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和暦とは

「令和」「平成」「昭和」などの元号を用いる、日本独自の年代の数え方を和暦といいます。令和を含めて248の元号が用いられてきた和暦には、どのような歴史があるのでしょうか? ここでは和暦の始まりと、元号について紹介します。
和暦の始まりは?
和暦で最初に用いられた元号は「大化(たいか)」です。中大兄皇子や中臣鎌足らが蘇我氏を倒して進めた政治改革「大化の改新」が行われた645年に、孝徳天皇が日本独自の元号を定めました。
「大化」が元号として定められてから、2025年時点の「令和」まで、元号はほぼ絶えることなく続いています。
明治より前の元号は短い間隔で変わっていた
明治時代に「一世一元の制」が導入され、天皇一代につき一つの元号となるまで、元号は頻繁に改められていました。元号を改める改元によって、時代を改めるという意味があったからです。
たとえば天災が起こったとき、疫病が流行したとき、凶作が続いたときなどには、改元によって良くない状況を収めようとしたのです。また、めでたい兆しである〝白い雉〟や〝虹色の雲〟などを見つけたときにも改元したという記録が残っています。
元号の意味

元号は古典から引用した候補より選ばれています。これまでは儒教の聖典である「四書五経」や歴史書など、中国の書を典拠としてきましたが、「令和」は初めて日本の古典・万葉集から引用されました。
ここでは、近年の元号「令和」「平成」「昭和」に、どのような意味が込められているのかチェックしましょう。
「令和」は万葉集から引用
「令和」は万葉集の「梅花の歌」の序文にある「初春の令月にして気淑く風和ぎ」という一節を引用した元号です。
「令」は良い・美しいという意味を、「和」は調和という意味を持つ文字で、新元号発表のときには「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つように」との願いを込めたと説明されました。
元となった「梅花の歌」は梅を愛でる宴に参加した人々が、梅の花を自由に捉えて表現した歌を集めたもの。そのことから、多様性に通じる意味合いがあるとも解釈できるそうです。なお、英語では「Beautiful Harmony(美しい調和)」と表現されています。
「平成」は史記と書経から引用
「平成」は「史記」五帝本紀の「内平外成(内平らかに外成る)」と、四書五経の一つである「書経」大禹謨(偽書)の「地平天成(地平らかに天成る)」から引用しました。
昭和64年(1989年)1月7日の改元発表時には、「国の内外にも天地にも平和が達成される」という意味が込められた元号であると説明されています。
「昭和」は書経から引用
「昭和」は「書経」にある「百姓昭明にして、萬邦を協和す」から引用された元号です。すべての人々が知徳を磨いて世界が繁栄するために協力しましょう、という意味で、国民の平和と世界各国の共存共栄への願いを示しています。
約62年間と、現在248ある元号の中で最も長く続きました。
和暦と西暦の使い分け方

西暦とは、イエス・キリストが生まれたとされる年を1年とする年代の数え方のことです。西暦1年以降の年代は〝神の年〟という意味の「A.D.(ラテン語のAnno Dominiの略)」を付けるか単に年数のみで、1年より前の年代は「B.C.(Before Christの略)」か「紀元前」を付けて表します。
世界中で広く使われている西暦は、日本でも和暦とともに用いられていますが…この2つはどのように使い分けるのでしょうか?
統一されていれば和暦でも西暦でもOK
同じ書類内で表記を統一するならば、和暦と西暦のどちらを使っても構いません。書類に元号もしくは西暦で書くよう記載されている場合や、社内ルールでどちらかの使用を指示されている場合には、その通りに記すとよいでしょう。
ただ、行政に提出する書類は和暦で書くのが基本です。書類によっては、和暦と西暦を「令和7年(2025年)」といったように併記している場合もあります。
まとめ
和暦とは日本独自の元号を用いる年代の数え方です。645年に「大化」という元号を用いたことから始まり、2020年代の現在も続いています。
かつては時代を改める目的で、天災・疫病・凶作などが起こったときに元号を改めることもありましたが、「一世一元の制」が定められた明治以降は天皇一代につき一つの元号となりました。
元号を定める際は、中国または日本の古典から引用されています。たとえば「令和」は万葉集の「梅花の歌」からの引用で、「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」との願いが込められました。
日本では和暦とともに西暦も用いられており、どちらを使っても誤りではありません。ただし、書類に記載するときには、和暦か西暦のどちらかに統一しましょう。ちなみに、行政へ提出する書類では、和暦を使うのが一般的です。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
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