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「船頭多くして船山に上る」の意味とは

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「船頭多くして船山に上る」(せんどうおおくしてふねやまにのぼる)とは、指図する人が多く、物事が見当違いの方向へ進んでしまうことの例えです。「船頭」とは、和船の船長や船を操る人を意味します。
「船頭多くして船山に上る」は、その船頭が多いあまりに、川を流れるはずの船が山へ上ってしまうことを表しています。
日常生活では、「物事をまとめるリーダーが多すぎるあまり話がうまくまとまらず、思うようにいかない」というニュアンスで用いるケースが多いでしょう。
船頭多くして船山に上のぼる
指図する人間が多いために統一がとれず、見当違いの方向に物事が進んでしまうたとえ。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「船頭多くして船山に上る」の使い方

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日常生活やビジネスシーンでは、一つの目標に向け多くの人が集まる機会も多いのではないでしょうか。
「船頭多くして船山に上る」の意味に適したシーンでは、ぜひ以下のように活用してみてください。
- 新商品の開発のため、その道のプロフェッショナルを集めたのだが、船頭多くして船山に上るで、かえって話が前に進まなかった。
- 船頭多くして船山に上るというように、口を出す人が多すぎるとチームがうまくまとまらない。
- 船頭多くして船山に上るとならないよう、まずはリーダーとなる人を決定しよう。
「船頭多くして船山に上る」を四字熟語で表すなら?
「船頭多くして船山に上る」と似た意味をもつ四字熟語には「築室道謀」(ちくしつどうぼう)が挙げられます。「築室道謀」とは、余計な意見ばかりで物事がまとまらず、結局失敗してしまうことです。

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ここでは、「築室道謀」の由来や使い方についてみていきましょう。
「築室道謀」の由来
「築室道謀」の「築室」とは、家を建てることです。また、「道謀」は道を行き来する人に築室について相談することを表します。
ところが、人々は思い思いのことを口にするため、一向に話がまとまりません。結局家が建たなかった、という話が「築室道謀」の由来となっています。
「築室道謀」の使い方
「築室道謀」は、以下のように「船頭多くして船山に上る」と似たニュアンスで使用できます。物事を端的に伝えたいときは、四字熟語である「築室道謀」の活用を検討してみましょう。
- 周囲の意見に耳を傾けることは大切だが、築室道謀で結論を見失わないよう気を付けたい。
- 多くのアドバイスを参考にするつもりが、築室道謀、かえって方向性を見失ってしまった。
「船頭多くして船山に上る」の類語や言い換え表現

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「船頭多くして船山に上る」の類語や言い換え表現には、以下の2つがあります。
- 家を道端に作れば三年成らず(いえをみちばたにつくればさんねんならず)
- 下手の大連れ(へたのおおづれ)
いずれも多くの意見にまつわることわざです。それぞれの正しい意味について確認していきましょう。