股関節が硬くなる原因とは
通常、股関節は長時間悪い姿勢で座っていたり、運動不足だったり、正しい歩き方ができていないとで硬くなってしまうと言われています。
例えば座るときに猫背になっていたり背もたれに寄りかかったりする姿勢が続いていませんか? 階段を避けてエスカレーターやエレベーターに頼り切っており、慢性的な運動不足になっていませんか? 片側に重い荷物を持った状態で長く歩くことはありませんか?
このような悪姿勢や運動不足、歩行のクセにより、股関節の筋肉が硬くなったり可動域が狭くなったりしやすいのだそうです。
股関節が硬いとどんなデメリットがある?
股関節が硬くなったまま放置してしまうと、姿勢が悪くなってしまったり、腰痛が発生したり、ケガを誘発してしまったりといったデメリットが考えられます。
血流が滞り、代謝が悪くなりむくみや冷えにつながる可能性も。美や健康に気をつけたい人にとって、股関節を硬いまま放置するというのは、望ましい状態とは言えないでしょう。
股関節を柔らかくするメリットは何?
運動能力の低下を防ぐ
股関節をストレッチし可動域を増やすことで、運動能力の低下を防ぐことができると言われています。
光伸メディカルクリニック院長、整形外科医の中村先生によると、長年のデスクワークによりコリで硬くなっている人は、若いころと同じように過ごしているつもりでも、日々の運動量が減少する傾向にあるのだそう。
「歩く、しゃがむ、伸び上がる、といった日常動作は、全身の筋肉を使います。ところがコリで硬くなっていたり、姿勢の悪い人は、全身をバランスよく使うことができずに運動能力が低下してしまうのです」(中村先生)
コリや姿勢の悪さで運動能力が低下するのは、股関節だけではありません。
たとえば、立ってスマホを見るとき、猫背になって首や肩が前に落ちた姿勢に。すると上半身の傾きをカバーするため、下半身のひざが曲がり、骨盤が後ろに倒れるという立ち姿になります。骨盤が後傾すると、歩くときに足を強く蹴り出すことができなくなり、歩幅の狭い弱々しい歩き方になってしまうのだそう。
そんな生活を続けていると筋肉の量が落ちて太りやすくなり、体力が落ちて疲労も抜けにくくなってしまうのだとか。結果的に動く気力が低下して、ますます運動不足になってしまうという悪循環に陥ると言います。
「まずは、1日の終わりにストレッチを取り入れて、コリやゆがみを翌日に持ち越さないようにしましょう。体がほぐれると血のめぐりがよくなるし、質のよい睡眠を得やすくなります。しっかりと心身の修復が行われ、翌日に疲労が残りにくいというメリットも。朝から元気で活動的に動ける、軽やかな体になれますよ」(中村先生)
代謝がよくなる
一般的に、股関節は骨盤にも大きく影響すると言われています。股関節が硬いと骨盤に歪みが生じやすくなる可能性があるのだそう。
しかし股関節を柔らかくして骨盤が整えば、姿勢も整いやすくなるのだとか。
カイロプラクター姿勢教育指導士の碓田紗由里さんによると、姿勢がよくなると全身の筋肉がうまく使われ、代謝が上がり痩せやすい体質になると言います。
「姿勢をよくすることによって、全身の筋肉がうまく使われ、代謝が上がります。それだけでダイエットをしているのと同じなんです。逆のことをいうと、姿勢が悪いとやせにくい体質になってしまいます」(碓田さん)
姿勢を正すことも大事ですが、姿勢が崩れる原因と思われることを根本から解決するのも大切ですね。
疲労が除去除去できる
股関節のストレッチだけに限りませんが、寝る前のストレッチは疲労解消にとても効果的だと言われています。
トレーナー&インストラクターの菅原みどりさんによると、精一杯頑張った1日の終わりは、全身をゆるめリラックスさせる時間を持つことが大切なのだそう。
「今日の疲れはその日のうちに解消しておきましょう。夜寝る前のストレッチでは、下半身の筋肉や腰をゆるませるポーズで、たまった疲労をとり去ります」(菅原さん)
腰痛を予防できる
股関節は歩行や立ち座り、荷物を持つときなど、動きの中心として使われる大事な関節と言われています。
股関節がうまく使われていないと、まわりの関節や筋肉が補おうとするため腰に負担がかかり、腰痛になる可能性が高くなるのだそう。
股関節をストレッチし、柔軟性を高めることで股関節の動きがよくなり、腰痛予防にもつながるのだそうです。
初心者でも続けられる股関節ストレッチ6選
立ったままできる! 股関節ほぐし
股関節の柔軟性が高まることで骨盤のゆるみが整い、ぽっこりおなかを解消する効果も見込めます。
1. 手を腰に当てたら背筋をまっすぐ伸ばして立ち、股関節から片脚を持ち上げてひざを曲げる。つま先は上に向けて。
2. 背筋を伸ばしたまま股関節から脚をゆっくり大きく回す。つま先は常に上を向け、軸足の小指に力を入れ足裏でしっかり地面をつかむようにして立つ。3〜5周回したら、反対側の脚も同様に。