「青天の霹靂」ってどんな意味?
青天の霹靂(せいてんのへきれき)とは、まったく想定していなかった出来事に見舞われて、驚くことを表現した言葉です。
「青天」と「霹靂」は、それぞれ真逆の気象状況を表した言葉であり、それらを組み合わせることで、既出の意味をもつ「青天の霹靂」が生まれました。本章では、ことわざの意味や語源・由来を解説していきます。
語句の意味
青天の霹靂とは、予想外の出来事が、突然起こることを指すことわざです。「青天」とは晴れわたった空(天気)を意味しており、「霹靂」とは激しい雷の音や落雷を表します。
つまり両者を組み合わせた「青天の霹靂」は、空が晴れている状態であるにもかかわらず、突然雷が鳴る現象ということです。
そこから思いもよらない出来事が起こる、驚くべき事態が生じることを意味します。なお、青天の霹靂を辞書で調べると、以下のように解説されています。
(青く晴れた空に突然におこるかみなりの意から)思いがけずおこる突発的事変。
<小学館 デジタル大辞泉より>
語源・由来
「青天の霹靂」という表現は、故事成語として知られる言葉です。古代中国(南宋時代)の詩人である「陸游(りくゆう)」が詠んだ詩から派生したことわざとされています。
同人の詩には「放翁病過秋、忽起作醉墨。正如久蟄龍、青天飛霹靂」という一節があり、「青天飛霹靂」こそがことわざの語源とされています。「青天」という漢字が使われていることから、基本的に「晴天」は正確な表現ではありません。
「青天の霹靂」の使い方
同じことわざを用いる場合は、どのような使い方をすべきなのでしょうか。本章では青天の霹靂という言葉について、注意すべき誤用や例文、会話例などを解説していきます。以下を参考に、ことわざの使い方を熟知したうえで、言葉を正しく活用していきましょう。
“誤用”に注意!
「青天」という言葉は、しばしば「晴れた空」や「快晴の天気」を指す言葉として使われます。そのため「青天」ではなく「晴天の霹靂」という表現を目にすることもあるかもしれません。
しかし、厳密には、「晴天」は誤った使用例です。発音や意味は同じですが、由来・五源から考えると「青天」が正しい表現です。
具体的な例文
青天の霹靂という言葉を使う場合、以下のような例文を参考にしてください。
・宝くじが高額当選した。これはまさに青天の霹靂だ
・仕事で青天の霹靂としか言いようがないトラブルが発生した。結局、何が原因であったのかは、全くわからない
・有名な芸能事務所が過去に不祥事を起こしていたなんて知らなかった。これこそ青天の霹靂な事件だ
会話例
青天の霹靂を、日常会話の中で用いる場合は、以下で紹介するAさんとBさんの会話例を参考にしてください。
Aさん:実はこの夏、サマージャンボ宝くじを買ったんだよ
Bさん:そうなんだ!結果はどうだったの?
Aさん:それがさ、当たっていたんだよ!
Bさん:え、すごい!信じられない!
Aさん:本当に青天の霹靂だったよ……
さまざまな名称にもなっている
青天の霹靂をシンプルに言い換えると「思ってもいなかった驚きの出来事」です。このような意味や文字のインパクトにより、単なることわざではなく、さまざまなものの名称にもなっています。
たとえば、映画のタイトルや書籍の題名。身近なものであればお米のブランド名や、日本酒の銘柄の名前などが挙げられます。身近に「青天の霹靂」と名付けられたものがないか、探してみましょう。
「青天の霹靂」の対義語
青天の霹靂には「日常茶飯事」や「予定調和」といった対義語があります。いずれの言葉も、想定外の事態を表現する青天の霹靂とは異なり、ある程度予測できる事柄に対して用いられるでしょう。
本章では「青天の霹靂」ということわざについて、既出の2つを解説します。どのようなポイントで「対義語」と認識されているのか、ぜひ確認してください。
「日常茶飯事」
「青天の霹靂」の対義語は「日常茶飯事」です。「日常茶飯事」とは、毎日同じでありふれた出来事を指す表現として知られています。通常の食事や出来事において、とくに変化することがない様子を表現した熟語です。
たとえば、「彼が忘れものをするのは日常茶飯事だよ」といった文脈で使用されます。一方で「青天の霹靂」は、予想もしない突然の出来事を指します。