帽子は季節を問わず使われるアイテムであり、見た目を清潔に保つためにも正しい洗い方を知ることが大切です。本記事では、初心者でも実践しやすい具体的な手順と、素材や汚れに応じた最適なケア方法を創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。
汗染みやファンデーション汚れの落とし方から、型崩れを防ぐ洗い方まで、役立つ情報をお届けします。
帽子の洗い方の基本
帽子を洗う際、まずは洗濯表示を確認。帽子のタグには、手洗いが推奨されているものや、洗濯機の使用が可能なものなど、重要な情報が記載されています。
手洗いの場合は、ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、柔らかい布やスポンジを使って汚れを軽く叩くように洗います。水に長時間浸けないことが型崩れを防ぐコツです。洗濯機を使用する場合は、必ず洗濯ネットを使い、弱水流で優しく洗いましょう。特にデリケートな素材の帽子は、ネットに入れるだけでなく、型崩れ防止用の専用グッズを使うと安心です。詳しくは、後述します。

(c) Adobe Stock
手洗いで帽子をケアする方法
手洗いは、帽子を優しく丁寧に洗う方法としておすすめです。特に型崩れや素材へのダメージを最小限に抑えたい場合には欠かせません。ここでは、初心者でも実践しやすい具体的な手順と、型崩れを防ぐ工夫を詳しく解説します。
基本の手洗い手順|初心者向け簡単ガイド
初めて帽子を手洗いする方のために、準備から洗浄、すすぎまでの具体的な手順を詳しく説明します。簡単で失敗しにくい方法をチェックしましょう。
1.準備物を整える
中性洗剤、小さな洗濯用ブラシまたは柔らかいスポンジ、ぬるま湯(30度前後)、大きめの洗面器またはバケツを用意します。必要に応じてタオルも準備してください。
2.洗剤をぬるま湯に溶かす
洗面器にぬるま湯を入れ、中性洗剤を適量加えます。洗剤が均一に溶けるように軽く混ぜましょう。洗剤の量は多すぎるとすすぎが難しくなるため、適量を守ることが大切です。
3.帽子を部分洗いする
汚れが気になる部分を重点的に洗います。スポンジまたは洗濯用ブラシに洗剤液を含ませ、軽く叩くようにして汚れを落とします。ゴシゴシこすらないよう注意し、繊維を傷めないようにしましょう。
4.全体を洗う
汚れが落ちたら、帽子全体をぬるま湯に数分間浸します。その後、手のひらで帽子を軽く押すようにして洗剤液を含ませ、全体を均一に洗います。
5.すすぎと水切り
洗剤が残らないようにぬるま湯を使って十分にすすぎます。その後、帽子をタオルで包み、軽く押して水分を取り除きます。絞るのは、型崩れの原因になるため避けましょう。
型崩れを防ぐコツと乾かし方
手洗い後の乾燥で型崩れを防ぐことが、きれいな帽子を保つ秘訣です。乾燥時に注意すべきポイントや便利な道具の使い方をご紹介します。
1.形状を保ちながら乾かす準備
帽子の内側にタオルや新聞紙を詰めて、元の形を維持します。これにより、乾燥時の型崩れを防止。帽子の形状が複雑な場合は、帽子専用の型崩れ防止アイテムを活用するのも効果的です。
2.直射日光を避けた自然乾燥
帽子は直射日光に当たると色あせや素材の劣化を引き起こすことがあります。ですから、風通しのいい日陰で自然乾燥させることがおすすめ。扇風機を使って乾燥を促進するのも効果的です。
3.乾燥後の仕上げ
完全に乾いた後、形状が崩れていないか確認します。必要に応じて軽く手で整えることで、見た目をきれいに保つことができますよ。
洗濯機を使った帽子洗いのコツ
洗濯機を使った帽子洗いは、忙しい日常において効率的な方法ですが、正しい手順を踏まないと型崩れや素材の劣化を招く可能性があります。ここでは、洗濯機を安全に活用するための具体的なポイントを紹介します。初心者でも失敗しにくい手順で、帽子をきれいに保ちましょう。

(c) Adobe Stock
洗濯機で洗える帽子の見極め方
まず最初に確認すべきは、帽子が洗濯機対応かどうかです。適切な判断が帽子を長持ちさせる鍵となります。洗濯タグに表示されているアイコンを確認し、「手洗い可」や「洗濯機可」と記載されている帽子を選びましょう。
ただし、洗濯機に対応している場合でも、レザー素材や芯材の硬い帽子は洗濯に適さないことがあります。これらの場合は手洗いやクリーニングが推奨されます。さらに、汗染みや軽度の汚れだけを落としたい場合は、洗濯機の使用を避け、部分洗いを検討する方が安全です。