VIO脱毛に関するその疑問に答えます
アンダーヘアの形を整えたり、毛を無くしたりする「VIO脱毛」。VIO脱毛に興味があるけれど、「恥ずかしそう」「どれくらい痛いのか心配」など、気になる点がある人も多いのではないでしょうか。今回はそんな疑問について、医療脱毛にたずさわる医師に質問! 医療脱毛院「リゼクリニック」新宿三丁目院の院長、大地まさ代医師に答えていただきました。
そもそも〝医療脱毛〟って?
Q1:医療脱毛のメリットは?
そもそも〝医療脱毛〟とは何を指すのかご存知ですか? 大地先生によると、医療脱毛はエステサロンでの施術と比べ、「医師が常駐していること」が大きなポイントだと言います。
▲大地まさ代先生
「『医療脱毛』は、医師または医師の監督・指示のもと看護師が行なう脱毛のことを言います。毛を生やすもととなる組織を、医療用レーザー脱毛機を使用して破壊します。組織を破壊する行為自体が『医療行為』にあたるため、脱毛は医療機関でのみ可能です。『医療脱毛』では、常駐する医師が適切に対応 (治療) するため、安心して施術をお受けいただけることもメリットの1つだと思います」(大地先生・以下同)
Q2:病院を選ぶときにチェックすべきポイントは?
大地先生によると、医療脱毛をするために病院を選ぶ際のポイントとして、おもに以下の6つが挙げられるそう。
- 豊富な知識を持つ医師が、患者の病歴や皮膚の状態を問診し、効果的に脱毛ができるかどうか見極めることができる
- 医師が患者の状態に応じて、脱毛する上でのリスクなどを詳しく解説しているか
- 皮膚トラブルが発生した際の治療やアフターケアが適切に行われるか
- ホームページなどで、施術をする看護師の脱毛技術を磨くための研修体制などが明確に示されているか
- 痛みへの配慮がきめ細やかに行えるか
- コンシェルジュが親身に脱毛プランの相談や予約方法の説明を行い、患者の不安を徹底的に取り除けるか
「医療機関による医療脱毛だとしても、医師によるリスク説明や診察が不充分であったり、施術をする看護師の技術が未熟であったりするなど、本来の脱毛効果が得られない場合があります。また、それにより患者さまは大きな不安を抱いてしまうこともあります。施術の効果をより高くするためには、患者さまと我々スタッフとの信頼関係がとても大切だと考えています。
そのため、『脱毛場所』を選ぶ際は脱毛の技術や効果が高いことはもちろん、患者さまが抱える思いに寄り添ったホスピタリティを提供しているか、あらゆる面で患者さまにご満足いただける環境を整えているかが大切だと思います。これができているからこそ、本当の意味での『正しい脱毛』だと私たちは考えます」
Q3:医療脱毛で使われる機械について、それぞれのメリット・デメリットは?
医療脱毛の中でも使われる機械の種類はさまざま。「当院では4種類の医療レーザー脱毛機を完備しています」と大地先生。施術効率と脱毛効果を重視し、施術部位によってこの4種を使い分けているそうです。また、医療レーザー脱毛機にはおもに「蓄熱式」と「熱破壊式」の2つのタイプがあり、それぞれ次のような特徴があります。
1. 蓄熱式
・毛の幹細胞を作る場所 (バルジ領域) を破壊する
・照射日より約3~4週間後に毛が抜け落ちる
2. 熱破壊式
・毛母細胞という毛の元になる場所を破壊する
・照射直後~2、3週間の間に毛が抜け落ちる
蓄熱式は気がついたら毛が抜けているという感じ方のため、毛の抜け具合が目に見えてわかる熱破壊式に比べると、効果を実感しにくい人が多いそう。しかし最終的な脱毛効果はどちらも変わらないとのこと。
▲VIO脱毛などで使用される機械 ヤグレーザー
また、どの脱毛機を使用しても痛みは感じるというのはデメリットと言えます。VIO脱毛の際の痛みの感じ方についてはQ6で質問しているので、そちらもあわせてご確認を。
VIO脱毛は痛い?恥ずかしい?その疑問にお答え!
Q4:VIO脱毛のメリットは?
VIOを脱毛することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。大地先生は以下の6つを挙げてくださいました。
- 自己処理からの解放
- デザイン脱毛でおしゃれを楽しむ
- VIOゾーンを清潔に保つ
- VIOゾーンのニオイを軽減
- 妊活脱毛 (妊娠前脱毛)
- 介護脱毛
1. 自己処理からの解放
「自己処理をしている限り、毛はずっと生え続けます。自己処理を頻繁にすると、だんだん肌がかたくなったり黒ずみの原因にもなりやすいので、なるべく早めの時期に、医療機関などでの脱毛をすることを考えてみるのがよいと思います。プロの手に任せて脱毛をする際の最大のメリットは自己処理が楽になり、美肌が期待できるということです。脱毛をして自己処理の頻度が少なくなるだけで、自己処理で黒ずんでしまった肌も少しずつ元の肌色に戻り、肌の状態もよくなります」
2. デザイン脱毛でおしゃれを楽しむ
「完全に脱毛を行うことはもちろん、患者さま1人1人の要望に合わせ、『薄くする (毛量・密度を減らす) 』『形を整える』などのデザイン脱毛を行っております。アンダーヘアの毛を気にすることなく、水着などのおしゃれを楽しむことができます」
3. VIOゾーンを清潔に保つ
「汗や生理時の出血などで非常に蒸れやすくデリケートな部位であるVIOゾーンは、常に下着も身につけているため、他の部位に比べ非常に雑菌が繁殖しやすくなっている部位でもあります。雑菌の温床となる毛の処理を行うことで、デリケートなVIOゾーンを清潔に保ちやすくなります」
4. VIOゾーンのニオイを軽減
「VIOゾーンは非常に雑菌が繁殖しやすく、この繁殖した雑菌から気になるニオイが発生します。毛の処理を行うことで雑菌の温床をなくし、通気性も高まることでVIOゾーンのニオイを軽減することが期待できます」
5. 妊活脱毛 (妊娠前脱毛)
「近年、出産を希望する女性の中で、将来の妊娠・出産に備えてアンダーヘアの毛をなくす人が増えています。妊娠をすると何度も産婦人科に通って陰部を見せる必要があったり、出産後の会陰 (えいん) 切開や、産後の出血『悪露 (おろ) 』と呼ばれる生理のような出血が1か月ほど続くなど、陰毛があるとなにかとやっかいなことも。
陰部の傷口の炎症対策・長時間のナプキン使用によるかぶれや菌の増殖を防ぐなど母体にかかる負担を少しでも軽減するため、それらを回避しようと、妊娠の前にアンダーヘアの脱毛をする方もいます (妊娠中や授乳中は専門機関での脱毛ができません) 」
6. 介護脱毛
「近年の最新脱毛トレンドとして注目を浴びているのが『介護脱毛』です。『介護脱毛』とは、将来自分が介護される立場になったことを想定し、その準備としてあらかじめデリケートゾーンの脱毛を行うことを指します。(1) 陰部の炎症や感染症を防ぐ (2) オムツ交換の際のニオイを軽減 (3) 介護者の清拭が楽になる などのメリットがあります」
Q5:VIO脱毛は恥ずかしいと感じてしまう……施術はどのように行われる?
VIO脱毛に興味があっても、恥ずかしそうに感じて二の足を踏む人も多いよう。VIOへの施術はどのように行われるのか質問しました。
「デリケートな部分のため見られるのが恥ずかしいと思われる患者さまもはじめはいらっしゃいます。施術を行なうのは医療従事者なので、ご来院されると皆さま安心されますし、施術の回数を重ねるうちにだんだんと慣れていく方ばかりです。
また、当院ではVIO脱毛の施術を受ける患者さまに対し、女性スタッフ対応、完全個室、タオルガウン着用などの配慮を徹底しています。施術中は下着を脱いだ状態で腰にタオルガウンを巻いていただき、照射時には少しでも露出を減らし、必要な部分のみ見えるよう、都度ガウンをめくって照射いたします。患者さまにリラックスして施術を受けていただけるよう取り組んでおります」
▲施術部屋
Q6:VIO脱毛は痛いと聞くけれど……どんな痛み?
VIO脱毛をやりたいと思ったけれど、「痛い」と聞いて躊躇しているという人もいるのではないでしょうか。実際のところどのような痛みなのか教えていただきました。
「医療レーザー脱毛機には様々な機種があり、そのレーザーの種類と波長、照射面積、冷却 (熱傷対策) 方法、照射方法などは様々です。『リゼクリニック』ではすべての患者さまのあらゆる毛質に対応するため、おもに4機種のレーザー脱毛機を導入しており、施術効率と脱毛効果を重視して施術部位により使い分けをしています。
痛みの感じ方には、照射部位や毛の密度や太さ、また皮膚の状態や体調、使用する医療機器で差がありますが、『熱い飲み物の入ったマグカップを当てたような痛み』であったり『ゴムで弾かれたような痛み』と表現されることが多いです。施術のたびに毛の量は減り、毛の密度や濃さは低下するので痛みも軽減される傾向にあります。慣れてしまえば、施術中に眠ってしまう方もいらっしゃいます」
Q7:VIO脱毛のデザインの種類は? 人気の形は?
「当院では、VIO脱毛時、『無毛』はもちろん『逆三角形』や『I型』など、様々なデザインのご希望にも対応が可能です」
参考/リゼクリニック公式ホームページより「人気デザイン一覧」
そして、今年3月に実際に医療脱毛で来院中の患者を対象に行われたアンケートでは、女性が希望しているアンダーヘアのデザインの人気トップ3は
1位:無毛型 (ハイジニーナ) 2位:逆三角形 3位:自然に整える
という結果に。
【質問】希望しているアンダーヘアのデザインを教えてください。 (単一回答)医療脱毛中の男女310名に聞く!【医療脱毛に関するアンケート調査】
(医療脱毛専門院『リゼクリニック』調べ)
Q8:VIO脱毛は平均何回くらいかかる?
もちろん個人差はありますが、VIOの脱毛は平均して何回くらいで終了するものなのでしょうか。
「アンダーヘア脱毛は、5回ほどの通院・照射で満足される方が多いです。Vラインはお好みのデザインによって変えられるので、患者さまの希望によって照射回数が変わってきます。1、2回目は全体の毛量・密度を減らすために全体に照射を。3回目以降は無くしたい部分を照射し、5回かけて理想の形に近づけていきます」
Q9:脱毛後のケアで大切なことは?
「レーザー照射後の敏感な肌は、水分量が減り乾燥しがちになるので保湿が必要です。また、普段の肌のコンディションと、脱毛後の肌のコンディションをどれだけいい状態に保てるかがとても大切です。日常のケアとアフターケアにおいて、特に大事なのが保湿です。肌が乾燥していると、カミソリ負けしたり、脱毛したとき肌トラブルが起きやすくなってしまいます。効果的に脱毛する上でも、ご自身の肌にあったクリームやワセリンなどできちんと保湿をするようにしましょう」
Q10:施術を受けたあと、自己処理はしていいものなのでしょうか
「毛は照射後、通常2~3週間で自然に抜け落ちますが、抜け落ちるまでの期間、毛がどうしても気になる際はお肌に優しい電動シェーバーなどで剃っていただいてもかまいません。ただし、毛抜きで抜いてしまうと次回の照射後の効果が充分に得られない可能性がありますので、お控えください。」
繰り返すセルフでの処理が面倒、それによる肌荒れが心配、蒸れやニオイが気になるといったときに、より快適さを得られるメリットがあるVIO脱毛。一方で、施術には必ず痛みが伴う、肌トラブルなどが起きる可能性がある、脱毛前の状態には戻せないなどのリスクやデメリットも。VIO脱毛が気になっている人は、長所・短所の両方についてそれぞれチェックしてみてください。
教えてくれたのは……
大地まさ代 先生
近畿大学医学部卒業後、近畿大学病院呼吸器・アレルギー内科勤務。1992年に入都し、東京都福祉保健局疾病対策課長、港区保健所長などを歴任。2015年より全国で24院展開する医療脱毛専門院『リゼクリニック』の新宿三丁目院 院長に就任。30年以上、医師として培ってきた経験を持ち、セラピストやコスメマイスターなどの資格も持つ、美容のプロ。