ラベンダーとは
ラベンダーはさまざまな商品に使われており、私たちの生活に身近なお花のひとつです。しかし、具体的にどのような特徴をもつ植物なのかよく知らない人もいるのではないでしょうか。まずは、ラベンダーの特徴や種類を紹介します。

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「ハーブの女王」と呼ばれる
ラベンダーはハーブの代表的なひとつで、「ハーブの女王」と呼ばれています。鮮やかで愛らしいイメージの紫色の花と、優しいフローラルな香りが特徴です。ラベンダーの香りはリラックスできるとされ、アロマオイルや芳香剤などさまざまな用途に使われています。緊張を和らげ安らぎをもたらすと言われることから、安眠グッズなどとしても人気です。
ラベンダーの起源は古く、古代エジプトやギリシャなどで薬として使われていたとされています。日本では、昭和初期に北海道で香料の原料として栽培が始まりました。
ラベンダーの代表的な種類
ラベンダーは、大きく5つの系統に分類されます。
イングリッシュラベンダーなど日本でよく見られるものは、「アングスティフォリア系」です。フランスのプロヴァンス地方が原産で、寒さに強く暑さに弱い特徴があります。
改良が加えられた交配種で寒さにも暑さにも強いのが「ラディンバン系」です。淡い紫色が特徴で、ブーケなどに用いられています。
葉に細い切れ込みがあるのが「デンタータ系」で、穏やかな香りが特徴です。
フレンチラベンダーやイタリアンラベンダーなどは「ストエカス系」です。香りがよく、花の先がウサギの耳のようで可愛らしいことでも、人気があります。
ラベンダーの花言葉
ラベンダーには、伝説・香り・効能に由来する複数の花言葉があります。それぞれの花言葉の持つ意味を理解し、知識を深めましょう。

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伝説に由来する花言葉
ヨーロッパの伝説に由来する花言葉に、「あなたを待っています」という言葉があります。その伝説とは、少年に恋をした少女の切なくもロマンチックな話です。
ある内気な少女が少年に恋をしたものの、自分の気持ちを相手に伝えられず相手を思い待ち続けた末、一輪の花になってしまったというものです。その少女の名前が、「ラベンダー」だったといわれています。ひたすら相手を思い待ち続けるという一途さが感じられる言い伝えなので、大切な相手にラベンダーを贈ると喜ばれるでしょう。
香りに由来する花言葉
ラベンダーの包み込むような優しい香りは、心を落ち着かせる働きがあるといわれています。精神の高ぶりが鎮まり、心が穏やかになることから「沈黙」という花言葉があります。「沈黙」という言葉だけを聞くとネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際にはポジティブな意味の花言葉です。
また、「疑い」という花言葉もあります。こちらもポジティブな意味です。ラベンダーが不思議なほど強く、よい香りを放つことからできた花言葉です。リラックスできる香りや色であることから、「優美」という花言葉もあります。
効能に由来する花言葉
「清潔」も花言葉のひとつです。ラベンダーには抗菌や殺菌作用があるとされ、古代ギリシャではラベンダーを入れた水で洗濯をしていました。さらに、室内につるして虫よけとしても活用していたそうです。また、フランスの科学者が実験中にやけどを負った際、ラベンダーの精油で症状が改善したとの言い伝えがあります。繊細な肌に使用されたことから「繊細」という花言葉も存在します。
英語の花言葉
ラベンダーには英語の花言葉もありますが、日本語のものとよく似ています。まずはじめに、「献身的な愛」という意味の「devotion」です。日本語の花言葉である「あなたを待っています」というのも献身的な愛といえるため、同じ意味合いがあるといえるでしょう。なお、ヨーロッパでは、結婚式の日に花嫁がラベンダーを身に付けることが珍しくありません。花嫁が身に着けると幸せになれるとされる「四つのもの」のひとつとして選ばれています。
ほかにも「沈黙」という意味の「silence」や、「疑い」という意味の「distrust」という花言葉もあります。日本語の花言葉の由来同様に、心が落ち着きリラックスできることや強い香りからできたものです。
ラベンダー栽培のポイント
「あなたを待っています」や「優美」「繊細」といった優しい花言葉を持つラベンダーは、家庭でも栽培することができます。自宅できれいな花を咲かせて、見た目の美しさはもちろん、香りや花言葉も楽しみましょう。育て方のポイントを紹介します。

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水やりと肥料のタイミング
ラベンダーは、乾燥した状態を好む植物です。屋外で育てる場合、基本的に水やりの必要はありません。鉢植えで育てる場合は土の表面が乾いてから、たっぷり水をあげます。蒸れる原因になるため、葉には水をかけないようにすることが大切です。
ラベンダーを植え付けるときや植え替えるときには、肥料を土に混ぜ込みます。3~4月の芽が伸び始める時期と、夏を超え再び成長する9月ごろに肥料を与えましょう。
収穫と剪定のタイミング
収穫の時期は、5月下旬から7月上旬ごろです。香りを楽しむためにも、花が咲ききらないうちに収穫するようにしましょう。また、ラベンダーは夏の暑さや湿度が苦手なので、「剪定」をして通気性をよくすることも大切です。
剪定時期は、「3月」「5月下旬から7月上旬」「12月」の年3回ほどです。とくに、梅雨時期は湿度が高くなるため、梅雨前に剪定することを忘れないようにしましょう。
ラベンダーの活用法
ラベンダーは観賞するだけでなく、さまざまな活用法があります。日常生活に手軽に取り入れられる活用法を紹介するので、試してみましょう。

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ドライフラワーやポプリ
香りの強いラベンダーは、ドライフラワーやポプリとして楽しめます。もともと水分が少ないハーブなので、ドライフラワーやポプリにしやすく、初心者でも挑戦しやすい楽しみ方です。ドライフラワーは、摘み取ったラベンダーを風通しのよい日陰に干して乾燥させるだけで、簡単に作ることができます。玄関などに飾れば、出入りする度にいい香りを楽しめるでしょう。
乾燥させた後に花の部分を摘み取れば、ポプリとして活用することも。なかなか寝付けないときに、枕元に置いて安眠グッズとして利用するのもよいでしょう。クローゼットの中に入れれば、衣類にほのかに香りが移ります。ラベンダーの香りを嫌う虫は多いので、防虫対策にも。
ハーブティーやハーブワイン
花穂を使ってハーブティーとして楽しむのもおすすめです。作り方は簡単で、約大さじ1~2杯の花穂に熱湯を注ぎ、2分程度蒸らすだけです。
大さじ1杯の花穂で、3~5カップのハーブティーが作れます。青い色と香りが出てきたときが、飲み頃の目安です。香りや味が強過ぎる場合は、紅茶とブレンドしたり、甘味料を加えたりしてアレンジしましょう。乾燥させた穂積でも作れるので、リラックスしたいときなどにすぐに飲めるよう、常備しておくことも可能です。
好みの白ワインに漬け込んで「ハーブワイン」を作るのもおすすめです。水洗いした後に水気をしっかり拭き取り、花穂までしっかり漬けましょう。2~3日漬け込めば、ほんのりと香る風味豊かなワインに仕上がります。
手作りラベンダーオイル
ラベンダーオイルを作ることも可能です。生・もしくは乾燥させたラベンダーを細かく刻み、オリーブオイルに漬け込みましょう。大切なポイントは、ラベンダーがオイルから出ないように、しっかりと漬け込むことです。お風呂に数滴入れてアロマバスを楽しんだり、芳香剤として活用したりして楽しみましょう。
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