「感慨深い」とは?
「感慨深い」という語句の読み方は「かんがいぶかい」です。感情を抑えて、控えめに保たなければならない状況でも、感慨深いという語句を用いることで、感情が内から湧き上がってくる様子を伝えられる表現といえます。
本章では最初に、感慨深いの具体的な意味や「考え深い」や「感動」との違いについて、詳しく説明します。
■言葉の意味
「感慨深い」とは心が大きく揺さぶられ、感動が押し寄せ、心の奥底でゆっくりと感じ入る瞬間を表す言葉です。「感」とは心が揺さぶられることを指し、「慨」は心を揺さぶる感情を表します。
これらの漢字を組み合わせた「感慨」だけでも、深く感じ入る感情や心に深く響く感情を意味します。「深い」が加わった「感慨深い」は、感情の強度がさらに増した表現です。例えば「嬉しい」という言葉が幼稚に聞こえる場面でも、より落ち着いた表現で感情を伝えられます。
■「考え深い」「感動」との違い
「考え深い」は、深い思考や思慮が表れる状態を指し、つまり「深遠な考え」や「熟考」を示す言葉です。また「感動」は、心が強く揺さぶられる状態を表す言葉で、感情的な共感や感銘を受けることを意味します。「感慨深い」と似た意味ですが、それぞれの単語には独自のニュアンスがあり、注意して使い分けるべきです。
前者は、目の前のことが心に響くさまを表しており、後者はこれまでの出来事に対してしみじみと何かを感じる際に用いられる表現です。
「感慨深い」の使い方
「感慨深い」を用いる際には、その使い方に注意しなければなりません。これは「感慨深い」が使用できないシーンもあるためです。本章では「感慨深い」の使い方について、基本的な使い方と使えないシーンを解説します。
本章を参考にして、どのようなシーンで用いるのが最適なのか理解し、知らずに誤用してしまわないよう注意してください。
■基本的な使い方
「感慨深い」を使用するポピュラーな言い回しは「感慨深い気持ちになる」や「感慨深いものがある」などです。
・ママと家中ついて回っていた息子が、こんなに立派に成長するなんて感慨深い
・一人で細々と始めた会社だったが、今では100名を超える企業へと成長して、感慨深い気持ちだ
・ついこの間入学した娘が、もう卒業するなんて感慨深いものがある
■使えないシーン
「感慨深い」という言葉は、適切な文脈で使用しましょう。自分や相手の喜びを表現できる言葉であるものの、上司や上司の業績に敬意を表す際には不適切です。
例えば、上司が昇進や成功を遂げた場合に「感慨深い」と表現すると、相手に自身の努力や苦労に対する理解があるかのように受け取られてしまいます。また皮肉めいた意味に受け取られる可能性もあるため、慎重に言葉を使いましょう。