お風呂の鏡につく【水垢の正体】とは
水垢とは水道水中の「金属成分」が析出したもの
拭いても拭いてもなかなか落ちない鏡の水垢。あの白い汚れの原因は一体何なのでしょうか? 洗剤化学のスペシャリスト・かずのすけさんによると、これは水道水中の「金属成分」が析出したものなのだとか。
「お風呂の浴槽や壁、鏡などに白っぽくこびりついた粉状の汚れに見覚えがあるでしょうか。『水垢』『カルキ』などと呼ばれる汚れになります。水をかけただけでは落ちず、こすると多少は落ちるものの意外と頑固なのでお掃除が大変ですよね」(かずのすけさん)
「頑張って洗ってもしばらく経つと自然に復活するこの汚れは一体何者なのかというと、『水道水中の金属成分』が析出したものです。水分は蒸発できますが、金属成分は蒸発できないため、このように白色粉末状に残ってしまうのです。水道水の殺菌処理剤として使われているカルキ(次亜塩素酸カルシウム)が由来の『カルシウム』がその主成分と言われています」(かずのすけさん)
石鹸カスも原因のひとつ
さらにかずのすけさん曰く、普段使っている石鹸にも原因があるのだとか。
「似た汚れで石鹸皿などの周辺に集中して発生する白い粉末状の汚れは『石鹸カス』と呼ばれるものです。これは石鹸と金属イオンが合体して生じるもので、正式には『金属石鹸』と呼ばれます。石鹸は本来水に溶けても透明ですが、石鹸水が白っぽく濁って見えるのは、この金属石鹸のせいなのです」(かずのすけさん)
鏡の水垢掃除に【有効な成分】って?
酸性の洗剤がおすすめ
水垢やくもりは「アルカリ性」の汚れです。
アルカリ性の汚れを落とすには、アルカリ性と反対の性質を持つ「クエン酸」がおすすめだと言われています。クエン酸がアルカリ性の汚れを分解・中和し、落としやすくしてくれるのです。
またクエン酸には、カビ菌を除菌する効果も。気になる場所のカビ予防にもおすすめです。
意外にも「重曹」はNG
かずのすけさん曰く「重曹」はおすすめしないそう。
「ここで注意したいのは、お風呂汚れには石鹸や重曹などはおすすめできないということです。ナチュラル嗜好の成分なので使いたいという気持ちもわからなくはないですが、石鹸は石鹸カスの原因になりますし、重曹(炭酸水素ナトリウム)などのアルカリ剤には金属イオン成分が含まれるためです。アルカリ性なので金属汚れには効果もイマイチです」(かずのすけさん)
鏡についた【水垢の落とし方】STEP
準備するもの
・スポンジ
・メラミンフォームのスポンジ
・ジーンズ地など目の詰まった布
・ゴム手袋 (洗剤を使用する場合)
・浴室用靴
・浴室用洗剤 (酸性タイプ)
・クリームクレンザー
なお、お風呂場の掃除は、ドアや窓を開けて、換気扇を回した状態で行いましょう。