出産後の体型戻しはアラフォーママにとって死活問題です。2児の母である筆者も体型を戻すべく、産後すぐから骨盤ベルトを毎日しめたり、ネットで調べた産褥体操をしてみたり、母に息子を託し、自転車を走らせ整体へ骨盤を締めに行ったり、DVDを見ながら産後ヨガにもトライするなど、あらゆることをしました。長男のときは比較的順調に体重が戻ったのですが、次男の産後はそんな時間もなく、忙しさからついほったらかしに…。
出産後はできるだけ早く妊娠前の体型に戻したいという思いは誰にでもあると思いますが、何をすればいいのだろう…と思い悩んでいるママもまた多いはず。今回はカイロプラクターでご自身も2児の母である碓田紗由里さんに、産後ダイエットに効果的な方法を伺いました。
産後ダイエット いつから始めるべき!?
”鼻からスイカ”と例えられるように、出産というのは壮絶なものです。出産直後は動くこともままならず、授乳するのも精一杯。人によっては翌日には立てるようになり、ゆっくりであれば歩くことも可能ですが、ベッドに寝た状態から起き上がるもの激痛で、退院してからもしばらくは思うように動けない…というを生活送るママも多いはずです。
妊娠・出産後、女性の体には大きな変化が起こっている
実際、筆者も出産直後は体のあらゆる箇所が痛み、トイレすら苦痛で、腰だけでなく肩や背中も痛み、本当にボロボロでした。この時期、人によっては足のしびれや恥骨の痛み、股関節の痛みといった症状がでる場合も。もちろん、産後1日目からまったく大丈夫だったという人もいますが、お産がラクだった場合は体に変化が起こっていない?というと、そうではありません。出産が十人十色であるように、産後の経過も千差万別。しかし、すべての産後ママに共通して言えることは、妊娠・出産を通じ、女性の体には骨盤、筋肉、姿勢、ホルモンバランスなど、あらゆるところに通常とはまったく違う変化が起こっている、ということです。
骨盤が開いたままでは、元の体型に戻すことはできません
そうはいっても、特に初産の場合は、慣れない子育てに必死になり、夜中の授乳やミルクで万年寝不足。上の子の赤ちゃん返りも加わるとなおさら大変です。心身ともに疲労し、自分の体のことはおそろかにしがち。そんな中、妊娠・出産を通じて大きく変化した体は、自分1人でケアするのはほぼ無理といってもいいでしょう。しかし、開いてゆがんだ骨盤は、放っておくと体型が戻らない大きな原因に。たとえどれだけ体重を落としたとしても、骨盤が開いたままでは元の体型に戻すことはできません。産後ダイエットの目的は、体重を落とすことよりも、妊娠前の体の状態に戻すこと、育児に必要な体力をつけること。体の状態を戻し、体力をつけることによって、体重も減りやすくなり、産後ダイエットを成功させる近道になるのです。
ダイエットを開始する時期は、一般的には産褥明け(産後21日後)が目安
女性の肥満のきっかけは、40パーセントが妊娠・出産によるものだそう。妊娠中の体重の変化は、平均10キロ〜12キロといわれています。仮に、妊娠中に10キロ増えたとすると、その内訳は、赤ちゃん3キロ、羊水2キロ、子宮1キロ、血液など2キロ。そう考えると、脂肪の増加はたったの2キロなのです。2キロの脂肪は、骨盤のゆがみをとって、体のバランスを整えれば自然と落ちていく程度。無理なダイエットは必要ありません。妊娠中に大幅に体重が増えてしまった人は、特に「早く落とさねば!」と焦りがちですが、体重を落とすだけが目的の短期間の急激なダイエットは、体を壊す原因。無理は禁物です。
産後ダイエットを開始する時期は、一般的には産褥明け(産後21日後)が目安。骨盤は産後1ヶ月〜2ヶ月で整え、体重は6ヶ月以内を目標に戻せればOK。しかし、もともとの体力や産後の経過によってかなり個人差があるので、医師や助産師、まずは自分の体と相談しながら時期は決めましょう。
妊娠・出産は、肥満のきっかけにもなりますが、きちんとケアすれば、体型・体質を変える大きなチャンス。モデルの中には”出産は最大のデトックス”なんて考える人もいるくらいです。こと体型でいうと、『妊娠・出産=太る』というネガディブなイメージが強いですが、出産を終え、ある程度生活が落ち着いたら、自分の体をいたわり、メンテナンスをし、ベストな状態に整えるいいきっかけにしましょう!
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絶対成功する、産後ダイエットおすすめ方法
”産後ダイエット”と聞くと、ハードル高く捉えがちですが、産後に必要なのは、出産でゆがんだ体を立て直すこと。そして、よい姿勢を身につけることです。実は、やるべきことはとてもシンプルなのです。骨盤のゆがみをリセットすれば体型は元に戻り、むくみやぜい肉は自然にとれていきます。
産後ダイエットの基本はたったの3つ
■1:姿勢習慣を見直す
■2:出産後、ゆがんだ骨盤を元に戻す
■3:妊娠中に衰えた筋肉を元に戻す
産後の体はとてもナイーブ。無理なダイエットで体調を崩してしまったら元も子もありません。赤ちゃんのお世話をするためにはママ自身が元気でいることが第一。碓田さんも「お母さんのメンテナンスにかかるお金は、家族の必要経費。そのことを家族が理解し、協力すべき」といいます。さて、上記3つの方法について、碓田さんに詳しく解説してもらいましょう。
■1:姿勢習慣を見直す
「”姿勢を制するママが産後ダイエットを制する”と言ってもいいでしょう! 姿勢の改善こそ、産後ダイエットのカギであり、産後太りの解消、体型戻しには必須です。姿勢をよくすることによって、全身の筋肉がうまく使われ、代謝が上がります。それだけでダイエットをしているのと同じなんです。逆のことをいうと、姿勢が悪いとやせにくい体質になってしまいます。しかし、「じゃあ、よい姿勢ってどんな姿勢…?」と思いますよね。そう、よい姿勢って、自分ではわからないものなんです。『胸を張る=よい姿勢』というのは間違い。私が考えるよい姿勢とは、『体にもっとも負担の少ない姿勢』です。姿勢が崩れるのは主に座っているとき。立っているときよりも圧倒的に崩れやすくなります。つまり、座っている姿勢を正すことが、よい姿勢への近道。24時間ずっと姿勢よくいる必要はありません。「姿勢が悪いな…」と気づいたら、姿勢をリセットする、ストレッチをする、くらいの感覚でいいのです。よい姿勢のまま30分座っていることができれば、”姿勢がよい人”といっていいでしょう」(碓田さん)