⽅を例⽂でチェック
言葉の理解を深めるために、「親しき仲にも礼儀あり」を使った例文を見ていきましょう。
「取引先の方と仲が良くなったが、親しき仲にも礼儀ありという言葉を忘れないようにしたい」
「親しき仲にも礼儀あり」は、自分自身への戒めの言葉としても使うことができます。仕事をしていると、社内外問わず、かかわる方と親密になることは少なくありません。しかし、そんな時こそ、「礼儀を大事にして、良い関係性を保っていきたい」という気持ちをあらわした一文です。
「夫婦であっても、自分の家族の愚痴を言われると不愉快になる。親しき仲にも礼儀ありだよ」
「親しき仲にも礼儀あり」は、他人に対して、注意を促したい時にも使える表現です。この例文は、親しい間柄であっても、相手が嫌がるようなことはしないで欲しいということを伝えています。自分の家族の愚痴を言われて、不快になっているようすがうかがえますね。
「20年以上友人関係を続けてこられたのは、親しき仲にも礼儀ありというように、適度な距離感を保ってきたからだ」
仲の良い相手であっても、踏み込んではいけない領域は少なからずあるでしょう。適度な距離感を保ちながら礼儀を大切にすることが、良好な人間関係を築くポイントだと言っています。
家族や友達、親しき仲だからこその礼儀とは
家族や友達など、距離の近い人だからこそ、緊張感がなくなるということは少なくないでしょう。結果、横暴な態度をとってしまったり、自己中心的な言動をしてしまったりするかもしれません。親しい間柄であったとしても、相手のことを思いやった言動が大切です。ここでは、親しき仲だからこそ心がけるべき礼儀について紹介します。
相手に甘えすぎない
親しいからといって、「家族なんだから許してもらえるだろう」「仲が良いから大丈夫だろう」と思って、なりふり構わない行動や発言をしてしまうと、関係性を崩しかねません。家族や友達など、近しい人だからこそ、甘えてしまう気持ちはどうしても出てきますが、適度な距離感を大事にするようにしましょう。
人によって価値観が違うと認識する
例えば生まれた時から一緒に生活している家族であっても、同じ人格ではありません。自分とは異なる考えや価値観を持っていることは当然だと思いましょう。特に、恋人同士であれば価値観の違いで、喧嘩になることもあるはず。そうした際にも、相手の考えを尊重することが、良い関係性を保つ秘訣といえるでしょう。