マリアージュとは?言葉の意味を解説
マリアージュとは、フランス語で「結婚」を意味する言葉です。しかし、食の世界では別の意味を持ちます。同じく食の世界で使用される似た言葉「ペアリング」との違いや、食事以外の場面での使用例も含めて解説します。
フランス語で結婚を意味する言葉
マリアージュはフランス語で「結婚」を意味する言葉ですが、食の世界において、ワインと料理の相性を表現する際にもよく使われます。たとえば、赤ワインと濃厚な肉料理の組み合わせを「素晴らしいマリアージュだ」と表現することがあります。
マリアージュ【(フランス)mariage】
1. 結婚。婚姻。婚礼。
2. 飲み物と料理の組み合わせが良いこと。特に、ワインと料理の組み合わせについていう。また、料理どうし、食材どうしの組合わせが良いこと。
小学館 『デジタル大辞泉』より引用
しかし、マリアージュの概念は食の世界だけにとどまりません。香りや音楽など、異なる要素が調和して新たな価値を生み出す場面でも使用されます。
マリアージュの魅力は、単なる組み合わせ以上の相乗効果を生み出すことです。ワインと料理の場合、互いの味わいを引き立て合い、より豊かな味覚体験を創出します。
ペアリングとの違い
食の世界におけるマリアージュとペアリングは、どちらも食べ物と飲み物の組み合わせを指す言葉です。ただし、その意味合いには微妙な違いがあります。ペアリングが意味しているのは、単純な「組み合わせ」や「組み合わせる行為」です。一方で、マリアージュはより深い「調和」や「融合」を表現します。
たとえば、赤ワインと濃厚な肉料理のマリアージュは互いの味わいを高め合い、新たな味覚へのアプローチを生み出します。
予想外の組み合わせから生まれる驚きも、マリアージュの魅力。一見ミスマッチに思えるチョコレートと赤ワインが、実は絶妙なマリアージュをかもしだすといった例があります。
マリアージュを言葉として使う際の例
マリアージュは食事の場面だけでなく、さまざまな分野で使われる魅力的な言葉です。ワインと料理の相性を表現する際はもちろん、ファッション・音楽・香水の世界でも活用されています。
具体的な使用例を通じて、マリアージュという言葉がどのように日常生活に溶け込んでいるかを解説します。
食事の席で使う場合
食事の席でマリアージュという言葉を使う場合、主にワインと料理の相性を表現します。以下が例文です。
・このシャルドネは、クリーミーな魚料理とのマリアージュが素晴らしい
・イタリア料理とイタリアワインのマリアージュを楽しむ
・貴腐ワインとチーズの絶妙なマリアージュによって、食事の時間が豊かになった
ワインのほか、コーヒーと料理の相性について話すときにもマリアージュが使われます。
・深煎りのコーヒーにダークチョコレートを合わせるのが、コーヒーマリアージュの基本だ
それ以外の場で使う場合
マリアージュという言葉は、食事の場面以外でも幅広く使われています。
・このジャケットとパンツのマリアージュが絶妙だ
・ジャズとクラシックのマリアージュが人気になってきている
・フローラルとウッディのマリアージュによって、好みの香りに仕上がった
ファッションの世界では色彩や素材感の調和、音楽の世界では異なるジャンルの融合を「マリアージュ」と表現することがあります。香水の世界におけるマリアージュは、異なる香りの調和を表すときに使われる言い回しです。
どのケースでも、ふたつの要素が互いを引き立て合い、新しい魅力を生み出す様子を表しています。
自身でマリアージュを楽しむ際のポイント
食事でマリアージュを楽しむには、いくつかのコツがあります。ここでは、飲み物と食材の組み合わせを満喫するための重要なポイントについて3つ紹介します。
飲み物と食材の風味を合わせる
マリアージュを楽しむ際に重要なのは、飲み物と食材の風味を合わせることです。たとえば、赤ワインと濃厚な肉料理を合わせるのは、両者の力強い味わいが調和するためです。
一方で、繊細な白身魚には軽やかな白ワインがよく合います。魚の繊細な風味を引き立てつつ、ワインの爽やかさが口中をリフレッシュさせてくれるのです。
風味をマッチングさせる場合、単に同じ強さを合わせるだけでなく、対比を楽しむこともあります。一例として、辛い料理に甘口のワインを合わせると、辛さが和らぎ新たな味わいが生まれることがあります。
飲み物と食材の色を合わせる
ビギナーでも楽しめるマリアージュの手法として、飲み物と食材の色を合わせることがあります。同じ系統の色の飲み物と食材は、相性のよい傾向があり、簡単に組み合わせられます。また視覚的な調和が、味覚体験をより豊かにしてくれるのもメリットです。
赤ワインと赤身肉の組み合わせは、色彩的にも美しく食欲をそそります。その他、白ワインと白身魚、ロゼワインとサーモンなどが、色の類似性を心地よく感じる例です。
色合いを意識したマリアージュは、料理の見た目を引き立てるだけでなく、味わいの期待感も高めてくれます。視覚と味覚の相乗効果で、食事がより印象的な体験となるのです。
飲み物と食材の産地を合わせる
飲み物と食材の産地を合わせるマリアージュは、地域の食文化を深く理解し楽しむ方法といえます。たとえば、イタリアのキャンティワインとトスカーナ料理の組み合わせは、地域の風土が育んだ味わいの調和を感じられます。
フランスのシャンパーニュ地方で生まれたシャンパンと、同地方の名物チーズであるブリーチーズの組み合わせも絶妙です。泡立ちの爽やかさがクリーミーなチーズを引き立てます。
日本酒と和食の組み合わせも、地域性を活かしたマリアージュの好例です。新潟の日本酒と地元の海の幸を楽しめば、その土地ならではの味わいを堪能できます。
メイン・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock
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