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西暦とは何か

世界的に広く使われている年号「西暦」ですが、いったいどのように決まったのでしょうか? 西暦の基礎的な知識をチェックしましょう。
イエス・キリストの誕生した年が始まり
西暦で年を数え始める基準である「紀元」になっているのは、イエス・キリストの誕生した年とされています。6世紀ごろに、東ローマ帝国はスキタイ(現在のブルガリア)出身の修道士ディオニュシウス・エクシグウスによって、キリストの誕生年が「1年」と算出されたのです。
後の計算によると、実際にイエス・キリストが生まれたのは、「1年」より4~7年前だったそう。ですが、この計算結果に合わせて西暦が変わることはありませんでした。
キリストが生まれる前はどう表す?
イエス・キリストが生まれる前にも、地球には多くの人々が生活していました。そのころの年代を表すときは、年数の前に「B.C.(before christの略)」もしくは「紀元前」を付けるルールです。
たとえば、西暦1年より30年前を表すには「B.C.30」や「紀元前30年」と記載します。
また、イエス・キリストが生まれるより後の年数には、中世ラテン語で「主の年に」という意味の「A.D.(Anno Dominiの略)」を数字の前に付けて「A.D.1785」といったように表すこともあります。
日本では西暦と和暦が使われている

日本では西暦に加えて独自の和暦も使われています。和暦とは何かを確認したうえで、西暦と和暦の使い分け方を見ていきましょう。
和暦とは
日本には「昭和」「平成」「令和」など、ある特定の年代を示す称号〝元号〟を用いて、独自の年の数え方をする和暦というものがあります。和暦では、これまでに248の元号が使われてきたとされています。
明治時代に「一世一元の制」が導入される以前は、天災が起きたときや良いことがあったときなどに元号を変更するならわしでした。
たとえば飛鳥時代には、国司が献上した白い雉をめでたい兆しとして、元号を「白雉」としたという記録があります。また、藤原京の西の空に縁起の良い虹色の雲が見えたことから、「慶雲」と改元されたことも。
幕末に行われた「万延」への改元は、アメリカやオランダなどとの条約締結による外国人の来日や、江戸城本丸の焼失、コレラの流行などを理由に行われたものです。
「一世一元の制」が定められて以降は、天皇一代につき一つの元号を用いています。
元号を使っているのは日本のみ
元号はもともと中国で始まり、漢字を使う周辺国に広まりました。かつてはベトナムや朝鮮半島でも元号を使っていた記録がありますが、現在も公式に使っているのは日本のみです。
また西暦とともに、その他の暦を併用している国や地域もあります。たとえば中国では西暦と中国暦(旧暦)を使っていますし、タイでは西暦と釈迦入滅を紀元とするタイ暦を使っています。また、イスラム圏では西暦とヒジュラ暦(イスラム暦)を用いているそうです。
西暦と和暦の使い分け
西暦と和暦を使っている日本は、ふたつの暦を使い分けていることになります。原則として、行政に提出する書類は、和暦で記載するのが基本です。
その他の書類は、西暦・和暦どちらで記載しても構いません。ただし混在するとわかりにくくなるため、どちらかで統一するとよいでしょう。
提出する書類に「元号」で書くよう明記されていたり、西暦で記載するよう指定されている場合には、指定の暦で記載します。
現代日本では西暦での表記が増えている
世界的に用いられている西暦は、日本国内でも定着し、さまざまなシーンで利用されています。「令和7年(2025年)」といったように、西暦と和暦を併記しているケースも少なくありません。
ちなみに、西暦で表記するときは、下2桁のみを使う場合もあります。例を挙げると、2025年であれば「25年」や「’25年」と記載するのです。さらに元号と区別しやすいよう「西暦2025年」とすることもありますが、下2桁で表す場合には「西暦25年」という表記はしません。
企業も個人もリアルタイムに国外とやり取りすることが増えている中、和暦よりも西暦のほうが利便性が高いことから、利用シーンが増えていると考えられるでしょう。
まとめ
西暦とはイエス・キリストが生まれた年を起点とする暦です。1年よりあとの年代には「A.D.(Anno Dominiの略)」を、前の年代には「B.C.(before christの略)」もしくは「紀元前」を付けて表します。
日本では西暦に加えて、独自の元号を用いる和暦も使っています。西暦とほかの暦を併用している国や地域はほかにもありますが、元号を使っているのは日本のみです。
行政に提出する書類は原則として和暦ですが、その他の書類は統一していればどちらを用いても構いません。ただし国外とのやり取りが増えている昨今は、西暦を使うシーンが増えています。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
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