バルセロナに住む料理人・中曽根梨紗子さんが、Domaniのオンラインイベントにて、現地ならではのレシピを参加者にレクチャーした模様を、本人目線でレポートします。現地在住のプロ目線ならではの料理のコツが見つかる料理工程の様子、スペイン料理を自作してみたい人はお見逃しなく♪
【Domaniオンラインサロン・イベントレポート】スペイン料理のクッキング模様を現地から生中継!
こんにちは、中曽根梨紗子です。7月末の日本時間22時、スペイン時間の15時にスタートした第1回目の「Domani Kitchen」。夏真っ只中のバルセロナ、イベント当日は35度越えの猛暑日で、火を使ったメニューを選ばなくてよかった…とひとり安堵していました。
Domaniオンラインサロンのコミュニケーション・ディレクターであり、今回のイベント「Domani Kitchen」の共同主催者、そして10年来の友人でもある菱沼阿弥さんも一緒に料理を作ってくれるということで、我が家の息子の泣き声と、途中かわいい欲求をしてくる阿弥さんのお子さんの声をバックグラウンドに、終始ゆる〜く進行しました。
暑い日も食欲が湧くスペインの国民食「ガスパチョ」や「サングリア」を作ります
まずは今回のレシピに必要な材料をチェック。基本的にはスーパーで簡単に購入できる材料ですが、日本のトマトはバルセロナのものと比べると価格も味もレベルが高すぎて、スープにしてしまうのがもったいないと感じてしまうかもしれません。と言うのも、スペインでは「トマティーナ」と呼ばれる、トマトを投げ合うお祭りがあるほどトマトが豊富。日本のハウスで大事に育てられた高い糖度のものや繊細な味わいはあまりなく、どちらかというと瑞々しさが特徴です。ちなみに今回私が使ったトマトは、1キロ1.59ユーロ(約200円程)でした。
品目1:ガスパチョ(2人分)
・熟したトマト 350g
・玉ねぎ 大さじ1
・赤パプリカ 25g
・キュウリ 25g
・ニンニク小 1/4個
・トースト 1枚
・ビネガー(ヘレスまたはバルサミコ) 大さじ1
・クミン 1つまみ
・エクストラバージンオリーブオイル 30ml
・塩、胡椒(白) 適量
作り方
1.すべての材料を適度な大きさに切る。パンはトースターでカリカリに焼く。
2.1の材料をすべてミキサーに入れ、撹拌(かくはん)する。よく混ざってジュース状になったら1〜2時間程度休ませる。
3.2をザルで濾し、ミキサーに戻し入れ、オリーブオイルを足しながら乳化させる。
4.全体的に淡いオレンジ色になったら、ビネガー、塩胡椒、クミンを入れて味を整える。
5.よく冷やして、お好みでクルトン、ダイストマト、キュウリなどを添えて完成。
- ニンニクと玉ねぎは入れすぎないように
- トーストはしっかり水分を飛ばしてカリカリに
- 寝かした後はザルで濾す
レシピを厳格に守る必要はなく、トマトが少し多くても、キュウリがちょっと少なくても全く問題はありません。ただし、ニンニクと玉ねぎは多いと辛味が勝ってしまうので、苦手な方は量を調節してくださいね。
トーストは、私は前日の残りを使いますが、日本のパンは次の日でも硬くならないものも。ガスパチョに使うならカリッカリになるまでトースターで焼き、水分を飛ばすのがおすすめです。
阿弥さんはお子さんの離乳食で活躍した小型ミキサー、私は7年ほど前にアメリカのコストコで購入したVitamixを使いました。ハンドミキサーなどでも問題ありません。
余談ですが、私はVitamixが大好き!餃子のタネからフローズンマルガリータまでよく利用しています。ミキサーは数あれど、あの力強さはVitamixじゃないとダメなんだよなぁと思うので、愛用家電を語る機会があれば、私はVitamix愛について語りたい!と思っています。
ジュース状になったら1時間程度休ませるのがベストですが、今回は時間がなく10分ほど待つことに。その間にサングリアを作っていきます。
品目2:カバの白サングリア
・季節の果物(オレンジ、りんご、バナナ、洋梨、桃など)
・レモンスカッシュまたはオレンジジュース 300〜400ml
・砂糖 大さじ5
・よく冷えたカバ 1本
・氷 適量
・ラム、ジン(お好み)
作り方
1.フルーツを適度な大きさに切り、大きなボールに入れ、砂糖、ジュースと混ぜ合わせて2時間ほど寝かせる。
2.よく冷えたカバを1に投入し、氷を入れてよく混ぜる。(お好みでラムやジンを加えるとさらにおいしい!)
- 砂糖は大胆に入れる
- お好みでジンやホワイトラムを入れてもGOOD
材料はスパークリングワイン(今回はカバを使いました)、季節のフルーツ、砂糖、レモンスカッシュ(又はオレンジジュース)とかなりシンプル。カバはお店で売っている一番安いもので構いません。私が使ったのは1本3ユーロ。どこで利益を出しているの?と心配になってしまう値段ですが(笑)、私が普段飲んでいるワインも1本10ユーロ強です。日本に比べると安く感じますよね。
今回使ったフルーツはレモン、洋梨、りんご、バナナ。バナナ!?とみなさん驚いていましたが、バナナを入れると少しクリーミーになるので、他のフルーツは季節ごとに変えても、バナナは必ず入れるようにしています。
通常は大きなボウルにフルーツ、砂糖、ジュースを入れてよく混ぜ、常温で2時間ほど置きますが、イベントではお手製カクテルシェイカー(ジャムの空ビン)にフルーツを入れて、砂糖を大さじ2、オレンジジュース、氷を入れてよくシェイク。混ざったら冷凍庫でキンキンに冷やしたカバを注いで完成です。おいしさの秘密は、量にビビらず、砂糖を大胆に入れること!
ガスパチョの仕上げ
さて、寝かせておいたガスパチョをザルで濾します。ちょっと手間ですが、このひと手間で舌触りが激変するので、必ずやってほしいです!ザルで濾した後にモッタリしている場合は、少し水を足します。今回は100mlほど追加しましたが、トマトの水分量やお好みで調整してください。
家庭によってはここで味つけをして完成!ですが、今回はもうひと手間。先ほど濾したものを再度ミキサーに戻して、ビネガーと塩をひとつまみ。混ぜながら少しずつエクストラバージンオリーブオイルを足していきます。淡いオレンジ色になるまで混ぜながらオイルを入れ続け、色が変わってモッタリしたら、塩・胡椒・お好みでクミンを入れて味を整えます。モッタリしている分、塩がいき渡るのに時間がかかるので、入れすぎには注意しましょう。
好みの味になったら完成!よく冷やしてトッピングを添えて召し上がってください。
今回のトッピングは、トマト、キュウリ、玉ねぎ、パプリカを全て”さいの目状”に切り、オリープオイルを塗ってオーブンでカリカリ焼いたトーストを、クルトン代わりに入れました。他にもゆで卵の白身を入れたり、色々な食感が楽しめるのもガスパチョの魅力。
阿弥さんはちょっと辛かったとのことで、玉ねぎの量が多かったのかも?なんてお話をしました。バルサミコビネガーを足したら和らいだそうです。一晩置くと味に丸みが出るので、作ってすぐ食べるよりも時間を置いてからの方がおいしく召し上がれます。
最後は質問コーナー&交流タイム
イベントで私が着ていたエプロンがかわいい!と褒めてもらえたのですが、バルセロナ市内にあるEl Transwaal(エル トランスバル)という老舗エプロン屋さんのもの。観光で有名なボケリア市場のすぐ横にあり、店内は豊富な品揃えでエプロンがが所狭しと並んでいます。ボーダーだけでも20色近くあったような…。私が働いていたレストランでもこのエプロンを使っていたほど、丈夫で質も良よくかわいいんです。バルセロナにいらした際はお土産にもおすすめ。
イベントはライブ配信らしくリアルタイムでコメントが飛び交ったり、あっという間の1時間。Domaniオンラインサロンには今年の6月に入会したばかりですが、以前から興味を持っていたオンライン料理教室をすぐに開催させてもらえて、とっても楽しい時間でした!
初めましての方ばかりでしたが、何だか古い友人たちと会話しているような気持ちになりました。これはサロン内の雰囲気が良いからなのだろうなぁと、ひとり感心。また、阿弥さんをはじめ、メンバーさんの行動力や仕事の速さにも感心するばかりです。今後も色々なイベントに参加するのが楽しみです。そして、「Domani Kitechen from Barcelona 第2弾」もお楽しみに!
Domaniオンラインサロンメンバー
中曽根 梨紗子
バルセロナ在住の料理人。現在1才男児の育児に奮闘中。スペイン移住前はシドニー、フロリダで勤務。趣味は旅行と食べ歩きとワイナリー巡り。子連れでも楽しめるヨーロッパ旅行、レストランを日々模索中!
IG:https://www.instagram.com/g_i_l_ll/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D