【目次】
目の疲れが起きる原因は!?
仕事中や子どもの寝かしつけ後に、暗い寝室でスマホを見ていると、目がしょぼしょぼしたり、ぼやけて見えることはありませんか? 大したことないと油断しがちな「目の疲れ」ですが、放置すると目頭痛や肩こりなどの不調を引き起こすこともあるので注意が必要です。
原因1:パソコンやスマートフォンの長時間使用
「パソコンによるデスクワークや、スマートフォンを長時間見続けるなど、近くのものを見続けることで目の疲れが起きます。これは、目のピント調節を行っている毛様体筋が緊張し、疲弊することが原因。毛様体筋は、遠くを見ると緊張が緩み、パソコンなど近くのものを見ると緊張した状態が続くため、目が疲れてしまうのです。この、パソコンなどのディスプレイを長時間見続けることで起きる目の疲れは「VDT(Visual Display Terminal)症候群」という病気の症状のひとつでもあります」(小島隆司先生 以下同)
※VDT症候群とは、ディスプレイを長時間見ることにより眼精疲労や首肩、腰等の痛み、さらには不眠や抑うつ状態等の精神症状を引き起こす病気のこと。
原因2:度数の合わないメガネやコンタクトの使用
「メガネやコンタクトの度数が合っていないと無理に目のピントを合わせようとするため、毛様体筋が疲弊し目が疲れてしまいます。メガネやコンタクトを使用し始めた時には度数が合っていても、年月を重ねると視力も変化したり、気づかないうちに度数が合わなくなっていることも。気になった時には眼科を受診し、自分に合っているものを使用するようにしてください」
原因3:目のかわき(ドライアイ)
「目のかわき(ドライアイ)はパソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けることでまばたきの回数が減ったり、エアコンで乾燥した室内に長時間滞在したりして目が乾燥することで起こります。また、湿度の低い冬や、強風時に外にいるときなども起きやすいです」
【PCやスマホ使用時の注意点】
1:こまめに休憩をとる
「同じ姿勢のまま長時間パソコンやスマホ作業を続けると、目のピント調節機能が徐々に低下し目が疲れてしまいます。1時間ごとに約15分は休憩を取り、目を休めましょう。休憩時間には、スマートフォンなどを見ないようにし、ツボ押しや眼球体操をして目の疲れをほぐすことがおすすめです」
2:パソコンやスマートフォンと適正な距離を保つ
「パソコンを使用するときは、画面との距離は40cm以上、スマートフォンの場合も、目から画面までの距離を30㎝以上は離しましょう。画面を見上げる姿勢はドライアイの原因になるので、顔よりも下の位置で見るようにしてください」
3:室内やディスプレイの明るさを調整する
「パソコンやスマートフォンを使うときは室内の灯りを見直すなどして、ディスプレイの明るさと室内の明るさの差が少なくなるようにしましょう。ディスプレイの明るさを周りの明るさと合わせて調整することで、目にかかる負担を大きく軽減することもできます。また、外の光がパソコンのモニターに映りこまないように位置を変えたり、カーテンなどで遮光したりして見えやすい状態にするのもよいでしょう」
ディスプレイが明るいほうが目の負担が少ないと考えている人も多いですが、部屋の明るさに合わせることが大切だそう。購入時に明るさが最大限になっていることもあるので、気になる方は「明るさ調整」を確認してみてください。次回は、疲れ目におすすめの「ツボ」について教えていただきます!
目のかわきやドライアイにおすすめの目薬
コンタクトを装着したまま、快適に生活できるよう角膜の修復などを助ける働きのある栄養成分タウリンや、涙にも含まれているブドウ糖を配合。エネルギー源となるブドウ糖は、目の新陳代謝を促進し、疲れ目を改善してくれる。千寿製薬 NewマイティアCL クールHi【第3類医薬品】15mL ¥660
出典/mytear style
眼科医
小島隆司
医学博士、眼科専門医、専門研修指導医。眼表面の専門医で、角膜、屈折矯正手術および白内障手術を数多く執刀。特にドライアイ研究においては日本の第一人者。患者さんの視機能の向上に役に立てるようにと日々考え、対話を大切に日々診察にあたっている。また眼科学分野の発展を目指し、現在も慶應義塾大学で基礎研究および臨床研究を進めている。