「色欲」とは？簡単に基礎知識を解説
色欲の読み方は「しきよく」です。あまり日常的に使うフレーズではありませんが、小説などで用いられることがあります。
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色欲とは、人間が持つ複数ある欲望のうちのひとつです。「色欲・食欲・睡眠欲のなかならば、私は睡眠欲を優先したい」などと使います。
はじめに、色欲の詳しい意味や使い方・例文、色欲と恋愛の使われ方の変化を確認していきましょう。
意味は「男女間の性的な欲望」など
【しき‐よく色欲／色慾】
1.男女間の性的な欲望。情欲。
2.色情と物欲。
3.仏語。感覚的な欲望。
（引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より）
色欲には、「男女間の性的な欲望」「情欲」「色情と物欲」などの意味があり、欲の一種を表す言葉です。「感覚的な欲望」を表す仏教用語でもあります。
仏教では、色欲を含めた五つの欲望をまとめて「五欲」と呼んでいます。
ご‐よく【五欲】
仏語。人間がもつ五つの欲。色（しき）・声（しょう）・香（こう）・味・触（そく）の五境に対して起こす欲望。また、財欲・色欲・飲食（おんじき）欲・名欲・睡眠欲の五つ。五塵（ごじん）。
（引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より）
色欲の使い方・例文
それでは、実際の色欲という言葉の使い方を、簡単な例文で確認しておきましょう。
・あの人は色欲が少ないようだ。
・これはあなたたちのいうような、卑しい色欲ではありません。
・あなたも食欲や色欲ばかりではなく、もっと高尚な趣味を持ったほうが良いのではないか。
これらのように、性的な満足を得るための欲望など、人間の持つ欲望に関する話をする際に用いられています。
色欲と恋愛の使われ方の変化
色欲と恋愛というフレーズは、時代によって使われ方が変化していったようです。
太宰治の 「チャンス」では、「恋愛」という新語が作り出されたこと、大学の講壇で「恋愛至上主義」を叫んだ人がいたことなどが書かれています。
また、「恋愛至上主義」という表現は「時の文化的なる若い男女」の共鳴を得たようです。しかし何となく高尚なことのように聞こえても、在来の日本語で「色慾（色欲）至上主義」といったらどうかと続いています。
これによると、「恋愛」が比較的新しい言葉で、以前から用いられていた色欲という言葉とはまた違った印象で受け取られるようになったようです。
色欲の類語・言い換え表現5つ
色欲の類語・言い換え表現の例には、以下のようなものがあります。
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これらのほかに、「淫欲（いんよく）」「欲情（よくじょう）」「劣情（れつじょう）」「痴情（ちじょう）」「情炎（じょうえん）」なども、色欲の類語・言い換え表現です。
それでは、これらの言葉の意味などをあわせて確認していきましょう。
性欲（せいよく）
「性欲（せいよく）」とは、「性的な満足を得るための、肉体的な欲望」「肉欲」のことです。色欲よりも漢字が直接的であり、見ただけで意味を理解しやすいでしょう。
たとえば、以下のように使います。
・あのように性欲におぼれてしまうなんて、だらしない人だ。
・恋愛と性欲とは、切っても切れないものなのではないだろうか。
せい‐よく【性欲／性×慾】
性的な満足を得るための、肉体的な欲望。肉欲。
（引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より）
情欲（じょうよく）
「情欲（じょうよく）」とは、「男女間の肉体的な欲望」「色情」「色欲」「だれもが持っている世俗的な欲望」を指す言葉です。
情欲は、たとえば以下のように使います。
・彼女に情欲をそそられている。
福沢諭吉の論文集である「学問のすゝめ（がくもんのすすめ）」では、「痛きものを遠ざけ甘きものを取るは人の情欲なり」と書かれています。
なお、「学問のすゝめ」でとくに有名な文章は、冒頭の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」です。
じょう‐よく〔ジヤウ‐〕【情欲／情×慾】
１ 性的な満足を得るための、肉体的な欲望。色情。色欲。「―をそそる」
２ だれもがもっている世俗的な欲望。
「痛きものを遠ざけ甘きものを取るは人の―なり」〈福沢・学問のすゝめ〉
（引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より）
肉欲（にくよく）
「肉欲（にくよく）」とは、「異性の肉体を求める性的欲望」「性欲」「情欲」のことを指します。
肉欲は、たとえば以下のように使います。
・彼は肉欲におぼれてしまっているようだ。
・自らの肉欲をみたすことばかりを考えてしまう。
にく‐よく【肉欲／肉×慾】
性的な満足を得るための、肉体的な欲望。性欲。情欲。「―におぼれる」
（引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より）
色情（しきじょう）
「色情（しきじょう）」とは、「肉体的な欲望」「情欲」「色欲」「欲情」のことを指す言葉です。色情を用いた慣用句・熟語には、「色情狂（しきじょうきょう）」「色情倒錯（しきじょうとうさく）」「色情症（しきじょうしょう）」があります。
色情狂とは、「情欲がはなはだしく、常軌を逸した行動をとること」「いろきちがい」などのことです。また、「躁病、脳の器質的障害、薬物依存などによって性欲が異常に亢進（こうしん）した状態」を指すこともあります。
色情症も、これらの影響によって「性欲が異常に亢進した状態」のことです。
色情倒錯とは、「常人とは異なった刺激による以外には色情が起こらないこと」を指します。サディズムやマゾヒズムなどが、色情倒錯だといえるでしょう。
たとえば、以下のように使います。
・色情を満たすことばかりにになってしまうのは恐ろしいことだ。
しき‐じょう〔‐ジヤウ〕【色情】
肉体的な欲望。情欲。色欲。欲情。
（引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より）
愛欲（あいよく）
「愛欲（あいよく） 」とは、「異性への性的な欲望」を指す言葉です。または、仏教用語として「欲望に執着すること」を意味する場合もあります。
たとえば、以下のように使います。
・彼は愛欲に狂乱しているようだ。
・彼女は、あれから愛欲におぼれた生活を送っているそうだ。
あい‐よく【愛欲／愛×慾】
１ 性的な欲望。「―におぼれる」
２ 仏語。欲望に執着すること。
（引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より）
色欲という言葉を理解しよう
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色欲とは欲の一種を表す言葉であり、「男女間の性的な欲望」「情欲」「色情と物欲」などの意味があります。時代が進み恋愛というフレーズができると、男女間などの関係性への考え方も変化していったようです。
色欲と似た意味を持つ言葉には「性欲（せいよく）」「情欲（じょうよく）」「肉欲（にくよく）」「色情（しきじょう）」「愛欲（あいよく）」などがあります。
類語・言い換え表現であっても少しずつ意味や使い方が異なる場合があります。実際に使用する際は注意しつつ、色欲や関連する言葉への理解を深めましょう。
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