勿忘草ってどんな花?
勿忘草は春から初夏にかけて咲く花で、清楚な姿はナチュラルガーデンによく合います。
「勿忘草ってなんて読むの?」「名前は聞いたことがあるけれど、詳しくは知らない」という人もいるかもしれません。植物としての性質や名前の読み方、花にまつわる切ない恋物語を紹介します。
植物としての特徴
勿忘草は、花の中心に黄色や白色が入った爽やかなブルーが印象的な花です。3〜6月の間に、5枚の花弁を持った小花をいくつも付け、群生しているとより花の色が引き立ちます。
ムラサキ科・ワスレナグサ属に分類され、花が大きめの鮮やかな品種や、白やピンクの花を咲かせる種類もあります。ヨーロッパ原産の多年草で、寒冷な地域では2年以上枯れずに毎年花を付けますが、暑さや多湿に弱く、日本の夏は越せません。そのため、花屋では一年草として売られています。
名前の由来と花言葉
勿忘草の「勿」は「してはいけない」を意味し、「わすれなぐさ」と読みます。英名「forget me not」、同じ意味のドイツ語名「Vergissmeinnicht」の訳が、そのまま日本名になりました。
名前の由来は、中世ドイツを舞台にした悲恋伝説が有名です。ある青年騎士が恋人のために青い花を摘もうとしてドナウ川に落ち、死ぬ前に恋人に花を投げ「私を忘れないで」と叫びました。その言葉が花の名前と花言葉になったそうです。
また、ヨーロッパでは誠実な気持ちや友情を表わす花とされ、「私を忘れないで」「真実の友情」という花言葉もあります。
さまざまなシーンで見かける勿忘草
勿忘草は昔から人気があり、美しいブルーの比喩表現や特別な絆を表す贈り物として、さまざまなシーンで使われてきました。
生活の中で楽しみやすい代表例として、勿忘草の花から取った色の名前と、誕生花を紹介します。
色の名前「勿忘草色」
勿忘草の花から名付けられた「勿忘草色」は、透明感のある明るい空色です。目を引くきれいなブルーは服や小物に取り入れやすく、身に着けるだけで気分が明るくなります。
コーディネートするなら、明るい黄色の「菜の花色」が似合います。春、一面に咲く菜の花と晴れ渡った青空のように、元気で爽やかな組み合わせです。
また、対照的な紅色系ともよく合い、淡い桃色と合わせればかわいらしく、赤紫がかった牡丹色と合わせれば大人っぽさを演出できます。