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ハワイ滞在中いちばん出費を痛感したのが外食。家族旅行で〝賢く食べる〟テクニックを伝授します
アロハ!久々に家族でハワイへ行ってきました。数々のハワイガイドブックや雑誌のハワイ特集を制作してきたトラベルエディターとしての経験を駆使して、家族のために練りに練ったハワイ旅行の様子を全5回にわけてご紹介させていただきます。今回は第2回目、グルメ編です。
ハワイではハッピーアワーを設けているお店が多いので、滞在中はうまく活用したいところ。設定されている時間帯はお店によりますが、だいたい16〜17時前後。場合によってはそのあとにレイトハッピーアワーも設けている店もあります。今回、実際に利用したハッピーアワーの中で、特に満足度の高かったお店を紹介します。
ワイキキのおすすめハッピーアワー店:1
「ストリップステーキ・ワイキキ」
▲本来ハッピーアワーはカウンター席のみ対象ですが、子連れの場合は親切にテーブル席に案内してくれました。
まずはインターナショナルマーケットプレイス3階に入る「ストリップステーキ・ワイキキ」。エジプト・カイロ生まれのアメリカ人スターシェフ、マイケル・ミーナ氏が手掛けるコンテンポラリーアメリカンステーキハウスです。カテゴリー的には、記念日やお祝いなどハレの日向けの高級ステーキ店になるのですが、オープンエアのテラス席もあり、実は子連れでも利用しやすいレストランです。
▲ハッピーアワー限定メニュー「7オンス・プライム・ニューヨークストリップ」は$49。高級ステーキ店としてはかなりの破格!
ワイキキ中心部の非常に便利な立地で、曜日に関係なく毎日16〜18時がハッピーアワーというのも観光客には使いやすくてグッド!夕方18時以降は生演奏も入り、リゾートな雰囲気が漂います。
ここでのおすすめはやはりステーキ!通常のディナータイムだと$71〜195するステーキメニューが、ハッピーアワーだと$50以下でオーダーできて大変お得です。
ちなみに7オンスはだいたい200g。ニューヨークストリップは、部位でいうとサーロインにあたります。外はカリカリ、中はジューシーに焼き上げられたステーキが赤ワインソースと良く合い、こちらは一瞬でペロリとたいらげてしまいました。
▲おつまみのアダルトハッピーミール(写真右、$29)、ジャンボタイガーシュリンプカクテル($12)など、ステーキ以外のメニューも充実。
ストリップステーキ・ワイキキは、ハッピーアワー対象の品数が10種類以上あるのも嬉しいポイント。お値段も良心的で、$10前後で頼める前菜がたくさん揃っています。
マイケル・ミーナはフュージョン料理を得意とするシェフで、メニューにはエダマメやテンプラ、アブリ(炙り)など、日本人にも馴染みのワードがずらり。味付けも日本人の舌に合うと思いますので、ちょっと外食疲れしてきた旅の後半にもおすすめできます。
ちなみにハッピーアワーでは、嬉しいことにお酒も3〜5割ほど安く設定!ビールは$6、グラスワインは$9、オリジナルカクテルは$10と、円安・物価高の値上がり分を十分に吸収してくれるオフ率に感激です。ハワイはお酒が高いから控えようと思っていたのに、ストリップステーキ・ワイキキではついつい飲み過ぎてしまいました(笑)。
▲キッズ向けのチーズバーガー($15)も。さすがはステーキハウスのメニューだけあり、肉汁たっぷりの本格ビーフパテ。
▶︎ストリップステーキ・ワイキキ
(ハッピーアワー:毎日16:00〜18:00)
ワイキキのおすすめハッピーアワー店:2
「モンキーポッド・キッチン byメリマン」
▲ここの魅力はなんといっても圧倒的なオーシャンビュー!ワイキキでおそらく一番ビーチに近いレストランです。
続いて紹介するのは、アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートの1階に2023年7月にオープンしたばかりの「モンキーポッド・キッチン byメリマン(以下、モンキーポッド・キッチン)」。往年のファンの方にはショアバードがあった場所、と言うとすぐにピンと来るかと思います。
こちらを手がけるのは、「メリマンズ」や「モク・キッチン」などで知られるハワイの有名シェフ、ピーター・メリマン氏。モンキーポッド・キッチンは、オアフ島ではコオリナ地区に続いて2店目となり、カテゴリーとしてはカジュアルレストランに区分されます。ランチとディナーは同じ内容で、ピザやタコス、フィッシュ&チップス、ハンバーガーといったメニューが並びます(朝食営業もしており、そちらのみ別メニュー)。
リーズナブルなメニューがさらに安くなるハッピーアワーは15:30〜17:00(一部の祝日を除く毎日)。ププ(おつまみの意味)が半額となるほか、ピザが1枚$13(通常は$21〜23)に。対象メニューは一部のみでそれほど多くないのですが、お酒もビールが$2オフ、グラスワインが$3オフ、カクテルが$4オフになるので、波音と生演奏を聴きながら明るいうちから飲みたいという人にぴったりです。
▲お店の外はすぐワイキキビーチ!奥にはダイヤモンドヘッドも望む超贅沢なビューもハッピーアワーならかなりリーズナブルに。
座席数は約500と、オンザビーチでも屈指の大型店。ただし、オープンしたばかりで今ワイキキでも話題のお店なので、できれば予約がおすすめ。その方がビーチに近い席を案内してくれると思います。
またハッピーアワーを活用したいのはもちろんですが、ここはサンセット前を目指して来店するのが鉄則。日没後ではせっかくの眺めも真っ暗な海だけになってしまうからです。冬場であれば16:45頃に入店し、最初のオーダーをハッピーアワーで注文してしまえば、お得な料金で食事ができ、ちょうど食べ終わる頃に日没の見頃を迎えられると思います。ただし、早く入店し過ぎてしまうとかなり西日がきついので、特に小さなお子様連れの方は直射日光が当たるビーチ寄りの席は避けた方がいいかもしれません。
モンキーポッド・キッチンはメリマン氏が手がけるレストランでもカジュアル路線なので、正直料理で大きく感動することはなかったものの、オーシャンビューや生演奏の雰囲気、値引き率などを考えると、トータルでかなり満足度が高いハッピーアワーでした。ちなみにメリマン氏の真骨頂を味わいたいのであれば、ぜひワード地区にある本家「メリマンズ」へ!より繊細なハワイ・リージョナル・キュイジーヌが味わえるローカルの人気店で、こちらも15:00〜17:00にハッピーアワーを開催しています。
▲ローストチキンウィング(写真左。$22が半額に)とマルゲリータピザ(写真右。$21が$13に)をオーダー。
▶︎モンキーポッド・キッチン byメリマン
(ハッピーアワー:毎日15:30〜17:00)
ワイキキのおすすめハッピーアワー店:3
「レッド・フィッシュ・ポケバー byフードランド」
▲2023年1月開業のウェイファインダー・ワイキキ。旧ワイキキ・サンドヴィラホテルがリノベーションし、劇的に生まれ変わりました。
3軒目は、2023年5月にオープンした「レッド・フィッシュ・ポケバー byフードランド(以下、レッド・フィッシュ)」。ブティックホテル「ウェイファインダー・ワイキキ」の1階に入るレストランで、毎日14〜17時と長めのハッピーアワーなので遅めのランチ、早めのディナーどちらも使いやすいのが特徴です。
場所はクヒオ通りからカネカポレイ通りに入った先。こちらもカテゴリー的にはカジュアルなレストランになりますが、店内はホテル同様、ミッドセンチュリーを感じさせるおしゃれな雰囲気。またオープンエアなので、たまに吹き抜けるそよ風がとても心地よく感じられます。プールサイド側にはパラソルやグリーンに囲まれたテーブル席もあり、よりリゾートを感じられる空間になっています。
ワイキキビーチからだと少し歩くので、まだまだ知らない人も多い穴場的存在ですが、ハワイ好きであれば知っておくと非常に面白いレストランだと思います。
▲レッド・フィッシュの店内。ワイキキ店では朝食営業もしており、アボカドトーストやサンドイッチ、フレンチトーストなどがいただけます。
レッド・フィッシュのコンセプトは「冷たいビール・熱いご飯・旨いポケ」。これを聞くだけで私はよだれが出てしまいました(笑)。当レストランは名前のとおり、地元ハワイのスーパーマーケット「フードランド」が手がけており、カカアコのソルトに続いての2号店になります。フードランドは、ロコの間で「ポケが新鮮でおいしい」と有名で、地元紙による人気投票やアワードでたびたび「ベストポケ賞」を受賞するなど、その実力は折り紙付き。
おすすめはやはり新鮮なポケを使ったポケボウル(ただしポケはハッピーアワー対象ではないので注意)。ハワイアンスタイルや醤油、スパイシーアヒなどの中からお好きなポケを選ぶシンプルで人気のカスタム・ポケボウルは、レギュラー(ポケ1種類)が$17、デラックス(ポケ2種類)が$22となっています。
今回はカカアコ店でも人気だったシグネチャーボウル「カナックアタック($24)」をオーダー。こちらも好きなポケを1種類選ぶことでき、さらにカルアピッグ、ロミサーモン、ピピカウラの4つのハワイの味覚が楽しめる、非常に贅沢でボリューミーな1杯でした。
▲オイスター(写真左下)、カナックアタック(写真右下)、お好み焼きフライ(写真上)。どれもお酒がぐびぐびと進んでしまう味付け。
ハッピーアワーメニューでは、オイスター(ひとつ$4)、クリスピーチキンウィング($15)、ハウスバーガー($16)など、5種類のおつまみが割引の対象に。またドラフトビールが$7、グラスワインが$10、クラフトカクテル(4種類)が$13など、嬉しいことにお酒も2〜3割引になっています。
個人的なおすすめは「お好み焼きフライ($11)」。フライドポテトにお好み焼きソース、マヨネーズ、鰹節、ネギ、ふりかけ、紅生姜をトッピングした創作料理で、手が止まらなくなるほど病みつきになる不思議な味覚でした。
子供向けのケイキメニューもあり、子連れでも気兼ねなく使えるレッド・フィッシュ。実は20〜22時にレイトハッピーアワーを設けています。今回は子連れハワイのためあまり飲めませんでしたが・・・次回出張などで来た時はしっかりレイトハッピーアワーも活用してお酒も楽しみたいと思いました(笑)。
▲ハワイのクラフトビールやクラフトカクテルのほか、日本酒や焼酎なども取り揃えるレッド・フィッシュのアルコールメニュー。
▶︎レッド・フィッシュ・ポケバー byフードランド
(ハッピーアワー:毎日14:00〜17:00、20:00〜22:00)
最新スーパー「ワイキキマーケット」のイートインは使い勝手抜群!
▲ワイキキマーケットの店内で購入したローカルプレートやチャーハンをその場でいただきます!
ハッピーアワーがおすすめの3店を紹介してきましたが、もうひとつメリハリあるハワイ旅で欠かせないのが、スーパーマーケットのイートインコーナーです。イートインのメリットは価格が安いのはもちろんですが、チップも不要なのでハッピーアワーを活用するよりさらに出費を抑えることが可能です。
おすすめは、2023年1月にかつてのフードパントリー跡地にオープンしたワイキキマーケット。ワイキキエリア唯一のスーパーとなりますが、できたばかりで品揃えや雰囲気もよく、デリコーナーも非常に充実しています。イートインといっても店内の端っこの暗いスペースで食べるのではなく、開放的なテラスでクヒオ通りを眺めながらになるので気分的にも上がります。
▲メインとサイド2種類を選ぶローカルプレートは内容が一目瞭然なので、食べたいものを指差しで選べばOK。
店内に入るとすぐ正面にあるのがデリコーナー。「ポケ」「ライス」「ローカルプレート」「ベイクショップ」の4テーマに分かれていて、どれもオーダーしてから仕上げてくれるので、出来立てを味わうことができます。
ハッピーアワーの設定こそありませんが、ライスのシグネチャーボウルは1杯$10.99、ローカルプレートも$15.99〜17.99(メインを2種類選ぶプレミアムプレートは$23.99)と、もともとのお値段がレストランに比べたらだいぶリーズナブル。当然ドリンクも、スーパーで買ったものを飲んでOKです。
プラスチックのフォークやスプーン、ナプキンなども自由に使えて、至れり尽くせりなワイキキマーケットのイートインスペース、ただし、キッズチェアや子供用カトラリーの用意はないので、その点ご注意ください!
▲ライスはその場で炒めて仕上げてくれるチャーハンスタイル。全部で5種類あり、写真付きメニューもあるので安心。
まだまだある、円安・物価高に負けないためのメリハリグルメ術!
▲カカアコのファーマーズマーケット。クレープやサンドイッチ、ポケ、おむすび、スムージーなど、選択肢もたくさん!
朝食も毎回ホテルで食べていると大変ですが、そんな時はファーマーズマーケットを活用するのも一案。ワイキキ周辺では、「KCCファマーズマーケット」と「カカアコファーマーズマーケット」が毎週土曜午前に開催されており、多くのローカルベンダーがテイクアウトフードを販売しています。
どちらの会場も、それほど多くはないもののイートインできる場所があるので、土曜の朝はファーマーズマーケットで朝食、もしくはブランチというのもハワイならではの楽しいメリハリ術だと思います。
実はハワイでは、「ザ・ピッグ・アンド・ザ・レディ」や「コナ・アバロニ」、「チャビーズバーガー」のように、まずファーマーズマーケットやフードトラックで出店し、人気を集めてから実店舗を出店するケースも少なくありません。未来の人気店を先駆けて発掘・・・、そんなつもりでローカルベンダーを開拓してみても面白いかもしれません。
▲フードだけでなく、スムージーやカフェ、クラフトビールなど、8つの店舗が入るワイキキ・フードホール。
また複数店舗が一堂に介するフードコートも、チップ不要(もしくは通常より低い11%推奨など)で通常のレストランよりリーズナブルに利用できるので、メリハリグルメ術にぴったりの食事スポット。
2020年3月にオープンした「ワイキキ・フードホール」は、コロナ禍直前のオープンだったのと、ロイヤルハワイアン・センターC館3階という目立たない場所ゆえ、まだあまり知られていない印象ですが、店内も綺麗で、お店のラインナップも面白いイチオシのフードコートです。
地産地消にこだわった「ホノルルバーガーカンパニー」や、リブロースステーキやフリフリチキンの「ミリタリーボーイ」、フードトラック発のガーリックシュリンプ店「ファイブスターシュリンプ」など、こちらはがっつりとハワイらしいグルメを食べたい人におすすめです。
▲カラカウア通りに入り口が面していて、観光客も入りやすいSTIX ASIA。
一方、うどんやラーメン、おむすび、天丼など、日本食が恋しくなった時に駆け込みたいのが「STIX ASIA」。もともとワイキキ横丁が入っていたワイキキ・ショッピングプラザの地下1階が、2023年2月にハワイ最大級のアジアンフードホールにリニューアル。現在は日本食を中心に、台湾の牛肉麺や香港風カフェなど、計12店舗が営業しています。
時間がないときでもサクっと食べられて、お値段もワイキキの中では比較的カジュアル。ただし、当たり前ですが日本国内で食べるうどんやラーメンの値段と比較はしないように!
以上、どうしても財布を気にしてしまうハワイの外食ですが、ハッピーアワーやイートイン、ファーマーズマーケット、フードコートなどをうまく活用することで、ハワイらしいグルメや景色、雰囲気をしっかり堪能しつつ、だいぶ出費を抑えることができるのはわかっていただけたかと思います。
もちろん節約だけが目的ではないメリハリハワイ術。次回のvol.3では、ハワイならではの体験をかしこく手配するアクティビティ情報を紹介します。
トラベルエディター
伊澤慶一
旅行ガイドブック『地球の歩き方』編集部にて国内外のガイドブックを多数手がけ、2017年に独立。現在は、雑誌のホテル特集ページ制作を手がけたり、「ワーケーション」や「ステイケーション」をテーマに連載記事の執筆、また自らのInstagramアカウントで日々おすすめホテル情報を発信している。
アカウント:@izawakeiichi
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