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2023.02.15

「敵に塩を送る」ってどういう意味?由来や使い方、類語も解説

 

「敵に塩を送る」とは敵の弱みにつけ込まず、逆に相手の苦境を救うという意味のことわざです。戦国時代の武将・上杉謙信の逸話がもとになっていると言われており、ビジネスシーンでもよく使われます。本記事では「敵に塩を送る」の意味や由来、使い方などをご紹介します。

「敵に塩を送る」の意味は敵の弱みにつけ込まず苦境を救うこと

敵に塩を送る」ということわざの意味は、敵が苦しんでいるときに弱みにつけ込まずに、苦境を救うことです。

【敵に塩を送る:てきにしおをおくる】
敵の弱みにつけこまず、逆にその苦境から救う。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

敵に塩を送る

ライバルを助ける美談の例として使われることもあれば、敵に塩を送ることが最終的に自分たちにとってメリットになるという教訓として使われることもあります。

続いて「敵に塩を送る」の語源について、さらに詳しく解説しましょう。

「敵に塩を送る」の由来は上杉謙信の逸話に基づく故事

「敵に塩を送る」の由来は、戦国時代の武将である上杉謙信が、敵将・武田信玄の領国である甲斐が塩不足に苦しんでいると知り、甲斐へ塩を送らせたという故事です。

現在の山梨県にあたる甲斐は海に接していないため、東海地方から塩を入手していました。しかし東海地方の武将・今川氏真が関東地方の武将・北条氏康と手を組み、甲斐への塩の販売を禁止する戦略を実行したのです。

困り果てた武田信玄のもとに、ライバルである越後の武将・上杉謙信から塩を適正な価格で販売するとの申し出があり、武田信玄は苦境を脱したという故事が残っています。この逸話から敵に塩を送るということわざが生まれたとされています。

この逸話については諸説あるため、次の章で説明しましょう。

逸話は創作なのか史実なのか?

上杉謙信が武田信玄に塩を送った逸話は史実ではないという説や、困窮している武田信玄に塩を高値で売りつけたのではないかという説もあります。しかし現在残されている歴史書を見ると、適正価格で塩を販売したという逸話が記載されているのは事実です。

江戸時代の後期に頼 山陽(らい さんよう)がまとめた『日本外史』の第十一巻『足利後記・武田氏上杉氏』には、上杉謙信が商人たちに命じて、武田領である甲斐に公正な価格で塩を販売させたという内容の文章が記載されています。

ただし戦国時代の逸話を江戸時代の後期にまとめたもののため、これだけで史実と断定することはできません。しかし、敵に塩を送るということわざとして、現代でも使用されていることから、日本人の心を捉えた逸話であったことは間違いないでしょう。

「敵に塩を送る」の使い方と例文

「敵に塩を送る」ということわざはビジネスシーンでもよく使われます。「敵に塩を送る」ということわざは美談として広まりましたが、必ずしも良いこととしてのみ使われているわけではないため、注意が必要です。

敵に塩を送る

例文

・世界的に品不足が続いている半導体をライバル会社に提供することは、敵に塩を送ることになるが、業界が勢いをなくすのは避けたい。いつかきっとこの借りを返してくれるだろう。
・我が社が独自に開発した技術の使用を同業他社に許可するわけにはいかない。敵に塩を送るような行為は慎んでくれたまえ。

 

「敵に塩を送る」の類義語2つ

「敵に塩を送る」にはいくつかの類義語があります。中国の春秋時代の兵法書『孫子』が由来となっている「呉越同舟」と、一般的によく使われる平易な表現である「相手を利する」の2つの意味と例文をご紹介します。

どちらもビジネスシーンでも使われることのある語句です。どんなシチュエーションで使うのかも含めて覚えておきましょう。

敵に塩を送る

【類語1】呉越同舟(ごえつどうしゅう)

呉越同舟」とは敵味方が同じ場所に居合わせること、もしくは敵対していながら、同じ目的や利害のために協力し合うことを意味する語句です。

中国の兵法書『孫子』の中の逸話が由来になっています。春秋戦国時代に敵対していた呉の国の人間と越の国の人間が同じ船に乗り合わせて、その船が嵐にあった時に協力して危機を脱したという内容です。

ビジネスで使う場合には、ライバル関係にある会社同士が協力し合うときに使います。もともと協力関係にある場合には使わないほうがよいでしょう。

例文

・ライバル関係にある自動車メーカーが、呉越同舟で自動運転の技術を開発することになった。

 

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