【目次】
・西洋医学・東洋医学ドクターによる風邪予防対策
・風邪予防におすすめの食事
・風邪予防におすすめの飲み物と水分補給の工夫
・風邪予防のマスクの選び方
・風邪予防のビタミンサプリ
西洋医学・東洋医学ドクターによる風邪予防対策
【1】風邪予防の正しい手洗い
最近は抗菌おしぼりや消毒液などがいろいろ出ていますが、あくまで洗えないときの応急処置。手は洗って除菌するのがいちばん確実。「特別な除菌石けんがなくても大丈夫です。大切なのは、すみずみまでくまなく洗うこと」(今津先生)
【正しい手の洗い方】
1:軽く丸めた片手を、逆側の手でつかみ、ねじるように 洗う。
2:手のひらは精一杯広げて洗う。
3:爪先は、逆側 の手のひらでこする。指は1本ずつねじり洗い。
石けんなしでもOK!目安は60秒
「水だけの手洗いでも、かなりの菌を洗い落とせるというデータがあります。外出先で石けんのない場所では、60秒洗いを目安に。蛇口からなるべく下がった位置で洗いましょう。距離を空ける程、水の落下エネルギーによって洗浄効果が高まります」(今津先生)
頻繁に手を洗う冬場の乾燥対策に 洗い終わりの濡れた手になじませてサッと流すだけ。ニベア花王 アトリックス ハンドミルク 200ml ¥650(編集部調べ)
【2】風邪予防の正しいうがい
うがいには、菌を流すのと口内を潤す、両方の効果があります。のどの奥まで必ずうがいしましょ う。「くぼみのすみずみまで水を届かせるイメージで、斜め上を向いて首を左右にゆらすと、うがいの効果が高まります」(今津先生)
【正しいうがい】
1.口の中をぶくぶく(イラスト右)
唇を閉じ、歯磨きのときのように口の中をぶくぶくとゆすぐ。約10秒間。
2.のどをガラガラ(イラスト中)
斜め上を向き、ガラガラと音を出しながらのどに振動を与える。
3.首をゆらゆら(イラスト左)
2の状態から、さらに首を左右にゆらす。のどの両端を洗い流すイメージ。
【うがい薬に要注意 】
殺菌力の強いうがい薬は、のどの粘膜を傷つけてしまうことも。感染予防が目的なら、水うがいだけで十分。特にのどが痛いときは、刺激となりがちなので注意。
【3】おすすめのど飴
天然素材で菌を制するのど飴
たとえばマヌカハニーで「UMF10+」という品質表示があるものは、手の消毒などに使われるフェノール溶液10%濃度と同等の抗菌力。 舐めると唾液が出、のどを潤し続ける効果も。
左/100%植物性のハーブドロップ。マリエン 薬局 咳のど・ブレスケア用メディカルハーブドロップ 30個×3箱 ¥2,680 中央/認定マヌカハニー100%を固形化。アムリターラ MIS マヌカハニーロゼンジ(のど飴) UMF10+ 6粒 ¥1,000 右/イスクラ 板藍のど飴 12粒 ¥360
【4】足を温める
「足が冷えると、鼻の粘膜の血行が悪くなり、鼻水が止まらなくなるという報告があります」(今津先生) 鼻が悪いと口呼吸になるので、ますますのどから菌が入りやすくなります。まず足元を温めて。
【5】入浴剤で睡眠の質を高める
睡眠は免疫力にも大きな影響を及ぼします。睡眠が6時間以下だと、免疫力が低下するというデータが。「さらには、睡眠の質が悪い人は良好な人と比べて約4倍ウイルスにかかりやすいという臨床結果もあります」(今津先生)
入浴には快眠を誘う効果があるので、夜は湯船に浸かる習慣を。時間のなさは、入浴剤の機能でカバー。たとえば血流促進効果のある炭酸入浴剤は、10分の入浴でも30分の温浴効果があるというデータがあります。
《おすすめの入浴剤はこちら!》
左/バスクリン ファインヒート きき湯 グレープフルーツの香り(医薬部外品) 400g ¥933(編集部調べ)右/花王 バブメディケイティッド 森林の香り(医薬部外品) 6包 ¥660(編集部調べ)
左/非加熱の有機カモミール100%。カミツレ研究所 華密恋薬用入浴剤(限定ボトル) (医薬部外品) 400ml¥2,200 右/カモミールなど生薬のブレンド。ツムラ バスハーブ(医薬部外品) 210ml ¥1,800(編集部調べ)
左/第一三共ヘルスケア ミノン薬用保湿入浴剤 (医薬部外品) 480ml ¥1,400(編集部調べ) 右/湯上がりの肌が潤うタイプ。香りにも誘眠効果。シュウエイトレーディング アロマセラピーアソシエイツ ディープリラックス バスアンドシャワーオイル 55ml ¥7,800
【6】漢方で睡眠の質を高める
「中医学では免疫力のことを『衛気』と呼びますが、衛気は寝ている間に内臓でつくられるもの。いろいろな養生法はありますが、衛気を貯蓄することが、いちばんの風邪予防になります」(張先生) 寝付くまでに時間がかかるのが悩みなら、漢方を取り入れるのもひとつの選択。漢方では、眠りを妨げる要因となっている体質にアプローチして改善していきます。
《おすすめの漢方はこちら!》
不眠でよく使われる3つ。
上/もたれや不安感があり体が重い人に。イスクラ 温胆湯エキス顆粒 45包 ¥4,660 左/ホルモンバランスの乱れや神経症っぽい人に。同 天王補心丹T 360丸 ¥3,690 右/考え込んでしまう人に。同 心脾顆粒 60包 ¥9,000
【7】睡眠の質を高めるサポートアイテム
同じ睡眠時間でも、質のよい深い眠りがとれれば、体の修復・再生機能が促され、免疫力アップにつながります。編集部セレクト、セットで使えば最強!の3アイテムを紹介。
左/疲労回復効果のある特許取得繊維でできた休息ウエア。汗を熱に変える温熱効果をもつ秋冬仕様。ベネクス フリーフィールウォーム ロングスリーブタートルネック ¥14,000 ・同 ロングタイツ ¥13,000 中/ラベンダーオイル10%配合。眠る前、首や肩に。ヴェレダ ラベンダー ナイトオイル 20ml ¥2,800 右/部屋や寝具に。ニールズヤードレメディーズ グッドナイトピローミスト 45ml ¥2,800
風邪予防におすすめの食事
【1】肉で体温上げて免疫アップ
免疫力の高い温まった体をつくるためには、筋肉が必要。筋肉の元となるたんぱく質を。「低脂肪なたんぱく質は、実は野菜や炭水化物よりも消化が早いので、夕食向き。風邪ぎみのときは体を温めるお酒も適量ならおすすめ」(今津先生)
肉は低脂肪な赤身を。また、「卵の白身には『塩化リゾチーム』という抗炎症成分が。温泉卵にすると、より消化が早くなります」(今津先生)
【2】色の濃い野菜やフルーツ
《鼻やのどの粘膜を強化》
β-カロテン 人参、かぼちゃ、ほうれん草など色の濃い野菜に多い。体の中でビタミンAに変わる。
《菌と闘う白血球の働きを高める》
ビタミンC いちごやかんきつ類に含まれる。コラーゲン生成を促し、のどや鼻の粘膜を丈夫にも。
《インフルエンザ予防に》
アントシアニン 茄子や黒豆など、黒や紫色の食べ物に多い。抗インフルエンザ作用が報告されている。
【3】白ねぎ生姜なつめスープ
「菌やウイルスに感染したら、6時間以内に対処して増殖を抑えるのが風邪予防の鉄則。中国で『葱白姜棗湯(ソウハクキョウソウトウ)』というこのスープは、ゾクッとしたときの特効薬です」(張先生)
《つくりかた》
太ねぎの白い部分約15cm(横に6等分、 縦に3等分くらいに切る)、生姜約5cm玉大(5切れくらいに厚く切る)、 なつめ3個を約2カップの水と鍋に入れ、沸騰させてから約5分中弱火で煮込む。火から下ろし、温かいうちに全部飲みきる。とても辛いので、 飲みづらく感じる人は火から下ろしたあと、蜂蜜を適宜溶き入れると飲みやすい。
風邪予防におすすめの飲み物と水分補給の工夫
医療のプロが実践している特効策。 それは「水をこまめに飲む」ことでした。「のどは、外からやってくる悪いものをせき止める強力な関所。 潤すことで働きが高まります」(今津先生) ちなみに風邪の原因となる細菌やウイルスは、約200種あるといわれます。「ひとつの細菌に感染してのどや鼻の調子が悪くなった人は、別の細菌にも感染しやすいというデータがあります。長引く風邪のほとんどは、そういった二次感染が原因です」(今津先生)
【1】水分補給にひと工夫
のどにはリンパ節があり、菌やウイルスを強力にブロック。ところが乾燥すると摩擦によって粘膜に傷がつき、そこから菌が体内に侵 入してしまうことに。のどの潤いを保つことは、風邪予防において何より重要。
お水や白湯を飲むときに、生姜や梅干しなど を加えれば、さらに風邪予防効果が。菌&ウイルスに抵抗する効果を狙うときは、生姜は乾燥ではなく、生のものを使うのがポイント。
左/生姜や梅、緑茶のカテキンにも抗菌効果あり。中/農薬不使用、完全無添加。アムリターラ 宮崎県産 在来種 梅干し(大粒)三年漬け 120g ¥1,000 右/漢方では「うがい、手洗い、板藍根」と言われる程、ポピュラー。 イスクラ 板藍茶 60包 ¥4,600
【2】はちみつショウガ紅茶
生姜は生のときと、加熱したり乾燥させたあととでは、含有成分が変化して、薬効も変わります。「健康なときに免疫を高める目的でとるなら、温め効果のある乾燥生姜を。温かい紅茶にのどによい蜂蜜と一緒に入れる飲み方もおすすめ」(今津先生)
常温の飲み物も、冬場は温度が下がりがち。特に起き抜けの水には注意。「10℃の水をコップ1杯飲むと、15分以上体温が下がったままになります。少し温めて飲むようにしましょう」(今津先生)
左/アムリターラ 金時ショウガ(粉末) 100g ¥2,500 右/ブラウンシュガーファースト 有機トレイルミックス オーガニック ジンジャー&ゴジベリー 40g ¥480
風邪予防のマスクの選び方
世界の様々な研究報告から見て、 マスクはドラッグストアで売っ ている安めのもので十分、と今津先生。「大切なのはつけ方。すき間があると、そこから菌やウイルスが入ってきます。上部のワイヤーを鼻と頰の凹凸にぴったりと沿わせて、サイドも浮かないものを選びましょう」
【1】フィット感のあるマスク
左/鼻を高く、フェースラインをすっきりと見せるデザイン。ピンク色もあり。アイリスオ ーヤマ 美フィットマスク 小さめ 7枚 ¥498 中/内側に保湿成分を配合。ゴムの付け位置が外側で、肌への摩擦を軽減。玉川衛材 フィッティ シルキータッチ クイーンズリッチ やや小さめ 5枚 ¥550 右/サイド面も浮かない。ユニ・チャーム 超立体マスク 小さめ 7枚 ¥369(編集部調べ)
風邪予防のビタミンサプリ
【1】マルチタイプ&ビタミンCサプリ
マルチタイプか、ビタミンCを。右/体に必要な27種類が1セットに。シンプリス トータルプログラム27 30日分 ¥12,000、左/カプセル処方で、吸収率が高い。スピック リポ-カプセル ビタミンC 30包 ¥7,200
医師
今津嘉宏先生
芝大門いまづクリニック 院長。日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医。従来の科を超えた総合診療を行う。『最強の免疫力』(ワニブックス) など著書多数。
中医学講師
張立也先生
イスクラ産業 中医学講師。中国で医師、大学講師として活躍後、来日。 埼玉医科大学にて博士号 を取得。現在は全国で漢方相談や講演、執筆活動など幅広く活躍。